成果報告書詳細
管理番号20110000000194
タイトル平成19 年度~平成21 年度バイオマスエネルギー地域システム化実験事業 草本系バイオマスエネルギー利活用システム実験事業 成果報告書
公開日2012/7/19
報告書年度2007 - 2009
委託先名阿蘇市
プロジェクト番号P05004
部署名新エネルギー技術開発部
和文要約阿蘇の草原は、畜産や農耕用の資源等として人々が活用することによって維持してきた。しかしながら、近年、有畜農家の減少等により野草の利用が減少し、未利用の草地が増加していることから、美しい草原景観が失われつつある。本事業は、草本系バイオマスの効率的な収集・利用システムを実証することにより、草原景観の保全や生物多様性の保全に資するとともに、我が国に広がる草本系バイオマスの活用の道を拓き、草資源の有効活用のモデルとして普及を図ることを目的としている。具体的には、阿蘇市内に豊富に存在する未利用の野草(ススキ等)を収集し、ガス化発電を行い、得られた電力と熱エネルギーを、隣接する公共施設(温泉・温水プール)で使用するというシステムを構築するものである。 本事業は、収集運搬システム、エネルギー転換利用システム、エネルギー最終利用システムの3つのシステムから構成される。 収集運搬システムでは、阿蘇の草原を管理する牧野組合の協力を得て、畜産用の飼料等に利用されていないエリアを抽出し採草を行った。平成18?21年度まで4年間の採草面積は延べ465haで、採草量は合計2,170tである。採草作業は、立ち枯れた状態になる11月から3月にかけて機械で行うが、水分が20%以下の乾燥した状態でガス化発電プラントに投入するため、天候の影響を大きく受ける。雨の多い年には採草作業を行える日が限られ、目標の2000t/年に対して、単年度の採草実績は784t(平成19年度)であった。採草単価は、オペレーターの技術と土地の条件(面積、形状、草の密度等)に加え、天候や作業実施日数によっても変化する。ガス化発電の原料として使用するために、異物の混入が最小限となるような対策を含めた作業体系で採草を行った場合の単価は12.2円/kgであった。 エネルギー転換利用システムでは、木質チップでの長時間連続運転の実績を有するロータリーキルン方式のガス化発電システムを導入した。本事業では、性状の異なる草本系バイオマスを原料とするために様々な設備改造を行った。具体的には、かさ比重が低い草を定量供給するための搬送設備の改良、草ロールに混入している金属や石・砂を除去するための装置、草中に含まれるK(カリウム)等に起因して発生するクリンカ対策、等を実施することで、草本系バイオマスでの連続運転が可能となった。また、草本系バイオマスが不足する時期に向けて、伐採木や工事支障木を一次破砕した木質チップについても燃料として使えるように、定量供給装置の改良を行った。 エネルギー最終利用システムでは、供給される電力及び熱の全量を、季節、時間を問わず使いきれるように、操作マニュアルの整備や設備の改造を行った。具体的には、夜間の熱を利用して浴槽に貯湯し、開館時の温泉加温のための熱需要を分散させた。また、夏季の熱需要が少なかったことから、プール用の地下水を予熱するシステムを導入した。 本事業の実施により、草本バイオマスを原料として年間180日稼働した場合の化石燃料削減量は、重油換算で83kL、CO2削減量は101tと試算されたが、事業収支はマイナスとなる。支出の内訳を見ると、原料費の占める割合が高い。しかしながら、阿蘇市では草原の保全に毎年多くの費用をかけている現状がある。本事業の実施に伴い草地の活用促進による景観の維持、農業振興、地域の雇用創出といった効果があることから、事業採算性以外の効果についても評価していく必要がある。
英文要約In the Aso region, grassland has been preserved and managed through the local practices to utilize the grassland resource in animal husbandry and agriculture. However, in recent times, degradation of grassland landscapes is observed as a result of shrinking use of grassland resources. This Project aims to contribute to the preservation of biodiversity and grassland landscape, and to develop and promote a model for effective utilization of grass resource. The project is comprised of three systems; collection and transportation system, energy conversion and utilization system, and energy end use system. The collection and transportation system involved the collection of grasses from areas not used for animal grazing with cooperation of the Makino Association of Aso which manages the grasslands of Aso.
In the 4 years , collection was carried out for a total of 465 ha area and the collected grass amounted to 2,170 tons. It was observed that the unit cost for collection depends on several factors, such as condition of the land, and especially on the weather as the grass needs to be dried to less than 20% of moisture content to be fed in the gasification plant. The unit cost for collection was 12.2 yen/kg when carried out with measures to minimize foreign materials getting in the collected grass so that it is adequate for gasification and power generation. The energy conversion and utilization system included the introduction of rotary kiln gasification and power generation system which is proven for continuous operation with wood chips. A variety of modifications on equipments were conducted in order to develop a system equipped for processing of grass based biomass with different natures. Successful modifications were made on; transportation equipments, equipment for removing foreign materials from grass rolls, and measures to counter clinkers caused by calcium in the grass. Additionally the volumetric feeder was modified for wood chips to be used as fuel when grass based biomass is in short supply. The energy end use system consisted of the modification of the facilities and preparation of an operation manual for the full utilization of supplied electricity and heat, irrespective of weather and time of the day. Systems were introduced for distributing the demand for heat and the usage of surplus heat during the summer. The Project achieved 83kL equivalent of fossil fuel substitution and an estimated CO2 reduction of 101 tons (operated for 180 days/year).
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