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Press Release

太陽光発電の大量導入社会を支える3プロジェクトを開始

―設置からリサイクルまで低コスト化を目指す―
2014年7月8日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、太陽光発電の大量導入社会に備え、「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」、「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」、「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」の3つのプロジェクトを開始します。

太陽電池セル・モジュールのさらなる高性能化・低コスト化の推進に加え、新たな市場拡大やシステム効率の向上、太陽光発電のリサイクル社会構築を目指して、太陽光発電の大量導入社会を支える技術開発を実施します。

1.プロジェクト概要

〔1〕太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト

太陽光発電の発電コスト低減に向け、コストの過半数を占めるシステムの低コスト化を図る技術開発を行います。パワーコンディショナ※1や架台など周辺機器において、システム効率10%向上、BOSコスト10%削減を可能とする技術、設備の自動診断技術などにより維持管理費を30%削減する技術を開発し、その効果を実証試験により検証します。

【採択テーマ例】 次世代長寿命・高効率パワーコンディショナの開発(太陽光発電技術研究組合)
電解コンデンサ、パワーリレー、リアクトルの長寿命化技術によるパワーコンディショナの長寿命化および高効率化技術の開発

  • 住宅用パワーコンディショナの設計寿命を従来の2倍の30年に

〔2〕太陽光発電多用途化実証プロジェクト

固定価格買取制度により、太陽光発電の導入が加速していますが、太陽光発電を設置する適地が少なくなっています。そこで、導入ポテンシャルが大きいものの導入が進んでいない建物壁面、農業関係、傾斜地、水上の4分野への導入拡大に向け、発電コストを低減させる技術の開発・実証、導入可能性調査を実施。また、発電以外の機能や用途を付加した太陽光発電の高付加価値化技術の開発、実証などを行います。

【採択テーマ例】 熱電ハイブリッド集光システム技術の開発(株式会社カネカ)
低倍率集光システムを用いた熱電ハイブリッド集光システムの開発

  • 写真
    低倍率集光システム
  • 図
    熱電ハイブリッド集光システム概略図

〔3〕太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト

太陽光発電の大量導入に伴う使用済み太陽光発電システムの大量発生に備え、低コストのリサイクル処理技術を開発するとともに、廃棄処分をせず売買できる有価物について回収率向上や価値が高い状態で回収できるようにする高純度化技術を開発します。

【採択テーマ例】 可溶化法※2を用いた使用済み太陽電池からの資源回収技術の開発(株式会社エヌ・ピー・シー、独立行政法人産業技術総合研究所、株式会社日本スペリア社)
「EVA(封止剤)とガラスを加熱カッターにより分離する技術」、「EVAを溶解する技術」および「回収金属の高純度化技術」を組み合わせた分解処理技術の開発

  • 加熱カッターによる分離イメージ・可溶化法による分離イメージ

2.採択テーマ一覧

〔1〕太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト
1 「次世代長寿命・高効率パワーコンディショナの開発」
太陽光発電技術研究組合
2 「低価格角度可変式架台の開発による積雪時の発電効率向上」
株式会社ケミトックス
3 「次世代長寿命・高効率ACモジュール※3の開発」
太陽光発電技術研究組合
4 「太陽光反射布を用いたソーラーシェアリング※4発電所システム効率向上の研究開発」
株式会社フォーハーフ
5 「新規不具合検出機能を備えた発電量/設備健全性モニタリングシステムの開発」
ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社
6 「HEMS※5を用いたPV発電電力量の遠隔自動診断と故障部位把握方法の開発」
株式会社京セラソーラーコーポレーション
〔2〕太陽光発電多用途化実証プロジェクト
1 「米と発電の二毛作」
株式会社福永博建築研究所
2 「熱電ハイブリッド集光システム技術の開発」
株式会社カネカ
3 「太陽熱・光ハイブリッド太陽電池モジュールの開発」
日清紡メカトロニクス株式会社
4 「採光型太陽光発電ユニットの技術開発」
岡本硝子株式会社、株式会社エガリム
5 「E-SEG(緊急時自発光誘導デバイス)の開発」
有機系太陽電池技術研究組合
6 「グリーン晴耕雨読型分散サーバーの開発」
株式会社イーダブリュエムジャパン
7 「集光型太陽光発電/太陽熱温度成層型貯湯槽コジェネレーションシステムの開発」
株式会社SolarFlame
〔3〕太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト
1 「使用済み太陽光発電システムのリサイクル処理を安定的に実施するための課題調査」
イー・アンド・イーソリューションズ株式会社、DOWAエコシステム株式会社、一般財団法人秋田県資源技術開発機構
2 「廃棄物として排出される太陽電池モジュールの効率的な回収システム及び、分別に関する調査/検討」
萬世リサイクルシステムズ株式会社
3 「結晶シリコン太陽電池モジュールのリサイクル技術開発」
三菱マテリアル株式会社
4 「ウェット法による結晶系太陽電池モジュールの高度リサイクル実用化技術開発」
東邦化成株式会社
5 「結晶シリコン太陽電池の低コスト分解処理技術の調査/開発」
株式会社市川環境エンジニアリング、鹿島建設株式会社、株式会社ホンジョー
6 「可溶化法を用いた使用済み太陽電池からの資源回収技術の開発」
株式会社エヌ・ピー・シー、独立行政法人産業技術総合研究所、株式会社日本スペリア社
7 「太陽光発電リサイクルにおける国内外動向および評価手法に関する調査」
みずほ情報総研株式会社
8 「太陽光発電リサイクル動向に関する調査/検討」
株式会社三菱総合研究所
※2014年7月8日付、採択予定先を一部修正いたしました。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:濱田、西村、穂積 TEL:044-520-5277

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

【用語解説】

※1 パワーコンディショナ:
太陽電池で発電した直流の電気を、電力系統と同じ交流の電気に変換する装置
※2 可溶化法:
薬液によってEVAを化学的に溶解させる方法
※3 ACモジュール:
マイクロインバータを搭載した太陽電池モジュールのことを言い、通常、太陽電池モジュールは直流で出力されるが、マイクロインバータを搭載することにより交流で出力され、モジュール単位での出力の最適化や増設が可能となる。
※4 ソーラーシェアリング:
営農を継続しながら上部空間等に太陽光発電設備等の発電設備を設置し、農作物と電力の両方を得ようとするもの。
※5 HEMS:
Home Energy Management Systemの略で、家庭内のエネルギー管理システムのことを言う。個々の家電機器の電力消費量を把握し制御することで、節電やCO2削減に役立つ管理システムである。