本文へジャンプ

Press Release

超高輝度・大光量の省エネ型LED照明を開発

―HIDランプ比53%以上の省エネルギーを実現―
2014年10月7日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
四国計測工業株式会社

NEDOのプロジェクトにおいて、四国計測工業(株)は、共同研究者の(株)STEQと鹿児島大学と共同で、Ra80以上の高演色型の超高輝度・大光量のLED照明を開発しました。単一面光源による照明としては、定格光束63,200lm~68,000lmで世界最高クラス。LEDの集積率を高めると共に放熱を強化し大光量・長寿命と省エネルギーを同時に達成しました。
 従来の高輝度放電ランプ(HIDランプ)照明と比較して、投光器は約53%の省電力で同等の照度を達成できるなど、大幅な省エネルギーを実現します。

  • 図1.開発したLED照明及びCOBモジュールと、図2.消費エネルギー比較(左図:投光器、右図:高天井照明における同等照度を得る条件下)

1.概要

現在、高天井照明や投光器として高輝度・大光量照明の高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプ(HIDランプ)照明が多く使用されていますが、一層の省エネルギー化や水銀条約※1による高圧水銀ランプの使用制限などを背景に、LED化が急務となっています。LED化にあたり、LED照明の高輝度化については、発光部が高温になり、寿命の低下や発光効率の低下を招くことが課題となっていました。
 NEDOのプロジェクト※2において、四国計測工業(株)は、共同研究者の(株)STEQと鹿児島大学と共同で、Ra※380以上の高演色型の超高輝度・大光量のLED照明を開発しました。開発したLED照明は、単一面光源※4による照明としては、定格光束※563,200lm~68,000lmで世界最高クラスです。新たに開発した技術により、LEDの集積率を高めると共に放熱を強化して大光量・長寿命と省エネルギーを同時に達成しました。今回、熱伝導に優れた基板を用いてCOB※6からの熱伝導性を高めるとともに、その熱を効率的に放熱させるヒートシンクを開発したことにより、発光部の放熱性が改善し大光量で高輝度化が可能となりました。
 従来の高輝度・大光量照明として利用されている高輝度放電ランプ(HIDランプ)照明と比較して、投光器は約53%の省電力で同等の照度を達成でき、また、高天井照明では64%の省電力で同等の照度を達成できるなど、Ra80以上の高演色でありながら大幅な省エネルギーを実現します。
 なお、本技術は、11月12日(水)から14日(金)に開催される「グリーン・イノベーションEXPO2014」内にて実施する「NEDO省エネルギー技術フォーラム2014」において展示・発表します。

2.今回の成果

【開発した製品の性能・特長】
単一面光源で高性能放熱システムを活用した照明として、世界最高クラスの性能を実現しました。

照明器具 性能・特長 用途
投光器

・定格光束 63,200lm(Ra80以上)

・固有エネルギー消費効率105lm/W

・300m先でも本・新聞等が読める5lx以上の明るさを提供
(図2 左図参照 省エネルギー率53%)

・運動場、競技場、工場、駐車場、車両操車場、コンテナヤード、建設現場など

・公園、広場、建築物へのライトアップなど

・公式競技など高演色の必要なテレビ・映画等の撮影など

高天井照明
〔1〕広角タイプ



〔2〕中角タイプ





〔3〕狭角タイプ
 

・定格光束 68,000lm(Ra80以上)

・固有エネルギー消費効率113lm/W

・15mの高さで100lx以上の明るさを提供

 

・定格光束 66,000lm(Ra80以上)

・固有エネルギー消費効率110lm/W

・25mの高さで100lx以上の明るさを提供
(図2 右図参照 省エネルギー率64%)

 

・定格光束 65,400lm(Ra80以上)

・固有エネルギー消費効率109lm/W

・30mの高さで200lx以上の明るさを提供

・工場、倉庫、ホール、体育館など天井の高い屋内施設など

・公式競技など高演色の必要なテレビ・映画等の撮影など

【技術面の特長】

(1)高出力COBモジュールにより大光量の単一面光源を実現
 高出力COBモジュールで、熱伝導に優れた基板を用いることにより、基板上に LEDチップを高密度で多数配置することが可能となりました。これにより、マルチシャドウ(多重影)の生じない均一な強い光を遠くまで照射できる大光量の単一面光源を開発しました。従来の熱伝導技術に比較して、[A]熱伝導に優れた基板に[B]直接LEDチップを精密に実装する技術によりLEDチップから基板への放熱性を改善(約1.8倍)※7しています。((株)STEQと共同開発。特許・意匠登録済み)

(2)高性能なヒートシンクにより高効率な放熱を実現
 高出力COBから発生する大量の熱を逃がすための[C]小型・高性能なヒートシンク※8を開発しました。従来の放熱技術に比較して、高精度シミュレーション技術により大気への放熱性を改善(約2.5倍)※7しました。(鹿児島大学と共同開発。特許・意匠出願中)

  • 図3.開発した照明の概略

3.今後の予定・計画

四国計測工業(株)は、このたび開発した超高輝度・大光量のLED照明を、投光器等の照明器具ならびに光源としてのCOBモジュールを、10月8日より販売開始します。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 省エネルギー部  担当:中江、楠瀬  TEL:044-520-5281
四国計測工業(株)  営業開発本部 営業部  担当:坂本  TEL:0877-33-2220(代)
開発部  担当:平田  TEL:050-8802-3702

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部  担当:上坂、坂本、佐藤  TEL:044-520-5151  E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

【用語解説】

※1 「水銀に関する水俣条約」(水銀条約)
平成25年10月に熊本県で開催された外交会議で採択され、一般照明用の高圧水銀ランプ(HPMV)などが 2020 年以降の製造・輸入・輸出が禁止となっている。

※2 NEDOのプロジェクト
「戦略的省エネルギー技術革新プログラム事業」

※3 Ra
平均演色評価数をいい、いかに基準光源(白熱電球)による色彩を忠実に再現しているかの指数。Ra100が基準光と同じ光で、100に近いほど演色性が良いと判断される。例えば、水銀ランプはRa40~50である。

※4 単一面光源
発光面に境目がない単一面の光源

※5 定格光束
照明器具から放出される点灯初期の光束のこと。

※6 COB
Chip on Board(チップ・オン・ボード)の略。LEDチップを直接基板上に実装し、配線、樹脂封止した構造の光源 (特許・意匠登録済)

※7 開発当初と開発後の比較である。

※8 光源が発生した熱を大気中に放熱させる冷却フィン。