
独立行政法人
新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫 東日本大震災に被災された皆様に対し、心からお見舞い申し上げます。 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)としても、新エネルギー・省エネルギーをはじめとする技術開発の推進を通じて、一刻も早い復興と再生に向けて力を尽くしてまいります。
NEDOは、日本最大の技術開発推進機関として、企業や大学および公的研究機関の英知を結集して、エネルギー・地球環境問題の解決と我が国の産業技術力の強化とを目指した技術の開発・実証に取り組んでいます。
1980年の設立から一貫して注力してきたエネルギー・環境関連分野では、太陽光発電や燃料電池をはじめ、世界をリードする新エネルギー・省エネルギー等の技術基盤の確立に貢献してまいりました。海外における再生可能エネルギーの導入が加速し、大震災を受けてエネルギーの安定性や安全性に対する意識が高まる中で、NEDOとしても、新エネルギー等の一層の効率化・低コスト化に向けた技術開発を推進してまいります。
また、近年、情報技術や蓄電技術の進歩を背景に、多様なエネルギー需要を制御・誘導して社会全体のエネルギー効率を高めるスマートグリッドやエネルギー管理システム(EMS)といった新技術の可能性が拡がっています。こうした技術を実装した「スマートコミュニティ」の実現に向け、NEDOは、政策当局とも連携しつつ、積極的にプロジェクトを推進してまいります。
産業技術分野においても、我が国経済の再生と持続的成長、高齢化や資源制約などの社会課題解決を図る上で、技術とイノベーションの重要性が高まっており、NEDOの役割はますます大きくなっています。政府の成長戦略や科学技術基本計画で掲げられた、グリーン・イノベーション、ライフ・イノベーションといった成長分野を中心に、材料系、バイオ、機械等の分野の中長期的・市場先導的な重要技術の開発と実社会への実装・普及に取り組んでまいります。
近年、イノベーションがオープン化・グローバル化する中で、NEDOは、外国政府機関等とのネットワークも活用しながら、世界標準の技術の確立と市場開拓を目指し、欧州、米国、アジア各地域において積極的に国際実証研究を推進してきました。こうした取り組みを通じて、「スマートコミュニティ」関連技術、水資源管理、リサイクルなど様々な分野における我が国の優れた技術が世界に普及し、我が国の国際競争力強化やシステム輸出の支援につながるのみならず、世界各国が抱える環境・社会問題の解決にも貢献するものと確信しております。
こうした取り組みと併せて、日本の京都議定書目標達成への貢献と、温室効果ガスの増大が見込まれる発展途上国などの持続可能な開発の支援とを目的として、日本のエネルギー・環境技術を活用した京都メカニズムによるクレジット取得を着実に実施してまいります。
日本の技術で、エネルギー・資源制約等の地球大の社会的課題を解決する。こうした決意を新たにし、NEDOは、産学官の「結節点」という従来からの使命を全うしつつ、革新的な技術開発を通じた「新たな社会システムの創造」を目指して、常に「経済社会ニーズ」や「グローバル動向」を視野に入れ、未来への挑戦を続けていきます。