高画質を手軽に楽しめる、
大容量光ディスク/ブルーレイディスクの開発ソニー株式会社

ハイビジョン録画可能時間 20分/DVD→8時間/BD

2011年7月の「地デジ化」に伴いハイビジョン対応デジタルテレビなどへの買い替えも進んでいます。また、3Dテレビ、ビデオカメラも話題です。映像の保存には、ますます大容量のデータを扱える記録メディアが求められるようになっています。そこで次世代の大容量光ディスクとして開発されたのが、Blu-ray Disc(登録商標;以下ブルーレイ、BD)です。ソニーは、世界に先駆け、2003年4月にBDシステムを発売、高画質記録メディア時代の幕を上げました。その背景には、NEDOプロジェクト「ナノメータ制御光ディスクシステムの研究開発」があります。本プロジェクトに関係各社とともに参加、プロジェクトでの研究開発で得た知識や技術などを基にBDを製品化したものです。現在もさらなる大容量化や応用技術の展開に取り組んでいます。

1枚のディスクでハイビジョン映像を丸ごと記録

私たちが日常生活の中で扱うデジタルデータの量は、年々急速な勢いで増え続けています。ハイビジョン映像(HD)や3D映像などを保存するための、大容量記録メディアへの要求も高まっています。ハイビジョン映像は、データ量が標準画質映像(SD)の約5倍もあります。そのため、これまでのDVDでは、映画1本分の映像データを画質を落とすことなく1枚のディスクに収めることはできませんでした。そこで開発されたのが、次世代の大容量光ディスク、BD(ブルーレイディスク)です。

BDはその名の通り、ブルーの半導体レーザーを使って記録/再生する大容量光ディスクです。サイズはCDやDVDと同じ直径12センチメートル、厚さ1.2ミリメートルの円盤状ですが、記録容量は1層で25ギガバイトと、DVDの約6倍、CDの約40倍です。BDの登場によって初めて、1枚のディスクで、2時間強のハイビジョン映像を丸ごと記録できるようになりました。単層の密度向上とともに2層や3層など、多層化も進められており、最大8時間もの録画ができるようになりつつあります。数年のうちには、1枚のディスクで200~400ギガバイトのデータが記録できるようになるとも言われています。今後さらなる高画像・高機能化等で増加すると考えられるデータ量に対応できる可能性を宿しています。

DVDの30倍の大容量化を目指して、日本の技術力が結集

現在、CDやDVDに代わり、光ディスクの主流となりつつあるBDですが、2003年4月、世界で最初にBDを発売したのがソニーです。

家庭用DVDプレーヤーやディスクが発売されたのが1996年11月で、当時はまだ、ビデオテープが家庭用映像記録メディアとしては一般的でした。1998年から2002年までの5年間にわたる、NEDOプロジェクトでは、DVDの約30倍の記録密度をもつ光ディスクの要素技術を研究開発し、実用化、さらには世界標準の獲得に結び付けることを当初から目標にしていました。そのため、ソニーをはじめ、日本の名だたる企業12社と1大学が結集。それぞれの強みを持ち寄り、次世代の大容量光ディスクの研究開発に取り組みました。その成果から生まれたのがBDというわけです。BDはいわば日本の技術力の結集とも言えるのです。

このように技術開発に成功してもその実用化には、この方式が世界中のユーザーに使われる必要がありました。NEDOプロジェクト参加の各社で合意したBDのサイズ(12cm直径、1.2mm厚さ)、と3つの重要なパラメータ(後述)などの基本的なフォーマットをさらに国際的なBDの規格策定・普及のためにメーカー、ユーザー、コンテンツ事業者などを結集し、プロジェクト終了3年後の2005年にはBDA(Blu-ray Disk Association)を設立しました。

「お客様が待っている」、その期待感がエンジニア魂に火を付けた

同プロジェクトを通して、BDの研究開発に携わったソニーのコアデバイス開発本部の山本眞伸さんはこう振り返ります。「NEDOプロジェクトの開始時期が、1998年よりも早くても遅くても、BDが製品として、成功することはなかったかも知れませんね」

すなわち、「必要な要素技術の確立のタイミング」と「社会的ニーズと必要とされる時期」の2つをつなぐ5年間がプロジェクト期間だったのです。

まず「ブルーレイ」の由来である「ブルーレーザー」の開発に世界で初めて成功したのは日本の化学メーカーで1995年のことです。NEDOプロジェクトが発足した1998年、長寿命で実用性に足るブルーレーザーが開発されたことで、一気にBD開発の目処が立ったのです。また、2000年12月にBSデジタルハイビジョン放送が開始されることになりましたが、当時、その放送をそのまま保存できる記録メディアはありませんでした。

2001年度後半から2002年度にかけて、同プロジェクトのリーダー的存在であった西谷清業務執行役員SVPは、こう振り返ります。「ハイビジョン放送に対応するため、企業同士の利害関係の枠を超え、皆が一丸となって研究開発に取り組むこととなりました。『この製品をお客様が待っている』と思うと、技術者というのは使命感に燃えるものです。逆に1社だけでは、とても乗り越えることなどできない、大変困難なプロジェクトだったとも言えます。このNEDOプロジェクトに参加したことは、私の技術者人生にとっても初めての体験や貴重な経験ばかりで、今も大きな財産となっています」

同じディスクの大きさでも長時間録画できる理由は?「ビット」と「スポット」の関係

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