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Press Release

アルツハイマー病の超早期診断技術の確立を目指す

―東大病院など全国41施設で臨床研究を実施―
2013年11月27日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
国立大学法人東京大学
バイオテクノロジー開発技術研究組合

NEDOと東京大学、バイオテクノロジー開発技術研究組合は、アルツハイマー病超早期診断技術の確立を目指す全国規模での臨床研究(J-ADNI2)を、東京大学医学部附属病院(東大病院)など全国41の臨床施設で実施します。

J-ADNI2は、NEDOのプロジェクトである「脳画像・臨床・ITの融合によるアルツハイマー病超早期診断と先制医療の実現」の一環として行うもので、予定されている41施設における臨床研究を通じ、日本の認知症患者(約460万人)の6割を占めるアルツハイマー病の診断技術の確立や、治療法の開発に必要なデータを収集します。

なお、被験者の募集は受け入れの準備が整った臨床施設から順次行う予定であり、東大病院が先駆けて実施します。

【臨床研究対象者】
  1. 健康で、もの忘れのない65~84歳の方(約300人)
  2. 日常的なもの忘れにお困りで、「軽度認知障害」と診断される60~84歳の方(約200人)
【検査内容】

臨床研究開始時検査、問診、心理検査、MRI(磁気共鳴画像法)検査、PET(陽電子放射断層法)検査、血液検査、脳脊髄液採取、遺伝子検査などを半年から1年ごとに3年間行います。

【募集期間】

2013年11月27日~概ね2015年3月末まで(所定の人数に到達次第、終了とさせて頂きます。)

【参加予定臨床施設】

東大病院を含む全国41の臨床施設。
(東大病院以外の臨床施設は、受け入れの準備が整い次第の募集開始となります。詳細及び、参加臨床施設、受け入れ開始状況については、下記J-ADNI2 ウェブページをご参照ください。)

【詳細及び参加に関するお問い合わせ】
  • コールセンター: 0120-201-705 (平日:午前10時~午後5時)
  • ウェブサイト: J-ADNI2 ホームページ
  • 事前に、当該臨床研究への参加可否確認の検査を受けて頂きます。検査結果によっては、臨床研究の参加をお断りする場合もございます。あらかじめご了承ください。
  • アルツハイマー病の超早期の段階を詳細に観察する臨床研究であり、通常の脳健診とは異なります。また、それぞれの臨床施設の募集は、一ヶ月に1~2名程度と限られています。臨床施設の状況によっては、ご希望に添えない場合もございます。

(参考)J-ADNI とは

物忘れを初期症状として、徐々に脳の機能が衰えていくアルツハイマー病は、高齢化社会を迎えた日本においても、その患者の数が増加の一途を辿っており、治療薬開発に大きな期待が寄せられています。J-ADNIは、アルツハイマー病の治療薬開発に欠かせない病気の進行過程を忠実に示す客観的な評価法の確立を目指す臨床研究です。客観的評価法が定まれば、将来、アルツハイマー病の早期診断、予防、そして治療薬のスムーズな開発に繋がることが期待されます。

米国、欧州、豪州でも同様の臨床研究が進められており、データの互換性を確保しながら、国際連携による標準診断法の確立を目指しています。

1.背景

アルツハイマー病の根本治療薬は世界規模で研究、治験が行われていますが、認知症発症後のアルツハイマー病では症状が改善されないことが問題となっています。これはアルツハイマー病が進行すると、神経細胞の変性が修復出来ないほど生じてしまい、治療を行っても効果を得られにくいことが原因と考えられます。そのため、アルツハイマー病に対しては、超早期(臨床症状がまだないか軽微な時期)に予防を含めて治療を行う必要があります。しかし、早期ほど評価基準となる認知機能の異常は軽微であることから判定は難しく、認知機能低下を予測する画像・生化学マーカー開発を行い、超早期段階における客観的評価基準を確立することが重要となります。

2.事業概要

NEDOプロジェクトの「脳画像・臨床・ITの融合によるアルツハイマー病超早期診断と先制医療の実現」(主任研究者:岩坪威 東京大学大学院医学系研究科教授)では、アルツハイマー病発症前の脳内の変化を高精度に検出可能な早期診断法の確立を目指して、2007年度から米国ADNIとの国際連携を開始し、厚生労働省の協力の下、J-ADNIとして実施され、引き続き2012年からJ-ADNI2を実施しています。J-ADNI2では、J-ADNI1よりもさらに早期の段階に着目した臨床研究を行います。

J-ADNI2では、国内有数の研究機関(※1)と41の代表的臨床施設(※2)が一体となり、製薬企業コンソーシアム(※3)、画像コンソーシアム(※4)の協力の下で研究を展開。国際連携による標準診断法の確立を目指すとともに、日本独自の研究、技術開発を図りながら研究を展開しております。また、本事業は、厚生労働科学研究費補助金「認知症対策総合研究事業」の一部と連携して実施しています。

研究内容としては、多数の高齢被験者の協力のもと、臨床研究及び技術開発を進めます。具体的には、「磁気共鳴画像法(MRI)を用いた脳容積測定、陽電子放出断層法(PET)による機能画像評価などの神経イメージング」と、「血液・脳脊髄液などのバイオマーカー測定」を2つの柱として、記憶検査などの臨床指標とともに、1~3年間に亘り計測を実施し、アルツハイマー病への進行を正確かつ客観的に評価する技術を確立することを目指します。

  • ※1 研究機関:東京大学、国立精神・神経医療研究センター他、全10機関
  • ※2 東大病院、東京都健康長寿医療センター他、全41施設
  • ※3 製薬企業コンソーシアム:アステラス、エーザイ他、全13社
  • ※4 画像コンソーシアム:GEヘルスケア・ジャパン、東芝メディカルシステムズ他、全9社

3.お問い合わせ先

(本プレスリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO バイオテクノロジー・医療技術部  担当:澤田、矢野  TEL:044-520-5230
東京大学医学部附属病院  早期・探索開発推進室  教授 岩坪威  TEL:03-5841-3543
バイオテクノロジー開発技術研究組合 担当:小倉  TEL:03-3595-0373

(東大病院への取材に関する問い合わせ先)

東京大学医学部附属病院 パブリック・リレーションセンター 担当:小岩井、渡部 
TEL:03-5800-9188   E-mail:pr@adm.h.u-tokyo.ac.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問合せ先)

NEDO 広報部 担当:遠藤  TEL:044-520-5151  E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp