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平成17年2月
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| 2.1 関連技術の開発状況 |
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ビームダウン型集光システムおよび溶融塩レシーバー開発(日本独自技術)
ビームダウン集光システムと溶融塩蓄熱・発電のトータルシステムに関するスペインSENER社によるFSの第一phase作業が終了し、この内容について2/28に国際テレビ会議で議論を行った。スペインPSAで開発予定の20MWでのビームダウン型集光システムに関するヘリオスタット配置法3ケースについて、タワー反射鏡の高さと上方焦点、溶融塩レシーバーの半径、集光ビームフラックスの各パラメーターの関連性が定量化された。また、溶融塩レシーバーを液膜流下式とした時の溶融塩の流速とレシーバー表面温度分布を計算するため、これに必要なパラメータとして下方焦点以降のビームフラックスに関する3次元分布を再計算した。これらのFS(第一phase)では、上部反射鏡としては従来技術の双曲面鏡を用い、ヘリオスタットは米国、欧州で開発されたいわゆるT-bone型で計算を行った。また、溶融塩レシーバは0penコーン型の液膜流下式とした。SENER社のシミュレーターによる計算結果は、ビームダウン型集光システムによる溶融塩レシーバーは東工大が先行して行ったray-tracing法によるシミュレーションの結果に近いものとなり、東工大で開発中のビームダウン集光系のシミュレーターの基本特性が評価できた。
第二phase のFSの進め方を議論し、タワー反射鏡を多重リング式(東工大出願特許)とし、ヘリオスタットを地面置きのセグメントミラー型の自己姿勢認識型ヘリオスタット(東工大発ベンチャーであるソーラハイテック社の出願特許)で商業化の100MWとすることになった。但し、次のような検討結果を踏まえ、50MWでのFSに変更する方針である。
商業化の100MWの大きさの妥当性を、今回のFSの結果に基づき、タワー高さとタワー反射鏡の大きさから検討した。その結果、タワー高さ70m、タワー反射鏡の直径40m、ヘリオスタットフィールド半径350m、溶融塩入力熱量50MWが最適であるとの結論が得られ、商業化のビームダウン集光システムの最大単位を50MWとすることにした(ビームダウン型集光系による実用化のための開発目標)。
商業化プラント(100MWプラント(溶融塩蓄熱型))でのタワーとタワー上部反射鏡の具体的な構造設計と強度計算(風速50m/sec)等を専門の建築設計事務所に依頼した件について、構造強度の試算が終了した。今後は、上述のように50MWが商業化プラントの単位となるので、タワー高さ70m、タワー反射鏡直径40mで、構造設計の見直しと構造強度の再計算をすることになった。この場合のタワーの設備コストは全プラント設備コストの約1/10程度と見積もられ、イスラエルで試算されているビームダウン型集光システムのケースと同様の結果となっている。
溶融塩レシーバー技術(東工大特許出願済)開発については、液膜流体実験の装置が完成し、550℃の溶融塩と等価の流動特性を有する室温付近の水を用いて、液膜流下実験を行い、流速、傾斜等を変化させて液膜厚さを測定した。液膜の厚さは誤差の範囲内で、Fluentのシミュレーションによる計算結果と一致することが確認された。今後はさらに精度を上げた測定を行い、測定系のパラメーターとシミュレーターのバラメーターとの関連性を数値化し、550℃の溶融塩での液膜流下式溶融塩レシーバーの運転安定性をシミュレーションにより明確とする。これらの結果はスペインSENER社とのFSに生かし、ビームダウン集光システムと溶融塩蓄熱・発電のトータルシステムの設計に反映させる。 |
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自己姿勢認識制御型ヘリオスタットの試作およびヘリオスタット配置方法の開発(日本独自技術)
東京工業大学(炭素循環エネルギー研究センター)とソーラハイテック社(東工大発ベンチャー)によるヘリオスタット開発(ハードは既完成)については、先月と同様に試運転を東京工業大学キャンパス内で実際に太陽を追尾するテストを繰り返し行い、さらにソフトについて改良を行った。また、ヘリオスタットフィールドの配置法についてblockingおよびshadowingをミニマムとする最適化法や配置法について、東工大の出願特許とすることが大学で決定され、来月早々に出願することとなった(3月5日出願)。この出願特許の技術は、これまでの集光面積の効率を1.6倍近くも高めることが可能であり、ヘリオスタットをタワー近くに配置できるので、集光精度も上げられる利点があり、さらには、米国、欧州のT-bone型と東工大発ベンチャーによるヘリオスタット(地面配置型)とを共に利用する技術である。既存のBeing社のSolarTresプロジェクトにも、この特許技術はソフトとして利用(配置法であるので)できるため、この側面から、現在進行中の世界のタワー集光型太陽熱発電への技術的コンサルビジネスができるものと考えられる。現在進めているSENER社のFSに、この技術による評価を取り入れて行うことにした。 |
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| 2.2 国際共同開発プログラムの検討 |
