成果報告書詳細
管理番号20110000001035
タイトル平成21年度成果報告書 エコイノベーション推進事業「持続可能社会シミュレータ実現に向けてのCEV普及社会像の研究」
公開日2011/7/2
報告書年度2009 - 2009
委託先名財団法人製造科学技術センター
プロジェクト番号P07026
部署名研究開発推進部
和文要約複数の社会的な課題を同時に抱えており、さらに複数の社会的課題を“同時に”解決しなければならない状況に直面しているわが国の状況を打破するためには、より多くの知識(顕在知も暗黙知も含めて)・“複雑系”をなす“社会”をモデル化し、新技術導入や政策を実施した際の“社会”の“応答(変化)”を何らかの形でシミュレートする “持続可能社会シミュレータ”が必要である。持続可能社会シミュレータを実現できれば、新技術の開発と普及、市民の意識変化、政策、およびグローバル化進展等によって、社会生活、資源・エネルギー消費形態、および環境負荷が時間とともにどのように変化していくかを、より合理的にかつその社会像を具体的に表現できる。本研究は、“持続可能社会シミュレータ”の概念設計を目的としたもので、温暖化対策として期待されている電気自動車などCEV(Clean Energy Vehicle)を対象として、普及における人の意識・社会システム・制度の影響、さらに普及により生じる社会変化を定性および定量の両面より把握し、社会のモデル化に必要な項目とその関連を明らかにすることを目的として調査研究を実施した。“社会の複雑性”のモデル化の第一ステップとして、2つの側面から検討を行った。第一は、起こり得る“将来社会像”の定性的な叙述である。ここでは、クリーンエネルギー自動車(CEV)の“社会普及”をテーマに、企業経営の戦略立案で活用されるシナリオ・プランニング手法を活用して、普及に大きな影響を与えかつ将来の不確実性の高い要因と(社会変化のドライバ)その要因の社会・経済・技術等との関連を抽出し、さらに社会変化ドライバの不確実性により起こりうる複数の将来社会像を描写した。第二は、描写した社会像の定量化である。CEV普及によりわが国の資源・エネルギー・消費量および廃棄物量等はどのように変化するか等を定量的に把握した。また、グローバルでの資源・エネルギー消費の観点からも描写した社会像の妥当性を検証するため、“グローバル・エネルギー資源バランス表”のプロトタイプを試作した。最終的には、以上の成果を活用し、“持続可能社会シミュレータ”の完成イメージ(枠組み、実装方法例)を具体化した。本研究は、“EV100%社会”を推薦するものではないし、EVが他の代替技術、たとえば燃料電池車に比較して優れているということを明らかにするものでもない。あえてEV普及促進について提言するなら、(a)現在の石油燃料車によって生じている、人にとって好ましくない社会コスト(排ガス汚染の対策費、疾病による医療費、交通事故対策費など)を定量化する (b)超高齢化社会に突入するわが国において、重量物が縦横無尽に高速移動するクルマ社会を中心とした交通システムが非持続可能であることを明示化する ことが、電池等の技術革新についてアピールするより効果的であろう。本研究の最も重要な結論は、「これまでとは異なる視点から問題を考えることで、まったく異なる社会の姿を描くことが可能である」ことと、描いた社会像がいかに荒唐無稽であろうと、「そのプロセスはわれわれが無意識にもっている固定概念を壊すために有用である」ということを確認した点にある。これはEVの適切な普及を考える上で重要であろうし、“持続可能社会シミュレータ”の基本概念となる。
英文要約This study is aimed for the conceptual design of "the sustainable society simulator". The influence of consciousness of people / social system / institution in the spread of CEV (Clean Energy Vehicle) expected as an anti-warming measure and the social change caused as the result of popularization of CEV was analyzed qualitatively and also quantitatively, so as to clarifying the items necessary for social modeling and their relationship. As the first step of the modeling of "the social complexity", it was examined from two sides. One is a qualitative description of "the future social image" that can happen. The second is quantification of the described society, and the change of the amount of resources / energy / consumption / waste by the CEV spread was figured out quantitatively. Finally completion image (a frame, an implementation method example) of "the sustainable society simulator" was brought into shape based on the above-mentioned result.
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