成果報告書詳細
管理番号20140000000034
タイトル平成24年度成果報告書 国際エネルギー消費効率化等技術普及協力事業 技術実証事業FS 太陽熱エネルギー発電システム技術実証事業(チュニジア)
公開日2014/5/9
報告書年度2012 - 2012
委託先名三井造船株式会社 大成建設株式会社
プロジェクト番号P93050
部署名新エネルギー部
和文要約1.事業の概要
 チュニジア国南部に位置するエルボルマ地区において、同国が建設を計画している20-40MWe規模のガスタービンコンバインドサイクル発電システム(Gas Turbine Combined Cycle:GTCC)に対し、5MWe規模の集光型太陽熱発電設備(Concentrated Solar Power Generation:CSP)を付加する事によりISCC化を行う。CSPにて発生させた高温蒸気をGTCCの蒸気タービンに供給する事によってGTCCの発電効率を向上させ、且つ燃料削減、CO2排出量の削減を目指す計画である。
2.実施サイトの基本事項調査
 エルボルマはアルジェリアとの国境に面した油田開発区である。油田はイタリアのEnte Nazionale Idrocarburi(ENI)とチュニジア電力ガス公社(Societe Tunisienne de l'Electicite et du Gaz:STG)との合弁会社であるSociete Italo-Tunisienne d'Exploitation de Petrole:SITEP)が所有している。エルボルマ構内への電力供給はSITEPが所有するガスタービン発電設備(16MW級×3基、1970年代に設置)により行われている。
 現地調査において、本プロジェクトの建設予定地を既設発電所から北側に2km程度離れたEB55井戸近傍とした。また、気象観測装置を設置して日射データの収集・確認を行うとともに、衛星データとの比較を行い、年間集熱量を2,130kWh/m2/年としてCSPの基本計画を行った。更に、建設予定地のボーリング調査、輸送路の確認及び既存設備の調査を実施した。
3.技術実証事業実施計画の具体化
 ISCCの設備仕様は以下となる。(1)ガスタービン:15,433kW (2)排熱回収ボイラー:31.64t/h (3)CSPレシーバー:22.5t/h (4)蒸気タービン:10,906kW (5)発電出力合計:26,339kW
チュニジア側によって設置されるGTCCは、既設ガスタービン1基をCSP設置エリアに移設して、排熱回収ボイラー及び蒸気タービンを新設する計画となっている。
 CSPを設置することによる温室効果削減量(CO2換算)を年間4,654t、省エネ効果を年間64,109GJと試算した。
4.対象技術の普及可能性調査
 チュニジアは太陽資源の豊富な北アフリカで、かつ欧州(イタリア)への送電線の敷設に極めて適したロケーションであることから、対象技術であるCSPの潜在性は非常に高い。チュニジアソーラープランによると、PVとCSPの合計で60GWのポテンシャルがチュニジア国内に存在しうるとされている。チュニジア国内向けのプロジェクトだけではなく、将来的にはイタリア向けIPP事業としてのCSPプロジェクトもポテンシャルとして想定することが可能である。とりわけ、イタリア向けIPP事業が立ち上がった場合は、DESERTEC構想のもとで、投資規模4,000億ユーロというビックプロジェクトにつながりうる。
 このようなマーケットポテンシャルを想定した場合、日本勢としては、まず、本プロジェクトを着実に完工・操業させ一定の評判と実績を獲得することが重要である。
5.フォローアップ事業計画の策定
 本実証事業以降の案件形成のフォローアップ活動として、新設ISCCまたは独立型CSPの可能性が大きいと考えられ、チュニジアソーラープランの状況を注視して参入の機会を探る。更にチュニジアソーラープラン以外にも、チュニジア南部では、飲料水及び電力の恒久的不足の解消が課題となっている。特に、離島では、本土からの飲料水及び電力供給に依存しているが、インフラの老朽化を理由に島内自給を模索しており、新規プロジェクトの創出には、太陽熱以外の付加価値を提案することが重要となってくる。
6.CDMに関する業務
 チュニジアにおけるCDMプロジェクトは、2006年に登録されたランドフィルガスのプロジェクト2件に留まっている。2006年以降は新規のプロジェクトが登録されることはなく、風力発電と太陽光発電のプロジェクト2件が有効化審査の段階に進んだだけである。2012年末で京都議定書に定める第一約束期間が終了する為、本プロジェクトで日本の温室効果ガス削減を目的としたCDMの利用は実現可能性が低いと予想される。一方で二国間オフセットクレジット制度に関しては、プロジェクト化が可能であると考えられ今後の検討課題である。
7.結び
本実証事業の実施によって、日本においては、地域的、技術的な地歩を確立することが重要であり、チュニジアにおいては、太陽熱複合発電設備の実現によって今後のエネルギー政策に貢献できることから、両国にとって有益である。
 本実証事業が推進されることが大いに期待される。
 
※但し、本報告書は、当時調査した条件で検討したものであり、条件が異なる場合は、事業性等の評価結果は変わります。
英文要約1. Project overview
 This project is a plan of construction of ISCC (Integrated Solar Combined Cycle) in El Borma Area in Southern Tunisia, by adding a 5MWe size CSP (Concentrated Solar Power Generation) to a 20-40MWe GTCC (Gas Turbine Combined Cycle) which its construction is currently under contemplation in Tunisia. This project aims to improve the power generating efficiency of the GTCC by supplying high-temperature steam generated from the CSP into the GTCC steam turbine, and reduce fuel and CO2 gas emission.
2. Project site
 The construction site was selected based on a field survey. By setting up a weather-monitoring system, we collected/confirmed sunshine data essential for the basic CSP plan, conducted a boring survey at the construction site, and a survey at the existing facilities.
3. Technical verification project plan
 The ISCC specifications are as follows:(1)Gas turbine generator : 15,433kW (2)Heat Recovery Steam Generator(HRSG) : 31.64t/h (3)CSP Receiver : 22.5t/h (4)Steam Turbine Generator : 10,906kW (5)Power output total : 26,339kW
The effect of greenhouse gas emission reduction is expected to 4,654t-CO2/year.
4. Potential for the dissemination of CSP technology
 Not only projects of domestic aspects, Tunisia has high possibility of CSP project as an IPP business for Italy. Especially as for the IPP business for Italy, there could be a big project based on DESERTEC, of EURO 400 billion investment.
5. Action plan in the post project
 As a follow-up activity for new projects after this model project, we will be watching carefully at the situations of Tunisian Solar Plan (TSP), and look for opportunities to join in, as we expect new ISCC or independent CSP project would be promising. Moreover, we will search/create projects by conducting needs-survey, in addition to TSP.
6. Potentiality of CDM credit
 Only two projects were registered as a CDM project in Tunisia up to date. Due to the end of the First Commitment Period of the Kyoto Protocol in 2012, use of the CDM aiming to reduce greenhouse gas in Japan within this project is estimated to be less realizable. However, as for the BOCM (Bilateral Offset Credit Mechanism), we see some possibilities to make use of, and would be taken into further consideration.
7. Conclusion
 Through this model project, Japan seeks to establish a local, technical footing, and Tunisia would be able to contribute to the energy policy by having an ISCC, which would be profitable for both countries.
 We truly expect this model project to be promoted.

※Since this report was based on the conditions of status under the investigation period, the conclusion of feasibility will be changed in case of different base conditions.
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