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Press Release

原発対応版災害対応ロボットを原子力緊急事態支援センターに導入

―災害対応ロボット「櫻壱號」が事業化―
2014年4月17日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
学校法人千葉工業大学
株式会社日南

NEDOプロジェクト※1の成果をもとに千葉工業大学及び(株)日南は、新型の災害対応ロボット「櫻壱號(さくらいちごう)」をベースとした、災害対応ロボット「原発対応版 櫻壱號」を開発。この度、国産ロボットとして初めて日本原子力発電(株)原子力緊急事態支援センター※2に導入されました。
 導入されたロボットは、通常時には関連企業スタッフの操作研修等に利用され、災害発生時には災害地に派遣されるなど、重要な役割が期待されます。
 日南は、千葉工業大学から櫻壱號および関連技術の提供を受け、災害対応ロボットの事業化(開発・製造および販売)を実施しており、同ロボットのさらなる普及も期待されます。

  • 災害対応ロボット「櫻壱號」と原発対応版「櫻壱號」の写真

写真左:千葉工業大学がNEDOプロジェクトの成果をもとに独自開発した、災害対応ロボット「櫻壱號」
写真右:原子力緊急支援センターに導入された「原発対応版 櫻壱號」

  • 「櫻壱號」は過去にプロトタイプが公開されておりましたが、完成版の公開は今回が初めてとなります。

1. 概要

NEDOは災害や重大事故等に対する、我が国の災害対応無人化システムに係る技術水準のより実践的な向上を図り、無人(省力化・遠隔化を含む)災害対応技術の強化を図ることを目的に、「災害対応無人化システム研究開発プロジェクト(2011~2012年度)」を実施するなど、様々な災害対応ロボットの開発に貢献してまいりました。千葉工業大学が開発を進めた「Quince」は、福島第一原子力発電所の事故後3ヵ月の2011年6月から同発電所内に順次投入されるなど、事故収束に向けた作業支援に貢献しています。
 同プロジェクトにて千葉工業大学は、小型高踏破性遠隔移動ロボット「SAKURA (さくら)」および「災害対応ロボット操縦訓練シミュレータ※3」を開発し、これらを日本原子力発電(株)原子力緊急事態支援センターにて試用して頂いておりました。その成果と知見をもとに、千葉工業大学は新型の災害対応ロボットである「櫻壱號(さくらいちごう)」を独自に開発しました。開発したロボットについて千葉工業大学は、日南への技術移転を完了するとともに、日南は本ロボットの改良開発・製造および販売の体制を整え、事業化を開始。この度、その最初の事例として日本原子力発電原子力緊急事態支援センターに「原発対応版 櫻壱號」が導入されました。

2. 今回の成果

〔1〕小型高踏破性遠隔移動ロボット「櫻壱號」、「原発対応版 櫻壱號」を開発(千葉工業大学)
 「櫻壱號(さくらいちごう)」は、人が立ち入り困難な極限環境下(原子力発電所建屋内の内部調査、地震等の自然災害でダメージを受けた地下街やビル内の調査等)やインフラ点検などの過酷環境下での情報収集を目的に開発された先行探査型の遠隔移動ロボットです。目的に応じて必要とされるセンサーの追加搭載や長時間駆動仕様とするなどの改良を施し、用途ごとに最適な製品として提供することを想定して開発されました。

〔2〕ロボットの市場導入及び事業化を実現(日南)
 日南は、千葉工業大学が開発したロボットの技術供与を受け、用途に応じた改良開発をほどこし、製造および販売していくための事業体制を整備しました。日南は日本における、自動車や家電などの先端機器のプロトタイプ製造のリーディングカンパニーで、先端技術製品の1個単位での製造という強みを活かしてロボット事業を展開します。このたび、最初の導入先として、櫻壱號に対して現場のニーズに対応した度重なる開発と改良をほどこした「原発対応版 櫻壱號」の日本原子力発電原子力緊急事態支援センターへの導入が実現しました。

「原発対応版 櫻壱號」は主に以下のような特徴を持っています。

  • 幅700[mm]の階段の狭い踊場も余裕をもって走行。例えば原子炉建屋内の移動経路上の狭隘な地下に通じる階段とその踊り場のおける旋回や走行が可能も走行可能
  • 約8時間の連続走行が可能
  • 放射線、温度等をさまざまな建屋内部調査に必要な計測が可能
  • 4つのカメラを装備することにより、リアルタイムに現場の状況の監視が可能
  • 高い防水性能を有しており、深さ1m未満の水中での活動も可能

3. 今後の予定

今後、千葉工業大学は櫻壱號の後継機種など、より高度なロボットの研究開発を進めていきます。日南は引き続き「原発対応版 櫻壱號」のさらなる改良を進めるとともに、他のさまざまな用途に対応したロボットとして櫻壱號の改良をほどこしながら市場を開拓し、事業を拡大していきます。また、NEDOも「災害対応無人化システム研究開発プロジェクト」は平成24年度で終了していますが、プロジェクトの成果が被災現場に実際に投入され、課題の解決に生かされるよう、経済産業省をはじめとする関係機関、企業等と協力してまいります。

4. 問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
学校法人千葉工業大学  担当:先川原  TEL:090-5820-0027
株式会社日南  担当:飯島  TEL:0467-78-8891
NEDO ロボット・機械システム部  担当:高津佐、真野  TEL:044-520-5241

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部  担当:遠藤、坂本  TEL:044-520-5151 
E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

【参考:用語解説】

※1 NEDOプロジェクト:「災害対応無人化システム研究開発プロジェクト(2011~2012年度)」
人間が入り込めないよう過酷な災害現場で災害状況の把握や機材の運搬、復旧活動を行うためのロボット技術の開発プロジェクト

※2 原子力緊急事態支援センター
電気事業連合からの依頼を受け、2013年1月に日本原子力発電が設置した組織。9人からなる専任チーム(緊急支援チーム)から成り、1年365日、24時間、緊急時に対応できる体制を整備し、支援に必要な遠隔操作可能なロボット等の資機材を管理・運用するとともに、ロボットの操作訓練等を実施している。

※3 災害対応ロボット操縦訓練シミュレータ
クローラー型レスキューロボットの操縦の基本的練習が可能なシミュレータで、階段昇降、段差走行などの模擬操縦訓練が可能。本シミュレータを活用することで、事前にロボットの操縦訓練が可能となり、実機でのトラブル予防に役立つ。操縦用PCは実機用のものがそのまま使える。操縦対象であるロボット実機をシミュレーターシステムにつなぎかえるだけで、このシステムは稼働する。ユーザーは実機とシミュレータの違いを意識せずに操縦できる。