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Press Release

仏リヨンのスマートコミュニティ実証で2システム稼働

―エネルギーの「見える化」と都市全体のスマート化を実証へ―
2014年6月16日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOが経済産業省の補助により仏リヨン市で実施中のスマートコミュニティ実証プロジェクトにおいて、既存住宅のエネルギー消費量の見える化を行う家庭内エネルギーモニタリングシステムと、地域のエネルギー情報をリアルタイムで収集・活用するコミュニティマネジメントシステム(CMS)、2つのシステムが運転開始しました。

既存集合住宅約200戸に、タブレット端末(名称:ConsoTab)等のモニタリングシステムを導入することでエネルギー消費量の見える化を実施、住民の省エネルギー行動を促します。またCMSでは、プロジェクト全体を通じて収集した情報をもとに、都市全体のスマート化につながる指標を提示、その有効性を実証します。

なお、2システムの運転開始にあたって、6月14日に現地で運転開始式典が開催されました。

  • 写真
    写真(左:住民宅に設置されたタブレット端末 (ConsoTab)/右:現地集合住宅敷地内で行われた運転開始式典)

1.事業概要

持続可能でエネルギー効率の高い街を実現するためには、エネルギーの生産面において再生可能エネルギーの導入を図る一方、消費面で街単位、ビル単位、世帯単位の各段階でエネルギーの消費状況を認識し、効率的な使用を促進する仕組みが求められます。 また、エネルギー需給面だけでなく、都市交通など多様な面からの都市のスマート化が必要となります。 さらに、新しい街作りに加え、歴史ある既存の街においてもスマート化の推進が要求されます。

本事業は、経済産業省の補助により実施されており、グランリヨンが進めている都市再開発事業の中でも中核事業として位置づけられるものです。 都市全体のスマート化を目指し、上記の考え方に基づき日本の技術力を幅広く生かした、4つのTASKによる実証を実施します。 実際の都市全体のインフラを対象としたスマートコミュニティの実証事業は、NEDOとしても初めての取り組みであり、欧州のインフラ市場へ日本企業が参入する機会となっています。

実証プロジェクトは、以下の4つのTASKから構成されています。

▼TASK1:
再生可能エネルギーや蓄電池などを積極的に導入し、ビル内の消費量を上回るエネルギーを生み出すポジティブ・エナジ-・ビルティング(PEB)の構築。
▼TASK2:
太陽光発電を活用したEV(電気自動車)管理システムとEVカーシェアリングシステムの導入。
▼TASK3:
既存住宅におけるエネルギー消費量の「見える化」で、住民の省エネルギー行動の促進。(ConsoTab)
▼TASK4:
TASK1、2、3で収集するエネルギーの情報を取り纏め、地域全体で活用するための指標を提示するコミュニティマネジメントシステム(CMS)。

この度の運転開始は、TASK3、4の実証であり、本運転開始を皮切りに、既に開始されているTASK2や、今後竣工するTASK1のPEBなど、NEDOが推進するリヨンスマートコミュニティ実証事業を構成する各TASKの連携が開始されます。

〔1〕既存住宅におけるエネルギーの見える化による省エネ促進

欧州には歴史的地区を含む大規模な改修が難しい建物が多くあります。都市レベルでの省エネを図っていくためには、新設ビルに最新機器を組み込んでいくだけではなく、「既設」の建物における取り組みも必要となります。

「ConsoTab」は既設の公共住宅地域を対象に各家庭での電気、ガス、水の利用状況を見える化すると共に、エネルギー増加アラームや省エネ方策をアドバイスすることにより、住民の省エネルギー行動を促進しようとするものです。

  • スクリーンショット
    TASK3 Conso Tab(タブレット)画面イメージ
  • 説明図
    TASK3 既存住宅におけるエネルギー消費量の見える化

〔2〕地域全体のエネルギー情報の収集と分析

コミュニティ・マネジメント・システム(CMS)は、地域全体のエネルギーの動向を把握し、その変動要因等を分析するものです。

リヨン・コンフルエンス地区の複数のビルやEVカーシェアリングの充電情報など、本実証のTASK1、2、3で収集するリアルタイムのエネルギー情報全体を取りまとめ、データを分析することで、グランリヨン共同体やリヨン市等の自治体が、都市のエネルギー政策を評価・策定することに役立つ指標を提示するシステムとなっています。

実証にはグランリヨン共同体自身がパートナーとなり、都市計画や環境・エネルギー政策の立案等、都市全体のスマート化に向けて役立つ指標を検証し、エネルギー利用効率の良い街づくりの方法を探っていきます。

  • スクリーンショット
    TASK4 CMS画面イメージ
  • 説明図
    TASK4 CMS概要

2.運転開始式

運転開始式には、日本からはNEDO古川理事長のほか、本事業の受託企業である株式会社東芝、東芝ソリューションズ株式会社の関係者が参加。フランス側からは、グランリヨン共同体のコロン議長を始めとしてプロジェクト参加企業幹部に加え、プロジェクトに参加している住民を招待しおよそ200名が出席しました。

今後、この運転実績が日本企業の実力を示す契機となり、相手国政府や自治体、相手国パートナー企業との連携が進み、日本企業の海外展開が促進することが期待されます。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO スマートコミュニティ部 担当:吉田、松岡 TEL:044-520-5274

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、遠藤、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp