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複合機能部材構造制御技術の研究開発

          

  1. トピックス
    • 多層被膜コーティングにより、高温(1,700℃)のメタン燃焼排ガス中でも長時間使用できるうえ、室温との大きな温度差による熱衝撃にも耐えることのできる炭素繊維/炭素複合材料の作製に成功しました。
    • 世界最高水準の耐エロージョン性(Ti合金の380倍)を有する被膜の作製に成功しました。
    • 溶射被膜について、同一元素組成でも数十倍〜百倍の耐摩耗性を示す被膜の作製が可能となりました。
    • これらの成果は、ガスタービンや各種エンジン等の産業分野への波及効果が期待されます。

  2. プロジェクトの背景・意義
  3.  環太平洋や欧米諸国間を、マッハ数5クラスのスピードで短時間に結ぶ、次世代極超音速飛行機の実現が期待されています。一方、環境問題の観点から、CO2ガスの排出削減が世界的な視野から求められています。

     これら時代の要請に応える一つの解決策として、航空機エンジンの高出力化を目的に燃料を従来のジェット燃料から比推力の高いメタンに変更することにより、巡航速度の高速化と同時に、 CO2ガスの排出を低減することが可能となるため、メタンを燃料とした、新しい高性能ジェットエンジンの開発が研究されています。

     このようなエンジンの材料としては、十分な高温強度とともに、長時間の酸化腐食、摩耗に耐えうる特性を合わせ持つことが必要ですが、現在のところ、これを満足するような材料は未だ開発されておらず、新しい材料の開発が必要です。

    航空機のイメージ図

                

  4. プロジェクトの特徴
  5.  本プロジェクトでは、超高温強度に優れた炭素繊維強化炭素複合材料をベースに、イオン工学的手法を用いて表面を改質する技術、その上層に多層被膜を形成する技術、炭素繊維を緻密化し、繊維−マトリックス密着力を向上させる技術等を駆使し、過酷な環境下で長時間耐えられる材料の開発を行ないました。

     また、比較的低温部に使用される金属等の材料に対しては、レーザー/プラズマ複合溶射技術を用いて、表面を耐摩耗性被膜で保護する技術の開発に取り組みました。


複合機能部材構造制御技術

  1. 関連するNEDOの技術開発と世界の動向
    • NEDOでは、超高温材料に関する研究開発として、宇宙往還機の先端部材等の開発を目的として、「超耐環境先進材料の開発研究」を行なっています。
    • NEDOでは、超音速輸送機の開発を目的に、「超音速輸送機用推進システムの研究開発(HYPRプロジェクト)」を行なっています。
    • NEDOでは、レーザー応用加工技術の研究開発として、「フォトン計測・加工技術」の研究開発を行なっています。
    • NEDOでは、本研究開発の成果を更に発展させ、耐摩擦摩耗性の優れた材料の開発を目的とした「エコ・テーラードトライボマテリアル創製プロセス技術」の研究開発を行なっています。

  2. 今後の展開
  3.  本研究開発により、超音速航空機のタービンエンジン材料に求める耐高温環境特性を有する材料を開発することが出来ました。実際のジェットエンジン部材への適用に際しては、総合的な信頼性が必要であることから、今後更に長期間の膨大な評価試験を経る必要がありますが、信頼性が確認された後に実用化されていくと思われます。

     一方、本技術により、軽量で耐酸化、耐摩耗、耐熱衝撃性に優れた材料が作られることから、航空機部材の他に、発電用のタービン翼や燃焼器、自動車のエンジン部品やブレーキといった摺動部材等への適用が図られることが期待されています。