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平成16年3月


*今月度はプロジェクトの最終月に当るため本プロジェクトの纏めとして、プロジェクト全体の実績を要約の形で報告する。
  本プロジェクト実績の要約;2次に亘る米国及び1次の欧州の現地調査から下記の事柄が判明した。
1) ナノファイバーならではの特異的な機能を活かした省エネ先端技術の可能性調査を行った。具体的には、ナノファイバー上で特異的に見られる気体原子の透過抵抗ゼロ化やナノサイズ不純物の選択吸着機能を利用した、超低圧損の(大幅なエンジンの効率アップが可能)自動車用高性能フィルターや、高度に配向した炭素ナノファイバーを利用した高効率な燃料電池用や次世代Li2次電池用電極材料、及び超高性能スーパーキャパシター等について、ナノファイバー先進国である欧米の研究状況を調査した。その結果、これらの新たな省エネ用ナノファイバーへの関心は極めて高く、基礎的な研究には一部取り組んでいる意欲は伺えたが、本格的取り組みは未だこれからである。従って、省エネ用ナノファイバー技術は、これから日本が独自性を発揮できる極めて有望な先端技術であることを確信した。
2) 欧米のナノファイバーに関する研究開発は、特に米国の大学、研究機関及び企業等で幅広く行われ、欧州では独国における研究が進展している。
3) 特に、米国及びドイツにおける機能性ナノファイバーの工業化を目指した研究開発は一部の大学(MIT, Akron, Drexel及び Marburg大学)及び企業( Donaldson, eSPIN社)等で精力的に行われており、省エネ以外にも、再生医療用材料、血液濾過用精密フィルター、安全・防災用材料、耐熱絶縁材料等への応用を目指した研究に対して、政府もナノテク育成の一環としてこれを強力に助成している。
4) 欧米の状況と日本のそれを比較すると、主要なナノファイバー製造技術であるE−スピニング技術は5〜7年、各種機能化技術、用途開発及び解析・評価技術で3〜4年の遅れを感じる。但し、省エネ用途開発技術については欧米でも取り組みを始めた段階であり遅れの程度は少ない。
5) 今後の日本の取るべき方向は、まず先進国のナノファイバー技術レベルへのキャッチアップを早期に図ると共に、日本が強みを持つ炭素繊維やアラミド等の素材技術をベースに、未だ基礎研究段階である省エネ用ナノファイバー製品の具体的な実用化技術確立を欧米の企業に先んじて、早急に目指すことと考える。