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最終案として、これまでの計画内容で次の点を変更した。
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Project A1,2(天然ガス改質)については、オーストラリアCSIROでの開発期間を3年から5年にし、最初の2年間で直接加熱型と間接加熱型との比較評価を終了することとした。その後3年間で1MWクラスの実証試験を行う。その後5年計画でMoura炭鉱近傍で20MWのビームダウン型集光設備により天然ガス改質炉を開発する。100MWを商業化として計画してきたが、上述のようにSENER社のFSを踏まえ、50MWを実用化段階の単位とすることになったので、20MWの実証試験は、ほぼ商業化段階の規模で実証することと同等と考える。 |
| (2) |
Project A1,2について、さらにProject A3を付加する。これは特に日本国内での議論に基づくもので、集光太陽熱は太陽熱発電利用し、天然ガスの改質を内熱式でCO:H2=1:2となるCOゼロエミッションでの天然ガスからのDME(メタノール)合成を行う。炭素税が導入されれば、オーストラリアでの経済性の成立するCO2ゼロエミッションでのDME合成と日本へのタンカー輸送が可能であり、これをProject A3とする。 |
| (3) |
Project B4の石炭スラリー予備加熱器については、その開発を進めてきたエネルギー総合工学研究所としては今後、種々の開発計画があり、本プロジェクトの計画との直接的な関連性については、溶融塩蓄熱炉の開発と直接的に連動させるのではなく、個別に開発する方針もあり得ることとした。 |
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スペイン政府は石炭予備加熱の開発には強い関心があり、溶融塩レシーバー開発がその根幹技術であるので、その開発を目標とした20MWのビームダウン型集光システムの実証試験をスペインで行う計画(Project B1)はこれまでどおり、基本とする。 |
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事業検討委員会(開催日2/14)において、プロジェクトの計画と技術内容については適切であるとの評価となったが、開発技術を絞り込む必要があるとの指摘から、根幹技術はビームダウン型集光システム(Project B1)であり、この開発を中心に推進する。この集光システムは東工大の出願特許が3件含まれており、また既存技術であるBoeing社技術のタワー集光システムより優れていることがSENER社のFSより明確にできつつあるので、これによりBoeing社と競合可能な太陽熱発電システムとして国際標準技術を確立する。そのための国際共同開発プログラムとする。ProjectB1-4のうちB1を別格として開発計画の中心課題とし(Project B3の溶融塩レシーバー開発はB1と一体として開発するが、開発期間のphaseを集光システム開発とは遅らせる)、その開発に伴い、波及事業(海水淡水化事業、砂漠緑化事業)も含め、その他の開発課題を関連付ける(プロジェクトとして計画には取り込むが、重点的開発事項としてのランク付けを行う)。 |
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オーストラリアCSIROのエネルギー技術部門(CSIRO Energy Technology; ニューカッスル)では、ニューカッスルの研究部門の場所に1MWクラスの集光設備が着実に進んでおり5月には完成の見込みである。オーストラリア独自のヘリオスタットはたたみ一枚程度の大きさでわずかの曲率をもったステンレス板にガラスの反射鏡を工業用接着剤により貼り付けたもので、数種類の曲率のものを大量生産する。このヘリオスタットは格安で大量生産が可能である。オーストラリアのタワー集光型は複数タワー方式となっている。
ドイツで開発中のボルメトリックレシーバーはスペインのPSAで3MWの実証試験を終了し、800℃の高温空気熱流体を高効率で安定して生成できることに成功している。本プロジェクト計画では、この高温空気を用いて間接加熱型の天然ガス改質炉の開発をおこなうものである。
スペインではEUの下に、集光太陽熱と溶融塩蓄熱技術を利用する太陽熱発電所(SolarTresプロジェクトとAnderSolプロジェクト)の建設が進んでいる。また、スペイン政府機関CIEMATの研究所PSAでは集光太陽熱を利用した石炭の直接照射での間接ガス化に関する実験が進められている。あらかじめ石炭をチャー化した後に間接的に水蒸気加熱する方式で、反応速度の遅い水蒸気ガス化反応に対応できる技術である。今回のNEDO先導研究調査事業でのプロジェクト計画では石炭はCWMを間接的に溶融塩で予備加熱するものであり、スペインPSAで開発されている内容は本プロジェクト計画とは直接には関係はない。ただし、本NEDO先導調査事業でのプロジェクト計画の最終目標が、オーストラリアでの石炭と太陽熱とによるガス化とDME生産にあり、これによりわが国のエネルギーセキュリィティを緩和することが狙いであり、またオーストラリアサンベルトの開発とわが国の国際太陽エネルギービジネスへの参画を目的としており、スペインでの太陽熱による石炭ガス化技術の開発研究は注目される。
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