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平成17年10月17日
独立行政法人
新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 牧野 力

「再生可能エネルギー100%による
自営線マイクログリッド実証システムの運転開始」

 NEDO技術開発機構では、株式会社三菱総合研究所、三菱電機株式会社、八戸市に委託した「八戸市 水の流れを電気で返すプロジェクト※1」において、青森県八戸市に総延長約5kmの専用電力線(自営線)※2を用いた「新エネルギーによる分散型エネルギー供給システム」を構築し、この度、試験調整を終えて、実需要先である市庁舎や小中学校などの施設に電力供給する実証試験を開始いたしました。

  1.  本プロジェクトでは、太陽光発電や風力発電といった天候等に左右される自然変動エネルギーと下水処理場の汚泥ガスを利用したガスエンジン発電や蓄電池などを組み合わせて制御することで、100%再生可能エネルギーによる電力供給を実現しています。また、自営線を用いた実例としては世界的にも初めての試みであり、導入したガスエンジン、太陽光、風力発電等の供給能力は合計で710kWとなります。

  2.  同システムは、実証試験地域内の市役所や小中学校など実際の需要に対応したエネルギー安定供給を行いつつ、連系する電力系統にも極力影響を与えない、いわゆるマイクログリッド※3と呼ばれる概念に基づくもので、新エネルギーの大量導入の観点からも新しいエネルギー供給形態の一つとして近年注目されています。
     今回開発した制御技術を用いて需給運用計画や経済性を考慮した制御等を行うことにより、最適な電力及び熱の供給が可能となります。また、バイオマス資源の利用も含めると、システム導入前と比較して、80%近くのCO削減効果が期待されています。

  3.  約2年間の実証期間を通じて、供給電力等の品質、コスト、その他のデータを収集・分析するとともに、経済性や環境性を評価し、最終的には商用電力系統から切り離した単独(自立)系統下での運転試験の実施も予定しています。自営線を用いることで、本システムにおける電力品質を電力会社の系統と切り離す形で検証することが可能となります。

  4.  本プロジェクトは、経済産業省の新エネルギー技術開発プログラムの一環として、新エネルギー等地域集中実証研究(平成15〜19年度)で採択した事業の一つであり、愛知県(愛・地球博/常滑市中部臨空都市)のほか、京都府(京丹後市)においても同様のプロジェクトを実施しています。

  5. 事業詳細
     別紙【PDF:580KB】の参考資料をご覧下さい。

    ※注1:
     「八戸市 水の流れを電気で返すプロジェクト」という名称は、「(1)プロジェクトで下水汚泥に含まれるメタンガスを発電燃料として用いていること」、「(2)電力供給先に上水道関連施設(水道企業団旧庁舎)があること」から、上水から下水となる水の流れに自営線による電気の流れを加え、また上水(関連施設)に返していく、という意味で付けられました。

    ※注2:
     専用電力線(自営線)とは、電力会社以外の者による電力供給のために敷設された専用の電力線(通信を含む)のことで、電力会社(一般電気事業者)によって日本全国に整備された一般的な送配電線とは別のものです。

    ※注3:
     マイクログリッドという用語には、まだ定義として用いられているものはありませんが、一般的に比較的小規模な特定エリア内に複数の分散型電源等を導入し、全体を制御・運用することで、供給先の需要に合わせた運転を行うシステムのことを指します。

  6. お問い合わせ先
     NEDO技術開発機構 新エネルギー技術開発部 系統連系技術グループ
     奥田、高野、上坂  TEL 044−520−5274