成果報告書詳細
管理番号20150000000852
タイトル平成26年度成果報告書 「立体造形による機能的な生体組織製造技術の開発 細胞を用いた機能的な立体組織作製技術の研究開発 バイオ3Dプリンタで造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床開発」
公開日2016/3/1
報告書年度2014 - 2014
委託先名国立大学法人佐賀大学  京都府公立大学法人京都府立医科大学 株式会社サイフューズ
プロジェクト番号P14028
部署名ロボット・機械システム部
和文要約件名:平成26年度成果報告書 「立体造形による機能的な生体組織製造技術の開発/細胞を用いた機能的な立体組織作製技術の研究開発/バイオ3Dプリンタで造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床開発」

人体のほとんどすべての臓器 /器官は血管によって機能が維持されている。しかしメタボリックシンドロームや糖尿病、血液透析などの代謝異常による動脈硬化をトリガーとし、主要臓器の血行不全に伴い重篤な疾患に陥る患者が増えている。心臓や下肢などに対する血行再建術、維持透析患者に対するシャント造設術など、血管・人工血管を移植する手術は、ステントやカテーテルを用いた新しい医療が広がっている昨今でも、未だニーズの高いものと考えられる。現行の人工血管は、様々な研究により開存性の向上をもたらし手術成績は改善しているものの、血栓、感染など解決すべき課題は多く残されており、特に内径4ミリ未満の人工血管は長期の開存が期待できず、心臓外科医や血管外科医の要求を満足させるような製品は未だ市場に存在しない。
我々は従来の再生医療 /ティッシューエンジニアリングの手法とは全く異なるアプローチで、細胞だけで大型の立体細胞構造体を作製することに成功しており、関節軟骨の再生医療の分野で臨床応用を準備する段階に達している。さらに細胞凝集塊を積み上げる技術を発展させ、任意の XYZの位置に複数の細胞を配置することにも成功し、ロボットシステム「バイオ3Dプリンタ」により、三次元データと細胞を投入するだけで、生きた細胞による立体的な構造体を作ることも可能となった。
本プロジェクトで医療ニーズの高い小口径人工血管を、バイオ3Dプリンタを用いて細胞のみで作製し、非臨床でのPOCを取得する。さらに透析用の動静脈バイパス用グラフトとしての臨床応用を実現し、同時に各種臓器再生における血管再建としての応用に向けての研究開発をすすめ、血管構造体の作製工程の最適化及び大動物実験による有効性の検証を実施する。さらに、実用化を見据え、非臨床安全性試験により製品の製造工程・最終規格を確立し、複数の患者由来細胞を用いた製造試験を実施する。最終的にはヒト臨床研究を開始することを目標とし実施する。本年度、製造工程確立のため佐賀大学、京都府立医科大学にバイオ3Dプリンタを新たに設置し、佐賀大学、京都府立医科大学、サイフューズの協力体制で、構造体作製の最適化、熟成工程の最適化を行った。生体内で血管を構成する3種類の細胞を混合して構造体を作製し、1か月培養した後に加圧破砕試験を行い、ヒト血管細胞
3種混合チューブ(繊維芽細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞)で、400 mmHg以上の圧力に耐え得る強度をもつことを確認した。またヒト繊維芽細胞チューブ、ヒト細胞2種混合細胞チューブ(繊維芽細胞と血管内皮細胞)では、300-600 mmHgの耐圧強度を確認しており、培養期間や培地成分、熟成方法の改良など、最適な条件設定により、さらに耐圧強度をもった構造体の作製が可能である。ヒト細胞3種混合の血管構造体(長さ1-2 cm、口径2 mm)を用いて、ミニブタ頸部に動脈-内頸静脈シャント形成を行った。異種移植となるため免疫抑制剤を投与し、移植後1週間おきに頸部のエコー、1か月後に血管造影で評価した。吻合部出血や破裂など術後のイベントは見られず、移植1か月後、全例生存していた。また同時並行して既存の人工血管を用いてミニブタ頸部動静脈シャントモデルを確立した。
英文要約We developed a novel method to create a designed scaffold-free tubular tissue from multicellular spheroids (MCS) using a “Bio-3D printer (Regenova, Cyfuse Biomedical K.K., Japan)”-based system, which enables us to load MCSs into needles and produce programmable three-dimensional structures. We generated scaffold-free tubular tissues from MCS composed of endothelial cells , smooth muscle cells and fibroblasts using the Bio-3D printer, which were successfully implanted in nude rat models in an acute study. We newly set up the Bio-3D printer in Saga University and Kyoto prefectural university of medicine in this year. Large animal study (immunosuppressed mini pig) was underway. Vascular structures (length 1-2 cm, diameter 2 mm) was implanted in mini pig (shunt mode l: the internal jugular artery to vein). The flow in the graft was assessed by ultrasonography every other week after implantation, and evaluated by angiography after one month. All animals were survived and post-operative event such as bleeding was not observed. Mechanical evaluation (burst test and tension test) of the tubular tissue cultured in a bioreactor for one month was performed.
We confirmed resistance of more than 400mmhg in the burst test. We believe that further strong resistance will be shown by optimizing the cell ratio, culture media and period of culturing. Further studies are promising for the clinical application of this novel technology.
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