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平成20年6月25日
独立行政法人
新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 村田 成二
「日本型風力発電ガイドライン策定事業」最終報告について
我が国の新エネルギー導入促進のため、風力発電については国の目標として2010年度までに300万kW導入することが掲げられており、国内各地で設備の導入が進められています。
一方、これら国内での風力発電設備の導入拡大にあわせて、我が国特有の自然特性(地形、気象条件)に起因する風力発電設備の停止、損傷等の被害が確認されています。
こうした状況を踏まえて、NEDO技術開発機構では、上記に関する被害低減を目指した「日本型風力発電ガイドライン策定事業」を平成17年度から平成19年度までの3ヶ年事業として実施し、平成19年7月に中間報告を行いました。
この度、台風・乱流対策編と落雷対策編の2分冊で構成された最終的なガイドラインとして取りまとめましたので、ここに公表致します。なお、本ガイドラインは、NEDO技術開発機構ホームページにおいて掲載致します。
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記
- 本事業の目的と概要
近年の国内での風力発電設備の導入拡大に伴い、我が国特有の自然特性(地形、気象条件)に起因する「台風(強風)」、「乱流(風の乱れ)」及び「落雷」による設備の停止、損傷等の被害が確認されており、近年NEDO技術開発機構で実施した調査結果では風車の故障・事故のうち約3割がこれらによるものとされています。また、概ね欧州の風況をもとに策定されている風力発電設備の国際基準においても、我が国を含めたモンスーン地帯などの強風発生地域においては、「その風況に適合した特別な風車を選定すべき」とのコメントが付されています。
これらの状況を踏まえて、NEDO技術開発機構では、我が国の風力発電設備の導入に対して「台風(強風)」、「乱流(風の乱れ)」及び「落雷」に起因する被害を低減することを目的として、「日本型風力発電ガイドライン策定事業」を平成17年度から平成19年度までの3ヶ年事業として実施してきました。
本事業では、風力発電設備を設置する事業者を主たる対象として、風力発電設備設置予定地で予想される風況(強風、風の乱れ)の把握方法、条件に適応した風車の選定方法、推奨できる落雷保護対策等を取りまとめて「日本型風力発電ガイドライン」を策定しました。
- 「日本型風力発電ガイドライン」の概要
本事業では、我が国の風力発電設備における「台風(強風)」、「乱流(風の乱れ)」及び「落雷」に起因する設備の被害状況等を踏まえて、以下の観測、計測、実験等を実施して「日本型風力発電ガイドライン」を策定しました。
- 風況(強風・風の乱れ)に対して
[1]既存規格の調査・整理
[2]強風発生地域、風の乱れの大きい地域の風況の実観測
[3][2]の実観測と同時に風車にかかる応力を計測
[4]地形の影響評価等を目的とした風況シミュレーションの実施
[5]風の乱れと設備の疲労との関係を評価するための風洞実験の実施
以上の観測、計測、実験等の結果を解析・評価して、「風車選定のための風条件の設定」、「風車の選定」を提示すると共に、「風条件の評価方法」の検討のため「地形の複雑度の判定」、「極値風速マップ及び極値風速データベース」、「乱流強度の設定方法」等について取りまとめ、最後に「リスク評価」を加え、台風・乱流対策編としたガイドラインを策定しました。なお、「リスク評価」では、実際の観測、計測、実験等の結果の解析・評価を踏まえて、風車に作用する風荷重について検討しており、若干専門性が高いものとなっています。
- 落雷に対して
[1]我が国の雷の特徴を把握するための既存の雷データの調査・整理
[2]我が国の落雷に対する風力発電設備の被害調査の実施
[3]落雷に対する設備への影響・損傷メカニズム評価及び保護対策評価を目的とした落雷模擬試験の実施
以上の調査、実験等の結果を解析・評価して、「日本の雷と雷被害実態」、「雷保護」を整理すると共に、検討の支援ツールとなる「雷リスクマップ」を作成し、「雷被害のリスク及びリスク低減対策」を取りまとめて、落雷対策編としたガイドラインを策定しました。
- 最終報告の概要
最終報告書は、上記のように「台風・乱流対策編」と「落雷対策編」の合計2分冊からなっています。各分冊の目次を示すとともに、これらの概要として、「台風・乱流対策編」からは「風条件の設定・評価手順」、「設定された風条件における風車の選定手順」及び、「地上高70mにおける極値風速マップ」等を、「落雷対策編」からは「落雷リスクマップ」等を紹介します。別紙をご参照ください。別紙【PDF:173KB】
なお、最終報告書については、NEDO技術開発機構のホームページの「資料・データベース」に掲載されます。ホームページのトップページから上部の項目ボタンの「資料・データベース」をクリックして頂き、開いたページの中程に「日本型風力発電ガイドライン策定事業 最終報告書」として掲載されます。「台風・乱流対策編」は、ファイルサイズが大きいため、2つのpdfファイルに分かれており、「落雷対策編」と併せて3つのpdfファイルからなります。直接には、下記のリンク先からダウンロードできます。また、本ガイドライン中心部分だけを取りまとめた概要版も掲載しますので、ご参照ください。
- お問い合わせ先
NEDO技術開発機構 新エネルギー技術開発部 丸山、白石 TEL 044-520-5286
用語の説明
| (1)風況 |
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風の状態や性質のこと。風況には、風の種類、風速の高度分布、地形などによる風の変化、風速の時間的変動、風向・風速分布などがある。 |
| (2)応力 |
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物体に外力が加わる際、その物体内部に生ずる力。 |
| (3)極値風速 |
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t秒間で平均した最大平均風速で、N年間(再現期間:N年)で経験しそうな風速。たとえば、平均時間tは3秒あるいは10分を、並びに再現期間Nは50年あるいは1年を用いる。 |
| (4)乱流強度 |
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風速の標準偏差の平均風速に対する比。この比は、指定の時間内に採取した同一の風速測定データセットから決定する。 |
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