成果報告書詳細
管理番号20110000000664
タイトル*平成22年度中間年報 次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発 次世代技術開発 第一原理計算に基づいた次世代イオン伝導材料設計技術の開発2
公開日2012/7/19
報告書年度2010 - 2010
委託先名トヨタ自動車株式会社
プロジェクト番号P07001
部署名スマートコミュニティ部
和文要約和文要約等以下本編抜粋:
1. 研究開発の内容及び成果等
[イオン移動の第一原理計算]
結晶中のイオン移動現象を原子レベルで見た場合、最も基本となる現象はイオンの隣接サイトへのジャンプであり、そのジャンプの頻度がイオン伝導度を理論計算するうえで最も基本的な情報となる。ジャンプ頻度は形式的にジャンプの試行頻度とポテンシャル障壁から与えられるが、本テーマではイオン伝導体におけるこの2 つの因子を第一原理計算に基づいて評価し、これからジャンプ頻度を定量的に評価するシミュレーション技術の開発にこれまで取り組んできた。
平成20・21年度の研究では、γ-Li3PO4 型構造を有するLi4GeO4 におけるLi イオンのジャンプ頻度の評価を試みた。Li4GeO4 では八面体位置をLi イオンが部分占有していることから、Li イオンは八面体位置間をジャンプして結晶中を伝導すると考えられていた。しかし、第一原理計算に基づくNEB(nudged elastic band)法を適用することにより、八面体位置間を直接ジャンプするのではなく、四面体位置のLi イオンも寄与する準格子間機構に類似のジャンプ機構という、従来考えられていなかった伝導機構によることが示唆された。ジャンプ頻度の活性化エネルギーとなる
ポテンシャル障壁の高さは、NEB 計算によって得られたエネルギー変化を適切にフィッティングすることにより約0.01eV の誤差で評価できている。また、得られたLi イオンの準格子間拡散経路に関する格子振動の計算からLi イオンのジャンプ試行頻度を評価した。その結果、Li4GeO4 の準格子間拡散は室温付近でも1010 jump/s 以上という高い頻度を有していることが確認され、伝導イオンのジャンプ頻度というイオン伝導性を支配する重要な物性値を第一原理計算で定量的に評価するシミュレーション技術の開発に成功している。
平成22年度では、同年度に実施した「イオン分布とエネルギー状態の第一原理計算」での系統的な計算結果を踏まえ、イオンの移動過程における始状態と終状態を抽出し、移動エネルギーをNEB 法に基づいて評価することとした。ここでNEB 法とは、いくつかのジャンプ中間状態を同時並行的に計算することにより、最もポテンシャル障壁を低くするようなジャンプ経路を探索する手法である。イオンの空間分布を考慮することで単独イオンによるジャンプ過程だけでなく、準格子間拡散のような複数の可動イオンが協調的に移動する遷移過程についても検討した。この研究を通じて、結晶構造が移動の活性化エネルギーに与える影響とその要因を明らかにすることを目標とした。
英文要約Title: Development of High Performance Battery System for Next Generation Vehicles:
Development of Materials Designing Technology for Advanced Ionic Conductors Based on First
Principles Calculation

First-principles calculations using the Nudged Elastic Band (NEB) method have been
carried out to examine trajectories, saddle-point configurations and potential energy barriers during
Li ion migration in Li2+2xZn1-xGeO4 (LISICON) systems. The plane-wave-based Projector
Augmented Wave (PAW) method implemented in the VASP code was used for all calculations. Our
previous calculations have revealed that interstitialcy mechanism is energetically favorable in gamma-type
Li4GeO4. This year, interstitialcy Li-ion migration in beta-type Li2+2xZn1-xGeO4 systems was studied in
order to clarify how different crystal structures affect Li ion diffusion in LISICON systems.
    Interstitialcy migration paths via octahedral Li sites were selected based calculated stable
structures of beta-Li3Zn0.5GeO4 determined by a series of total energy calculations with various cation
configurations. From NEB calculations, the energy barrier for an interstitialcy-like Li jump was
found to be 0.36 eV in beta-Li3Zn0.5GeO4. The activation energy in beta-phase is three times higher than
that in the gamma-phase (about 0.1 eV). This result shows that crystal structure and atomic configuration
strongly affect the energy barrier to Li diffusion in LISICON systems.
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