成果報告書詳細
管理番号20130000000722
タイトル平成24年度成果報告書 エアロゲルの技術動向・市場動向調査
公開日2013/8/9
報告書年度2012 - 2012
委託先名神鋼リサーチ株式会社
プロジェクト番号P09018
部署名環境部
和文要約エアロゲルは、NEDOプロジェクト等によりラボレベルでは既に十分な断熱性能を達成しているものの、量産化、コスト低減等の実用化に結びつく技術に課題を残しているため、市場投入されるまでには至っていない。量産化技術等も含めた国内外のエアロゲルの技術動向、海外プロジェクトの動向、市場動向予測、先行企業であるAspen Aerogels、Cabot Corporationを含む米国企業の動向を調査し、エアロゲルの断熱材応用のベンチマークを確認した。さらに、米国企業の優勢に対する欧州企業の戦略、海外における実用化促進の政策動向に加えて、中国、韓国の情報を調査した。
調査で得られたポイントは、
1) 超臨界乾燥は高コストであり、これに対して商業生産のためには、低コストの前駆体を用い、湿潤ゲルの乾燥を常圧で行うことや生産性を考慮したビーズ、顆粒の製造、ゲル収縮防止のためのシリル化修飾剤の使用、溶媒交換の迅速化に影響するパラメータの検討が研究されている。

2) 高温超臨界乾燥エアロゲルと低温超臨界乾燥エアロゲルのLCA評価の結果では、エネルギー節約、CO2排出量削減により、エアロゲル断熱材の製造コストに対するペイバックタイムはそれぞれ1.3-1.9年、0.3-1.5年と算出された。スケールアップや製造工程の簡略化による低コスト化、温度・圧力等の製造条件の緩和によりGHG 排出量の削減が期待できる。

3) 欧州では、EUのフレームワークプログラムにおいて、8件のエアロゲル関連プロジェクトが実施されている。参画機関に対して、事業化戦略等についてインタビューを行った。  米国においては、全米科学財団(NSF)では、断熱材以外にも触媒、電池、次世代デバイ  スの研究にも資金供与が行われている。

4) 市場動向調査では、エアロゲルの建築物、OIL&GAS、航空宇宙、自動車、産業&極低温等への断熱材用途が上げられる。生産額は2017年には約$1,400百万に増加し、複合年間成長率は50%と予想され、一方、生産量は約70,000 METRIC TONS に増加すると予想される。主要プレイヤーのAspen Aerogels、Cabot Corp.を中心に、市場が立ち上がりつつある。

5) 実用化の促進の方策として、海外の断熱材導入の支援例(米国DOE、EU等)、省エネルギー基準、法規制の状況を調査した。政策的支援により、導入が促進された事例が見られ、欧州でも施策の後押しにより導入が促進されると予測されている。我が国においても省エネルギー、オゾン層破壊物資削減戦略に沿った積極的な支援が重要と考えられる。

これらの調査結果をもとに、新規プロジェクト立案の可能性として、常圧乾燥製造プロセス、常圧乾燥によるエアロゲルを用いたコンポジット断熱材、超臨界乾燥の連続プロセス、抽出された新たな技術シーズについて、技術開発課題毎に、内外の研究機関、要素技術の完成度、ブレークスルーポイント等についてまとめた。

断熱材技術開発におけるエアロゲル技術の方向性の提言を、常圧乾燥の回分式、連続式プロセスの確立を目指した研究開発プロジェクトの立ち上げ、さらにはプロセス構築によるエアロゲル製造の低コスト化、量産化技術の確立、実用化促進としての開発製品の購入支援、経済的手法の導入、省エネルギー基準の法的拘束力の強化、高性能断熱材の導入効果の算出と広報活動、エアロゲル技術開発の活発化として高度部材開発の研究コンソーシアムの立ち上げについてまとめた。
英文要約Aerogel insulation materials, showed the desirable insulation quality in lab-scale experiments in many reports including NEDO projects, have not succeeded in commercialization in Japan, because of unsolved problems regarding large scale production and production cost and so on. Survey and analysis were conducted to confirm the benchmark concerning the state of technological trends of aerogel, structure of projects implemented oversea and corporate activity of the leading companies in U.S., including Aspen Aerogels and Cabot Corporation. In addition, European company’s strategy against the dominance of U.S. companies, oversea policy support facilitating practical realization and the situation in China and Republic of Korea was surveyed.

Based on the results, the possibility of the novel national project was considered. An ambient pressure drying, composite insulation material using aerogel produced from ambient pressure drying, a continuous supercritical drying and the extracted novel technology seeds were considered on the standpoints of domestic research organization, research competitor, R&D content, the state of art technology level, breakthrough points and economic effect etc..

Recommendation regarding with the direction of aerogel technology applicable for insulation material was summarized based on the following points, launching research projects related to establishment of batch and continuous ambient pressure drying processes so as to be inexpensive production, policy supports including purchasing support of product, the introduction of economical procedure and strengthening of legally binding, calculation of the effects of energy saving, CO2 emission reduction and reduction of ozone layer deletion substance by high quality insulating material introduction and their publicity activity, and launching of research consortium of aerogel as advanced materials to activate aerogel research and development.
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