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Press Release

「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」を策定

―大量導入社会を支える5つの方策を提示―
2014年9月30日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、太陽光発電の新たな技術開発指針「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」を策定しました。

新興国メーカーのシェア拡大や固定価格買取制度の導入など、太陽光発電を取り巻く状況の変化を踏まえ、来たるべき太陽光発電の大量導入社会を円滑に実現するための戦略として、〔1〕発電コストの低減、〔2〕信頼性向上、〔3〕立地制約の解消、〔4〕リサイクルシステムの確立、〔5〕産業の高付加価値化、の5つの方策を提示。太陽光発電の導入形態の多様化や新たな利用方法の開発による裾野の拡大などを提言しています。

発電コスト目標は、2020年に14円/kWh、2030年に7円/kWh。戦略の策定は、2009年の「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)」以来、5年ぶりです。

  • 図
    発電コスト低減シナリオ(非住宅分野)

1.概要

NEDOは、これまで、太陽光発電の早期普及を目指す技術開発戦略として「太陽光発電ロードマップ(PV2030、PV2030+)」を策定し、これにもとづいた技術開発を行ってきました。

しかし、2009年のPV2030+ 策定以後、太陽電池モジュール価格の大幅下落、価格競争力を有する中国等新興国企業のシェア拡大等、太陽光発電をとりまく状況は大きく変化しました。また、国内においては、固定価格買取制度(FIT)の開始によって太陽光発電の導入は加速し、我が国は太陽光発電の大量導入社会の実現に着実に近づきつつあります。

NEDOは、こうした太陽光発電を取り巻く状況の変化を踏まえ、来たるべき大量導入社会を円滑に実現するための課題を整理し、それらを解決するための技術的方策について検討を進め、新たな「太陽光発電開発戦略」として取りまとめました。

本戦略は、NEDOのWEBページからダウンロードできます。

(1)本戦略策定の考え方

本戦略の策定にあたっては、以下の点に留意しています。

  • 1)太陽光発電の普及を進めるための戦略ではなく、その普及後の社会を支える戦略として検討しました。
  • 2)「発電コストの削減」だけでなく、太陽光発電の大量導入が実現した社会で解決すべき課題を包括的に検討しました。
  • 3)我が国の太陽光発電産業基盤の強化の視点を盛り込みました。

(2)本戦略のポイント

太陽光発電の現状を評価するとともに、今後の太陽光発電の大量導入社会実現と産業基盤の強化のための戦略として、〔1〕発電コストの低減、〔2〕信頼性向上、〔3〕立地制約の解消、〔4〕リサイクルシステムの確立、〔5〕産業の高付加価値化の5つの方策を示しました。要点は以下のとおりです。

1)2020年に業務用電力価格並の発電コスト達成
大量導入社会での国民負担を軽減するため、業務用電力価格並の発電コスト14円/kWhの見通しを得ました。
⇒ 今後は、これまで得られた開発成果を踏まえ、ヘテロ接合技術※1やバックコンタクト技術※2を用いた結晶Si太陽電池の高効率化、大面積化、モジュール化、量産化技術の開発等により発電コスト14円/kWhを実現。
2)2030年に基幹電源並の発電コストへ
究極の低発電コスト(従来火力発電並の発電コスト7円/kWh)を目指します。
⇒ 結晶Si太陽電池の性能向上・コスト低減追求、超高効率太陽電池の量産技術開発、製造工程に真空や高温プロセスを要しない新たな太陽電池の実用化、システム効率向上、高信頼性モジュールの開発等により実現。
3)新たな価値創造で世界をリード
導入形態の多様化や新たな利用方法の開発によって、太陽光発電の裾野を拡大。2030年の世界の太陽光発電市場を睨み、高付加価値産業(システム・サービス、新規用途)の開拓等、“世界で勝てる分野”を開発強化。
⇒ 着色、透明、フレキシブル等の意匠性、熱回収と発電のハイブリッド機能等の多機能化による太陽電池モジュールの付加価値や、独立電源利用時の配線コスト削減効果等の発電電力以外の経済価値創出、新たな低コスト設置技術の開発による導入先開拓や配電ビジネス等川下産業への展開等により実現。

(3)本戦略の構成

約90頁予定

  1. 概要
  2. 本論
    第1章:太陽光発電戦略の目的
    第2章:太陽光発電をめぐる環境の変化
    第3章:これまでのNEDOの技術開発の成果とその評価
    第4章:太陽光発電大量導入社会における課題
    第5章:太陽光発電の目指すべき姿
    第6章:太陽光発電開発戦略
    第7章:今後の技術開発の方向性
  3. 参考資料

【用語解説】

※1 ヘテロ接合技術
物性の異なる半導体材料を接合する技術。結晶シリコンとアモルファスシリコンを組合せて変換効率低減の要因となる欠陥を減らしたり、電気に変換できる光の波長が異なる材料を組合せることで変換効率を向上させることができる。
※2 バックコンタクト技術
太陽電池の裏側にのみ電極をつくり電気をとりだす技術。電極を裏面に集約することで、受光面を広くできるため、変換効率を高めることが出来るが、構造が複雑になり高い加工技術が必要になる。

2.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:山田、小田、長谷川 TEL:044-520-5277

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、上坂、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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