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Press Release

SiCパワー素子の自動車や鉄道車両向け応用システム開発を加速

―日本の技術的優位性確保と新材料パワーデバイスの適用拡大を目指す―
2014年8月15日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、パワーエレクトニクス分野における日本の技術的優位性の確保と適用拡大を目指し、新たなテーマを開始します。
 このプロジェクトでは、新材料であるシリコンカーバイド(SiC※1)を用いたパワーデバイスを活用した応用システム開発を行う3テーマの助成事業と、現状のSiCパワーデバイスと同等以上の性能を有する新世代Siパワーデバイスを開発する1件の委託事業に取り組みます。

【用語解説】

  • ※1 SiC:シリコンカーバイド(炭化ケイ素)。ケイ素と炭素の化合物で、これを用いて作った半導体デバイスを従来のシリコン半導体デバイスに比べると、内部の電力損失が1/100と小さく、高い周波数・高い温度(300℃程度まで。Siの場合は100℃程度まで)で使用することができる。

1.プロジェクト概要

パワーエレクトロニクスは、自動車、鉄道車両、産業機器や家電など生活に身近な様々なところに適用され、それらの高性能化や省エネルギー化を支えるキーテクノロジーです。
 NEDOは2009年度から、低炭素社会を実現する次世代パワーエレクトロニクスプロジェクト※2において、パワーエレクトロニクス分野の技術開発プロジェクトを推進して参りました。引き続き、パワーエレクトロニクス分野で日本が世界を牽引するため、日本の技術的優位性確保を目指した新世代Siパワーデバイス開発及び新材料パワーデバイス適用拡大のための応用システム開発を実施します。

2.採択テーマと概要

【助成事業】

テーマ名:世界のパワエレを牽引する次世代パワーモジュール研究開発と日本型エコシステムの構築
(助成予定先:富士電機株式会社)
顧客カスタム要求を満たしつつ、超短納期で低コストな次世代パワーモジュールの開発と、それを実現するエコシステムを構築し、EV(電気自動車)分野、新エネルギー分野などで世界を牽引する。

テーマ名:SiCパワーデバイスを用いた超高効率車載電動システムの開発
(助成予定先:株式会社デンソー)
SiCパワーデバイスを用いたインバータを活用した昇圧コンバータ不要PCU (Power Control Unit) の開発を行い、車載電動システムの革新的な効率向上を実現する。

テーマ名:高出力密度・高耐圧SiCパワーモジュールの開発
(助成予定先:三菱電機株式会社、三菱マテリアル株式会社、電気化学工業株式会社、日本ファインセラミックス株式会社、DOWAエレクトロニクス株式会社)
世界最高レベルの高出力密度・高耐圧SiCパワーモジュールを開発し、鉄道車両の電力変換器の小型、軽量化を実現する。

【委託事業】

<新世代Si-IGBT※3と応用基本技術の研究開発>
(委託予定先:国立大学法人東京大学)
材料技術、プロセス技術等を駆使することにより、現状のSiCパワーデバイスと耐圧、電流密度等で同等以上の性能を有するSi-IGBTおよびその周辺技術を開発し、新世代のSi-IGBT技術を確立する。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 電子・材料・ナノテクノロジー部 担当:杉山、山本、間瀬 TEL:044-520-5211

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:坂本、佐藤(丈) TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

【用語解説】

  • ※2 「低炭素社会を実現する次世代パワーエレクトロニクスプロジェクト」(2009年度~2019年度)本テーマの期間は、助成事業が2014年度から最大6年間、委託事業が2014年度から2016年度の3年間です。
  • ※3 IGBT:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor)。材料にSiを用いたパワーエレクトロニクスデバイスの中では最も大きい電力の制御に適したもの。