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◆エネルギー・ペイバック・タイム(EPT)
 
 エネルギー・ペイバック・タイム(EPT)とは、太陽光発電システム等のエネルギー生産システムの製造から廃棄に至るライフサイクルを通して投入させるエネルギー量(機械や装置の製造から運用に必要なエネルギー)が、システムによって発電されるエネルギーにより回収されるまでの期間を示すものである。
 例えば、太陽光発電の製造等に必要な投入エネルギーをBとし、太陽光発電によって、1年間で発電するエネルギーをAとすれば、下式によって求められる。
 つまり、製造等に投入するエネルギーを、発電等で回収に要する年数を示す。このEPTの値が小さい程、効率的なエネルギー生産システムであるといえる。

EPT=ライフサイクルを通して投入されるエネルギー/一年間に生産されるエネルギー=B/A(年)

(2)太陽光発電におけるEPT
 太陽光発電のEPTは、生産規模及び種類(多結晶シリコン、アモルファスシリコン、Cds/CdTe)の違いにより異なる。年産規模が30MWの生産ラインにおけるEPTは、1.4年から2.2年程度、さらに、太陽光発電の年産規模を拡大した100MWでは1年から1.5年となる試算例がある。

太陽電池のエネルギー・ペイバック・タイム試算例
(単位:年)
生産規模
多結晶シリコン
アモルファスシリコン
Cds/CdTe
屋根設置型
屋根一体型
屋根設置型
屋根一体型
屋根設置型
屋根一体型
10MW
2.4
2.1
2.2
1.8
1.7
1.8
30MW
2.2
2.0
1.7
1.5
1.4
1.4
100MW
1.5
1.4
1.1
1.0
1.1
1.0


エネルギー・ペイバック・タイム(EPT)
太陽熱温水器のEPT は、1.3 年から1.6 年となる試算例がある。一方、給湯・暖房・冷房を有するソーラーシステムは構成要素が増えるため、EPT は1.5〜2.3 年と長くなっている。
[1]住宅用太陽熱温水器のEPT
投入エネルギー(GJ) ケース1 ケース2 ケース3
集熱器 92.2GJ 153.5GJ 121.0GJ
架台 17.3GJ 17.6GJ 17.6GJ
蓄熱槽 32.9GJ 32.9GJ 32.9GJ
配管 2.0GJ 2.0GJ 2.0GJ
合  計 144.4GJ 205.9GJ 173.5GJ
回収エネルギー(GJ) 114 114 114
EPT(年) 1.27 1.81 1.52
(前提条件)
集熱器の年間発生エネルギー 114.0GJ
(集熱温度40℃、全集光面50m2
架  台 簡易型
蓄熱槽 蓄熱容量2,000L
配  管 15m(供給側−負担側)
ケースは、集熱器規模の違いを示す


[2]ソーラシステムのEPT
システム EPT
太陽熱給湯システム 1.5〜2.0年
太陽熱給湯・暖房システム 2.1〜2.2年
太陽熱給湯・暖房システム冷暖房システム 2.2〜2.3年


風力発電の場合は、年平均風速に影響を受けるが、年平均風速が4m/s以上、あるいは、利用率が 24%以上であれば、EPTは1年以内となる試算例がある。

(試算前提条件)
出力/台数 風車タイプ 風車配列(間隔) 耐用年数
95kW×6基 3枚翼アップ
ウインド型風車
3基×2列
(140m×125m)
20年


(製造エネルギー量)
部 位 材 質 重 量 (kg) 製造・建設に要する
エネルギー(kWh)
タワー Fe(スチール) 6,200 10,230
ナセル
(カバー/ベース)
Al/Fe 1,955 4,888
発電機 Fe/Cu 1,150 3,450
ブレード Fe/ガラス繊維 916 2,033
基 礎 セメント 6,690 9,273
ケーブル AI/プラスチック 677 16,596
その他 - 4,548 11,118
合 計 - 22,136 57,588
* 耐用年数間における部品交換等を考慮した数値である(廃棄は含まない)。 


(風車による発生エネルギー量)

デンマークに設置された95kW風車の年間発電量の平均値 210,000(kWh/年) 

(デンマークにおける95kW風車6基設置のEPT試算例)
EPT= 0.274 年=3.3ヶ月
廃棄は含まない。


出  典 太陽光発電評価の調査研究(2000年3月,新エネルギー・産業技術総合開発機構),ソーラーシステムNo.74(1998年,太陽光発電技術研究組合),太陽光・熱ハイブリッドのエネルギー分析(堤他,1992年電気学会全国大会講演論文集),Wind Stats(Erik Grum-Schwensen,Spring 1990)より新エネルギー・産業技術総合開発機構作成
著作権者 新エネルギー・産業技術総合開発機構
 
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