成果報告書詳細
管理番号20150000000349
タイトル平成21年度ー平成25年度成果報告書 グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発 研究開発項目3-2規則性ナノ多孔体精密分離膜部材基盤技術の開発
公開日2016/4/15
報告書年度2009 - 2013
委託先名国立大学法人宇都宮大学 国立大学法人大阪大学 学校法人芝浦工業大学 JX日鉱日石エネルギー株式会社 千代田化工建設株式会社 国立大学法人名古屋工業大学 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 日立造船株式会社 一般財団法人ファインセラミックスセンター 三菱化学株式会社 国立大学法人山口大学 学校法人早稲田大学
プロジェクト番号P09010
部署名電子・材料・ナノテクノロジー部
和文要約本研究プロジェクトでは、イソプロピルアルコール(IPA)製造プロセスの大規模省エネルギー化を狙って、膜開発から実環境下における開発膜の性能試験に至るまでのIPA脱水用膜分離技術の基盤を創出すること、および石油化学製品として需要の大きい酢酸の脱水技術の大規模省エネルギー化に資する耐酸性膜の開発することを目的に5社、1一般財団法人、6大学による共同プロジェクトを実施した。
IPA脱水用膜分離技術の基盤創出にあたっては、IPA脱水膜プロセスの実用化に必要な要素技術である高含水蒸気に対応可能な耐水性を有する分離膜エレメントの開発(支持体上にゼオライト膜を製膜し、モジュール棺体への接続器具を取り付けたもの)、分離膜モジュールの開発、シール技術の開発、膜評価技術の開発、蒸留?膜ハイブリッドプロセスの設計とそれを用いた省エネルギー・コスト計算をコンカレントに実施することで効率的に開発を進めた。平成24-25年度には、JX日鉱日石エネルギー川崎製造所にあるIPA製造プラント(年産8万トン、わが国最大のIPA製造プラント)において実液を利用した膜の実環境下における性能試験を実施した。また並行して将来の大規模工業化を想定して、膜面積の大きくとれるマルチチャンネル膜の基盤技術開発も実施した。
各要素技術に関する研究計画は概ね順調に進捗し、すべて目標を達成することができた。Y型、SSZ-13といった複数種類のゼオライトを材料とした分離膜の開発を進め、透過分離目標性能を大きく超える性能を発揮する1m規模のIPA脱水用管状膜の工業的製造法を確立した。また、高度な電子顕微鏡観察技術、非破壊の膜の吸着性能を評価する技術を開発する事に成功し、これによって構造解析技術が著しく進展した。これら評価技術は将来の工業化に当たって、その評価技術基盤となるものである。プロセス検討の結果からは、IPA脱水部分において従来の蒸留プロセスと比較して、蒸留と膜のハイブリッドプロセスでは50%を超える大規模な省エネルギーが可能となること、および、その結果、グラスルーツでプラントを建設する場合には、ペイアウトタイムが1年を切ることも十分に可能であることが示された。
平成24-25年度に実施した実環境下試験は、世界初の石油化学工場内での実液を用いた無機膜の性能試験となった。本研究で開発した膜エレメントは、実環境下試験においても当初計画した透過分離性能を上回る性能を発揮しつつ、経過した200時間の運転を無事に終了した。以上、無機分離膜を用いた新規IPA脱水プロセスの実用化に必要な要素技術を確立できた。今後は、実用化を目指して、より精緻な新規プロセス設計とエネルギー・コスト試算を実施するとともに、パイロット試験までを引き続きJX日鉱日石エネルギー川崎製造所において実施する計画である。
また、第2の柱として石油化学製品として需要の大きい酢酸の脱水技術の大規模省エネルギー化に資する耐酸性膜の開発も実施した。酢酸脱水膜に関しては、短尺レベルでは酢酸の透過が全く見られない優れた脱水膜(モルデナイト膜)を発見することができた。そこで、前倒しでの実用化(2020年頃)を目指して、当初の実施計画を変更し、この膜の工業的製造方法の確立までを本プロジェクトの最終目的とするべく目標値を上方修正した。酢酸分離膜についても、1m規模の工業用管状分離膜の製造技術を確立することができた。今後は、実用化を目指し、IPA同様に開発膜の実環境下試験を実施すべく検討している。
英文要約Development of Fundamental Technologies for Green and Sustainable Chemical Processes
Green and sustainable chemistry/fundamental development of ordered-nanoporous membranes for highly-refined separation technology (FY2009-FY2013) Final Report

Membrane separation using zeolite would offer us great opportunities to reduce energy demands revolutionary in future chemical and petroleum industries. In this project, our target was to develop fundamental technologies of zeolite membranes for application to important chemical processes such as dehydration of 2-propanol (IPA) and acetic acid (AcOH).

The dehydration of IPA requires a large amount of energy by distillation because IPA forms azeotrope with water at about 14 %(wt) of water. FAU type zeolite membrane is one of the strong candidates for the dehydration of IPA stream under the conditions containing fairly larger fractions of water.

We concurrently carried out the development of element technologies; that is, zeolite separation membranes with sufficient durability against stream containing steam at relatively higher partial pressures, membrane module, sealing technology, characterization methods, process design of distillation-membrane hybrid process, and evaluation of energetic and cost merits. In FY2012-2013, we performed a bench-scale tests at the IPA production plant site in the Kawasaki Plant of JX Nippon Oil & Energy.

Industrial production methods for Y-type zeolite and SSZ-13 tubular membranes have been established, and the permselectivities of these membranes overwhelmingly exceeded targets.

We succeeded the developments of observation techniques of microstructures of membrane using transmission electron microscope and of non-destructive evaluation methods of adsorption properties of membrane. These characterization techniques will be important fundamental technologies for practical use in future. Process simulation results showed that in comparison with traditional distillation technologies for IPA dehydration, a distillation-membrane hybrid process can save more than 50% of energy. Consequently, the payout time can be less than one year when IPA plant is constructed on a glass-roots basis. The bench-scale test in FY2012-2013 was the world’s first one where membrane was tested using real stream in a petrochemical plant. Operation exceeding 200 h was successfully done. Through these developments, we have established all elemental technologies for a novel dehydration process of IPA.

Regarding the dehydration of AcOH, we succeeded to develop zeolite membrane showing an extremely high selectivity to water. Industrially feasible preparation method of tubular membrane with 1m long was established.

These developments planned in this project were run smoothly, and we have fully attained goals.
ダウンロード成果報告書データベース(ユーザ登録必須)から、ダウンロードしてください。

▲トップに戻る