成果報告書詳細
管理番号20120000001212
タイトル*平成23年度中間年報 グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発 化学品原料の転換・多様化を可能とする革新グリーン技術の開発 イソシアネート革新製造プロセスの研究開発
公開日2013/1/18
報告書年度2011 - 2011
委託先名旭化成ケミカルズ株式会社
プロジェクト番号P09010
部署名環境部
和文要約 本研究開発では、二酸化炭素から製造される尿素を原料として、ホスゲンを用いずにヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を代表としたイソシアネートを製造する新規プロセスの開発を行う。本開発プロセスにより、有害物質であるホスゲンの使用量及び二酸化炭素排出量を低減するとともに、化学品原料の転換・多様化を実現する。
 以下、各開発項目について、平成23年度の研究成果を報告する。 
1.素反応の解析
 CO2由来の原料を用いるHDI基本製造技術の確立において最大の課題は、反応経路の把握である。尿素を用いてHDIを製造できることはラボスケールで基礎的に確認済みであるが、中間体であるカルバメートを製造する工程での反応系は複雑であり、経由する可能性のある反応は、正反応・逆反応合わせて少なくとも40以上ある。
 実際の系では対象とする化合物はほとんどが二官能性化合物であり、反応の過程で多量体生成による系の不溶化が進行して反応解析が著しく困難となることが判明した。そこで、反応系中で生成するそれぞれの成分をNMRやLC/MS等の解析手法によって同定し、反応に関与する主要な官能基に纏め、官能基毎に単官能のモデル化合物を使用する方法によって検討を行った。
検討の結果、カルバメート製造工程での反応最適化の指針となる主要な12種の反応について、濃度依存性、温度依存性を含めて反応データを取得した。また、ウレイド化工程、熱分解工程における主要反応についても解析を実施済みである。これらの結果に基づき反応系計算モデルを構築し、プロセスの最適化に繋げる計画である。
2.反応の最適化
 ラボ実験では所望の反応条件の実施が困難なため、既存ベンチ設備を用い、上記「素反応の解析」での検討結果も踏まえて、工程毎に反応条件(組成、温度、滞留時間)の影響を確認し、更に製造プロセス全体としての反応経路、反応条件の最適化を行う。本製造プロセスは、ウレイド化工程、カルバメート化工程、熱分解工程の3工程からなるが、今年度は、特に反応系が複雑で、本技術開発のキーとなるカルバメート化工程に注力した。
カルバメート化工程は平衡定数が非常に小さく、副生するアンモニアを効率よく除去しながら反応を進める必要があることから、副生アンモニアを除去しながらカルバメート化反応を進めるために蒸留塔を用いた。上記1での検討結果も踏まえ、原料液組成、蒸留塔運転温度、滞留時間、蒸留塔段数等を検討した結果、カルバメート収率90%の達成を確認した。
また、ベンチ運転によって得られる反応液を、NMR、LC/MS、GC/MS等により解析し、系内で生成する微量副生物の同定を行うとともに、次年度評価用にサンプル1kgを取得した。
 今後、各工程の運転条件を詰めるとともに、製品HDIのスペックを決定し、安定運転条件が達成された時点でHDI収率や各工程の原単位を算出する。また、微量副生物の生成速度把握のために3~6ヶ月の連続運転を実施する予定である。
3.マイクロリアクタによる製造プロセス検討
 現状のプロセスで生じている熱力学的、速度論的なボトルネックを整理し、それらをマイクロリアクタ技術の活用により解決することでプロセス革新による省資源・省エネルギー化効果を最大化することが目的である。本年度は、熱分解工程、蒸留工程の高効率化につながる装置のシミュレーションを検討した。
英文要約In this project, an innovative process for producing hexamethylenediisocyanate (HDI) from urea and hexamethylenediamine (HDA) is being developed in the following sub-themes.
1.Analysis of the reaction system: The reaction system of the HDI production from urea and HDA is very complicated. There are over 40 reactions in this system. The analysis of each reaction is considerably difficult due to the production of oligomeric compounds which are not dissolved in the actual reaction mixture. Therefore monovalent model compounds are used for the purpose of the analysis of the reaction system. The simulation of reaction system can be conducted by using 12 reactions which are considered to be main reactions. These reaction parameters such as reaction rate constant, equilibrium constant and activation energy were determined and the calculation model of the HDI production system will be established on the basis of these parameters.
2.Optimization of the reaction system: This HDI production system contains 3 steps. (1) ureido-compound production step, (2) carbamate production step and (3) HDI production step by decomposition of the carbamate. Since the equilibrium constant of the reaction of carbamate production is extremely small, the removal of co-produced ammonia is necessary to proceed the reaction. Distillation columns are used for this purpose. Reaction conditions such as the composition of the reaction mixture, reaction temperature and residence time were examined, as the result about 90%-yield of the aromatic carbamate was achieved.
3.Application of micro-reactor for the HDI production process: The possibility of miniaturization of reaction vessel by using microreactor in the carbamate-decomposition reaction was examined. From the investigation using computer simulation, it is found that the reaction time can be reduced with microreactor. The possibility of reduction of energy consumption by using new distillation system was also investigated.
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