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Press Release

MEMSセンサーネットワークによる10%の省エネ効果を実証

―グリーンMEMSセンサーでスマート社会を実現へ―
2015年2月4日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
技術研究組合NMEMS技術研究機構

NEDOと技術研究組合NMEMS技術研究機構は、無線通信機能、自立電源機能、超低消費電力機能を搭載した革新的なグリーンMEMS(微小電気機械システム)センサーを開発するとともに、このセンサーを用いたセンサーネットワークシステムを構築、先進的エネルギーマネジメントの省エネ効果について実証実験を行ったところ、10%以上の省エネ効果を確認しました。

スマート社会の実現に向け、社会インフラ、農業、健康医療分野等への応用が期待されます。

このプロジェクトの成果の詳細は、2月12、13日の両日に東京国際フォーラムで開催する「NEDOフォーラム」、26日に国立科学博物館で開催する成果報告会で発表します。

  • 図1:プロジェクトの全体像
    図1:プロジェクトの全体像

1.概要

従来の機器の効率向上や断熱による省エネに変わる、ICTを用いたマネジメントによる先進的な省エネ手法が注目されています。ただし、この手法では、多くのセンサーを配置したセンサーネットワークを構築することが重要ですが、これまではセンサーの大きさやバッテリー交換等の制約によりその普及が進んでいませんでした。

そこで、NEDOと技術研究組合NMEMS技術研究機構は、2011年度より、グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト(現・社会課題対応センサーシステム開発プロジェクト)において、センサーネットワークに使用されるセンサーデバイスの共通的な課題である、無線通信機能、自立電源機能及び超低消費電力機能を搭載する革新的なグリーンMEMS※1センサーの開発と、開発したセンサーを用いたネットワークシステムの構築及びその導入による先進的エネルギーマネジメントの省エネ効果について実証実験を行ってきました。

その結果、センサー自身のグリーン化・省エネ化(超低消費電力化、小型化)という新たなコンセプトのもと、省エネセンシング、省エネ通信方式、微小圧力変化をトリガーとして動作するイベントドリブン駆動、フレキシブル電源等の要素技術をインテグレートしたセンサーを開発しました。具体的には、無線通信機能、自立電源機能及び超低消費電力機能を搭載した(1)電流・磁界センサー、(2)塵埃量センサー、(3)ガス(CO2、VOC)濃度センサー、(4)赤外線アレーセンサーとなります。

また、これらのセンサーを用いたセンサーネットワークシステムを店舗、オフィス及び製造現場等において構築し、環境計測やエネルギー消費量等の把握(見える化)及びエネルギー消費量の制御(最適化)により、10%以上の省エネ効果を実証実験により確認しました。

今後、本プロジェクトの成果については、グリーンセンサーでスマート社会の実現を目指して、省エネばかりでなく、社会インフラ、農業、健康医療分野等の社会課題への応用が期待されます。

なお、成果の詳細については、2月12日から13日に東京国際フォーラムで開催する「NEDOフォーラム」、2月26日に国立科学博物館で開催する成果報告会で発表します。

2.今回の成果

今回開発したセンサー及び実証実験の内容は以下のとおり。

(1)グリーンMEMSセンサーの開発

自立電源(発電量150μW)で駆動・無線送信するグリーンMEMSセンサー(消費電力100μW)の中で、電流・磁界、塵埃、赤外線アレーセンサーを順次実証現場に投入し、コンビニ、オフィス、ファクトリ等の実証環境で省エネ見える化のための遠隔自動データ収集ツールとして実用化できる見通しを得ました。ガス(CO2、VOC)濃度センサーについても、現在、実証現場(オフィス、ファクトリ)へ投入し、機能検証を進めています(図2)。

図2:開発したグリーンMEMSセンサー

(2)センサーネットワークシステム実証実験による見える化及び最適化の省エネ効果

グリーンMEMSセンサーを用いた省エネ実証実験として、コンビニエンスストア(セブンイレブン)約2,000店舗に無線借電型電流センサー、無線環境(温湿度)センサー、コンセントレータを設置し、設備機器の状態・設置環境、ウォークイン扉の開閉状況等を見える化・改善することで10%の省エネ効果が得られることを実証しました(図3)。この削減量は一般家庭約8千世帯の消費電力に相当します。

また、中小規模(500m2未満)のオフィスに自立電源で駆動・無線送信する赤外線アレーセンサー、コンセントレータを設置し、フロア全体の温度分布・人位置の見える化に基づく省エネ指示(空調・換気・窓開閉)の実施により、10%以上の省エネ効果が得られることを実証しました(図4)。

図3:グリーンセンサーを用いたコンビニエンスストアの省エネモニタリングシステム

図4:グリーンセンサーを用いた中小オフィスの省エネモニタリングシステム

3.今後の予定・計画

技術研究組合NMEMS技術研究機構の組合員企業から順次プロジェクトの成果が実用化されることが期待されます。直近ではオムロン株式会社にて、本プロジェクトで開発した成果を活用した人感センサーを、2015年上期に、主として実証実験を目的とした販売開始を予定しています。

また、NEDOでは社会インフラ分野において、「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」を2014年度から開始し、的確にインフラの状態を把握できるモニタリングシステムの開発の中で、本成果の活用が図られます。

【用語解説】

※1 MEMS
Micro Electro Mechanical Systems/微小電気機械システム

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・機械システム部 担当:奥谷、品川 TEL:044-520-5241

技術研究組合NMEMS技術研究機構 研究企画部 担当:逆水 TEL:03-5809-3422

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:上坂、佐藤、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp