本文へジャンプ

高効率ノンフロン型空調機器技術の開発

事業・プロジェクト概要

事業期間:平成23年度~平成27年度、予算総額:18.94億円
PL:飛原 英治(東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授)

オゾン層保護等に始まる特定フロン(※1)類の規制(モントリオール議定書)により、CFC(※2)・HCFC(※3)等の冷媒は、生産・使用の段階的削減が義務づけられました。このような中で、代替フロン(※4)を用いた冷媒が開発され、冷凍空調業界はこれらの転換にいち早く取組み、現在主力機種は殆どがこれらの代替フロンに切り替わりましたが、その中には極めて大きな温室効果を発揮する化合物も含まれているため、京都議定書目標達成計画において排出抑制が求められています。

冷凍空調分野では、使用する温度帯及び機器の規模(冷媒量や配管の長さ等)により、必要な冷媒特性が異なります。NEDOではこれまで、冷却のみを行う業務用冷凍冷蔵や、機器規模が小さい家庭用エアコン分野を対象として、冷媒転換の研究開発を行ってきました。その一方で、業務用空調分野については、家庭用に比べて規模が格段に大きく、転換に要する技術のハードルも高かったことから、これまで積極的な開発は行われてきませんでした。

しかし近年、微燃性冷媒に対する安全性評価についての世界的な考え方の変化や、高圧・超臨界状態でCO2冷媒を用いる新たな技術の登場等を背景として、業務用空調分野での冷媒転換の可能性が急速に高まっています。加えて、業務用空調機器分野の代替フロン等3ガス(※5)のBAU推計(※6)排出量は、2020年には冷凍空調分野の約30%を占めると考えられており、この分野での早急な対策が求められています。

そこで本研究開発では、現行の代替フロン冷媒に比べて大幅に温室効果を下げた低温室効果冷媒を用い、かつ高効率を両立する業務用空調機器を実現するため、機器システムと冷媒の両面から技術開発を行い、業務用空調分野における省エネ化と低温室効果冷媒への転換を促進し、地球温暖化防止に貢献します。さらに、現在進行中の微燃性冷媒に係る国際規格策定の議論を我が国がリードすることで、海外市場における競争基盤の獲得を目指します。

※1. フロン:冷媒の商標。転じてフッ化物である冷媒・工業用ガスの総称に用いられる。

※2. CFC:クロロフルオロカーボンの略称。低分子有機物の水素を全てフッ素・塩素で置換した人工化合物。フロンの一種。

※3. HCFC:ハイドロクロロフルオロカーボンの略称。低分子有機物の水素を一部フッ素・塩素で置換した人工化合物。フロンの一種。

※4. 代替フロン:オゾン層破壊源となる塩素を含まないHFC(ハイドロフルオロカーボン)等の化合物。

※5. 代替フロン等3ガス:代替フロンのうち、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、PFC(パ ーフルオロカーボン)、SF6(6フッ化硫黄)の総称。温室効果が高く、京都議定書の排出削減対象になっている。

※6. BAU推計(Business As Usual):現状の対策を維持した場合の推計。

基本情報

技術・事業分野 フロン対策
プロジェクトコード P11008
担当部署 環境部 (TEL:044-520-5251)

詳細資料

短期的アウトカム概要(6年間の追跡調査により把握した状況)

【追跡対象企業のPJ終了後6年目のステージ状況】

  • 対象企業数:6社
  • 上市:0、製品化:1、研究・開発を継続中:3、中止・中断:2

最終更新日:2022年5月25日

関連ページ