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平成15年1月
 
(1) Bi2223酸化物層の熱膨張係数(CTE)の評価
 3種類のBi2223線材、銀、銀合金の熱膨張係数(CTE)の測定を行い、これらのデータをもとにBi2223酸化物層のCTEを複合則に基づき解析的に求めた。この結果によれば7Kの低温から240Kあたりまでは精度のよい値が得られるが、240K〜298Kの温度範囲では負の効果が現れた。この原因解明のため温度計の計測する温度と真値の差、ひずみ計の温度係数の変動等の測定技術上の問題点についてA. Nyilas博士とメールの交換により解析を進めている。

(2) Nb3Sn線材の室温および低温引張試験の定量化のために必要な実験技術の確立
 平成15年1月8日〜10日に物材機構緒方研究室でNb3Sn線材の室温および低温引張試験を実施し、現在そのデータをFZKでの実験結果と比較検討中である。とくに液体ヘリウムに試料を浸漬して実験した場合と伝熱により冷却された場合とのデータの差異とその対策について詳細に考察を加えている。

 欧州およびわが国における研究動向を把握するため、さらにノルウエーOslo大学T.Johansen教授、ドイツFZK Goldacker博士、ドイツTEHV社W.Prusseit博士、ISTEC村上博士、岡山大学村瀬教授、秋田大学永田教授等と超電導分野における研究状況についてメール等で情報交換を行った。
 これらの意見交換の結果、重点的に懸案事項を解明するためにInternational Workshop on Mechano- Electromagnetic Properties of Composite Superconductors(MEM03)を開催することとし、ワークショップでの主要討論課題、参加者等について決定した。
 すなわちワークショップではBSCCO(Bi2223系、Bi2212系)、YBCO, MgB2、Nb−Ti, Nb3Sn等の超電導物質を対象とする。引張り、圧縮、疲労等の機械的性質、機械的性質の臨界電流に及ぼす影響、熱膨張および熱伝導等の熱物性、実験技術、それらの特性の測定方法の標準化に関する研究成果の発表と討論の場とする。参加者は本プロジェクトで研究動向調査に協力のあった欧州の研究者、国内の研究者を主とするが、ワークショップの討論内容の充実と波及効果を考慮し、上記の協力者以外にも国内外からの研究者の参加を認める方向で検討することになった。
 ワークショップは3月3日〜5日まで3日間、京都宝が池国際会議場で実施することとした。第1日はバルク超電導体、YBCO被服超電導膜について約9件の発表、第2日はBSCCOテープ、A15多芯線を中心に16件、第3日にはBSCCOテープ、MgB2線材、熱物性、標準化のについて17件の発表と討論を行う可能性を検討した。