成果報告書詳細
管理番号20120000000427
タイトル平成21年度-平成23年度成果報告書 次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発 次世代技術開発 高圧合成法による次世代高容量正極材料酸化物の材料設計
公開日2015/2/19
報告書年度2009 - 2011
委託先名学校法人東京理科大学 独立行政法人産業技術総合研究所
プロジェクト番号P07001
部署名スマートコミュニティ部
和文要約電力や次世代電気自動車への応用に高いエネルギー密度や高い平均放電電位を持った高性能な電池の開発がますます求められている。リチウム電池はこの用途への重要な技術として位置づけられている。我々は、高い性能を有する正極材料を開発し、その電気化学特性を改善することを試みた。CaFe2O4型LiMn2O4は結晶構造中にMnO6八面体が量共有し一次元的なトンネル構造を有しており、リチウムイオン電池の正極材料として有望な材料として期待される。CaFe2O4型LiMn2O4は1064mWh/gの高いエネルギー密度を有しているが、平均放電電位が2.26Vと低い。この問題を解決するために、MnサイトとOサイトの元素置換を行った。
 Mnサイトへの置換にはMg、Al、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cuの置換を試みた。また、酸素のフッ素置換をCaFe2O4型LiMn2O4とMnをTiに置換した試料に対して行った。前駆物質であるMnサイトを元素置換したCaFe2O4型NaMn2O4は4.5GPaの圧力下、1050℃から1500℃の温度で合成を行った。この後、この前駆体を硝酸リチウムと混合し、250℃から420℃の温度で3-100時間処理することで元素置換されたCaFe2O4型NaMn2O4を合成した。結果として、TiとNiを置換した試料で電池特性の改善が見られた。Mnサイトの10%をこれらの元素で置換した置換した試料で充放電特性の改善が見られた。LiMn1.8Ti0.2O4では、Li負極を用いて、4.8V-1.0Vで測定することにより初期エネルギー密度910mWh/g、初期平均放電電位2.93Vを得た。また、LiMn1.8Ni0.2O4では、それぞれ、844mWh/g、3.27Vを得た。
 サイクル性能を調べるために無置換のCaFe2O4型LiMn2O4を4.8-1.0Vの電圧範囲で100回まで充放電測定を繰り返した。66サイクル目で232mAh/gとなり、目標とする50%の容量を下回り、100サイクル後では94.1mAh/gまで減少した。これに対して、4.8-3.0Vの測定範囲では、100サイクル後でも維持率96.2%を維持した。CaFe2O4型LiMn2O4の放電特性には3.8Vと2.7Vに二つのプラトーが存在している。これらは2種類あるMnサイトの価数変化に伴うエネルギーに差があることを反映していると考えられる。サイクル特性を改善するにはMnサイトへの置換元素をさらに最適化する必要があることが分かった。
 さらに、新規高容量電極材料の探索的な研究も行った。新規Mn酸化物の高圧合成法による探索では、高圧下安定相である立方晶LiMnO2の単一相試料の作製を行い、初めて充放電特性の評価を行った。初期放電容量は200 mAh/g、平均放電電位は1.76V、エネルギー密度は352mWh/gであった。また、新規相探索のなかで、層状岩塩型Li2MnO3の新たな作製方法を開発した。高圧合成法によって新規相であるNa2MnO3相を作製した後、Na/Liイオン交換することによってLi2MnO3相を得ることに成功した。この試料の初期放電容量は264mAh/g, 平均放電電位は2.3V, エネルギー密度は611mWh/gとなり比較的高容量の放電が可能であった。
 高圧合成法を用いてLi-Cu-O系の探索的研究も行った。Li2CuO2相の開発では従来から知られている常圧相に対して、高圧下ではCuとO原子間の配位状態が4配位から6配位に変化し、新たな結晶相が出現することが明らかとなった。また、Li2Mn0.25Ni0.25Cu0.5O2相がアーク溶解法によるMn-Ni-Cu合金の作製とつづく固相反応法を用いて常圧下で合成することによって作製可能となった。1.5-4.0V (vs Li)の電圧範囲で測定した初期放電容量は、268 mAh/gとなり、10サイクル後においても放電容量244 mAh/gを維持していた。
 ラムスでライト型とカルシウムフェライト型がインターグロースした結晶構造をもつ新規物質LixTi2O4相も高圧合成法を用いて開発した。この物質は平均放電電位が1.7V程度と低く負極材料としての性能を示し、サイクル劣化が少ない材料であることが分かった。
 Na3-xRu4O9をLiNO3粉末と混合しNa/Liイオン交換を行う事によって新規4d遷移金属酸化物であるLi3-xRu4O9の開発にも成功した。電圧範囲1.5-4.8 Vの電気化学測定の結果より、初期放電容量は206 mAh/gでリチウムの挿入・脱離が可能であることが明らかとなった。
英文要約It is getting more and more necessary to develop high performance battery with higher energy density and average discharge voltage for the application such as the storage of electricity and batteries of electrical vehicles. Lithium ion batteries are thought as one of the most important techniques for these purposes. We have tried to develop new positive electrode materials with high performance and to improve their electrochemical properties. Calcium ferrite (CaFe2O4) type LiMn2O4 which has 1D tunnel piling up edge-shared MnO6 octahedron in the crystal structure is the new and hopeful candidate material for the positive electrode materials of lithium ion batteries. CaFe2O4-type LiMn2O4 shows high energy density of 1064 mWh/g, but that average discharge voltage is as low as 2.26V.
In order to make this weak spot better, the partial substitution of Mn and oxygen sites has done. The elements Mg, Al, Ti, V, Cr, Fe, Co, Ni and Cu were selected to substitute for Mn sites and fluorination of oxide was also done for pristine samples and Ti substituted samples. The precursor materials of CaFe2O4-type NaMn2O4 substituted Mn sites were synthesized under a pressure of 4.5 GPa at a temperature between 1050 -C and 1500 -C. Then, for obtaining CaFe2O4-type substituted LiMn2O4, Na/Li ion-exchange treatment, these samples with mixture of lithium nitrate were treated at 250-420 -C for 3-100 hours. As a result, the discharge properties improved for LiMn1.8Ti0.2O4 and LiMn1.8Ni0.2O4 samples. The initial discharge capacity and average discharge voltage for LiMn1.8Ti0.2O4 and LiMn1.8Ni0.2O4 samples were 910 Wh/Kg and 2.93 V(1.0-4.8 V vs Li), 884 Wh/Kg and 3.27 V(1.8-4.8 V vs Li), respectively .
In the charge-discharge measurements (1.0-4.8V vs Li) for the pristine CaFe2O4-type LiMn2O4 positive electrode up to 100 cycles, the discharge capacity with initial value of 471 mAh/g became one of 233 mAh/g at 66 cycles ,which is corresponding with below 50 % of 1st cycle and it finally became 94.1 mAh/g at 100 cycles. On the other hand, the discharge capacity in the voltage range between 3.0 and 4.8 V was kept the ratio above 96% of initial capacity. There exist two kinds of plateau at 3.8V and 2.7V in the initial discharge curve (1.0-4.8V vs Li) of the pristine CaFe2O4-type LiMn2O4 positive electrode. These two plateaus seem to relate to the change of valence state in two different Mn sites in the unit cell. We found that it is necessary to optimize the substitution at Mn sites by other elements further for improvement the cycle performance of this system.
ダウンロード成果報告書データベース(ユーザ登録必須)から、ダウンロードしてください。

▲トップに戻る