本文へジャンプ

ものづくり・IT融合化推進技術(デジタル・マイスタープロジェクト)

 
年度 平成13~17年度
実施体制 主要研究機関
(独)産業技術総合研究所
中小製造企業向けに、加工技能データベースの構築と低コスト製造・設計アプリケーション、および専用プラットフォームの開発を行います。これにより、中小製造企業の持つ様々な技能のデータ化と、技術力の維持・向上、国際競争力の強化を狙います。
 これまで、日本のものづくりを支え続けてきた中小企業の製造現場。ここでは、「切る」「削る」「曲げる」「みがく」「接合する」「測る」といった、ものづくりの基盤技術、すなわち「技能」が極限まで追求され、日本製品の高品質化、高精度化、高付加価値化に大きな役割を果たしてきました。
 しかしながら近年、熟練技能者の高年齢化や若年層のものづくり離れ、製造工場の海外移転などにより、優れた技能の継承が困難になりつつあります。このことは、単に技能・ノウハウの喪失だけでなく、ものづくりの技術基盤の脆弱化や国際競争力の低下にもつながり、ひいては日本製造業そのものの危機を招きかねない深刻な問題です。
 このような状況を鑑み、日本国内では熟練技能者に対し、表彰制度を設ける、定年退職後の優秀な人材を再雇用する、職業訓練校や工業高校が技能講師として招聘する、といった再評価・再活用の取組みも行われています。しかし今後、熟練技能者の持つ技能やノウハウを確実に継承し、有効に活かしていくためには、個人に特化した知識や技術、勘などの知的資産を可能な限り客観化・データ化し、ITによって再現できる「デジタル技術」として置き換えていく必要があります。
 本プロジェクトは、こうしたニーズに応えるべく、国内中小製造企業が現有する優れた技能やノウハウ、貴重な加工事例、様々なデータなどのデジタル化とデータベース化、また、そのように整備されたデータをフレキシブルに活用できる基盤技術の開発、さらには、ユーザー自身が必要に応じた設計・製造用アプリケーションを容易にかつ低コストで開発できるアプリケーション開発基盤の整備を行います。
  三菱電機 デザイン研究所ホームページ より
        
鋳物工、仕上工の工員数の推移にみる技能者の減少
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
鋳物工/人 3272 2606 2442 2025 2132 2059 2090 2275 1988 1974
仕上工/人 4937 4250 4588 3664 3783 3430 3245 3261 3199 3314
(注) 「鋳物工」 含まれる職種は、鋳物砂型工、鋳物工、モールディングマシン工である。
    含まれない職種は、溶解工、混砂工、ダイカスト工、中子工、合金鋳物工、非鉄金属鋳物工である。
  「仕上工」 含まれる職種は、やすり工、ラッピング工、機械部品仕上工、金型仕上工、治具仕上工である。
    含まれない職種は、工作機械による機械仕上工、心出し工、わり出し工、け書き工である。
  なお、これらの定義は「賃金センサス」[1999]、p.17~20より引用。
  (資料)厚生労働省「賃金センサス」、[1991]~[2000]より作成
大阪府下の金型技能者の平均年齢の変化にみる技能者の高齢化
(注) 金型の生産高で、大阪府は全国2位である。 (緒方[1999]、p52)
  出所(緒方[1999]、p53)