NEDOプロジェクトによって開発された技術がどのように製品やサービスとなって、活用されているかを、開発の現場を訪ねて紹介するシリーズ企画です。
北陸電力株式会社
「オンサイト式・移動式アスベスト無害化・資源化装置の開発」プロジェクト

火力・原子力発電所では、蒸気配管やボイラー周辺設備に強度・断熱性能ともに優れているアスベスト含有保温材が使用されていましたが、定期検査のタイミングに合わせて、アスベストを含まない新しい保温材へと切り替えられてきました。
北陸電力の場合、火力発電所3施設で実体積にして5,000㎥ものアスベスト含有保温材が依然として残留していると推定され、また、過去に1発電プラントの解体で約1,500㎥のアスベストを含む廃棄物が出た実績もあります。
解体・除去したアスベスト含有保温材は、石綿繊維が飛散しないように専用のビニール袋で二重に梱包します。軽くても体積のかさばる保温材を袋に詰めると、さらに隙間ができて、かなりの体積となってしまいますが、これまでは、ほとんどを処分場まで運び埋め立て処理を行ってきました。
しかし、近い将来、最終処分場が逼迫することは明らかで、そうなれば処理費の高騰や、アスベスト廃棄物の不適正処理なども懸念されます。また埋め立て処理にしても、遠い将来、掘り返されたときのリスクがあることから、無害化技術を確立することが、アスベスト対策においては喫緊の課題となっています。
こうした課題克服に向け、アスベストを無害化するための研究開発が進んでいるものの、不特定のアスベスト廃棄物が地元に搬入・処理されることを危惧する周辺住民の不安により、無害化処理施設の新設(建設)が難航しているのが現状です。
そこで、運搬にともなう飛散リスクと処理場建設の問題を同時に解消する方法として、北陸電力では、"その場で"アスベストを無害化するシステムを開発しました。2006年NEDOプロジェクト「緊急アスベスト削減実用化基盤技術開発」、2007年~2009年「アスベスト含有廃棄物の無害化・再資源化技術の開発」の両プロジェクトで、再委託先である富士電機サーモシステムズ株式会社および東北大学(2006年プロジェクトのみ)とともに「オンサイト式アスベスト無害化・資源化装置の開発」を実現しました。