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Press Release

アルミ系廃棄物から水素を抽出し発電に利用するシステムの検証に着手

―実用化に目処、水素エネルギー利用の新たな可能性を探る―
2015年7月10日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
アルハイテック株式会社

NEDOプロジェクトにおいて、アルハイテック(株)は朝日印刷(株)の協力を得て、アルミ系廃棄物から水素を発生させ発電に利用するシステムの有効性検証に着手します。

リサイクルが困難であったアルミ系廃棄物から資源・エネルギーを取り出す画期的なものであり、システムの実用化への目処が立ったことから実動の工場での検証に移ります。装置は年内に完成させ来年から運用に入ります。

本システムを活用しアルミ系廃棄物900トンを処理した場合、約1,700千kWh(一般家庭4,600軒分の月間使用量)の省エネ効果が期待でき、水素社会構築に向けた水素エネルギー利用の新たな可能性拡大を目指します。

  • 図 アルミ廃棄物の新グリーンエネルギー利用システム

1.概要

アルハイテック株式会社(本社:富山県高岡市、代表取締役社長:綿貫勝介)は、リサイクルが困難と言われていたアルミ系廃棄物からアルミを分離し水素を発生させ、発電に利用する画期的なシステムを独自に開発し、2014年12月からNEDO「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において、本システムの有効性を産業界で検証するために乾留炉※1と水素発生装置の開発に取り組んできました。

今般、本システムの実用化への目処が立ったことから、アルハイテック株式会社は朝日印刷株式会社の協力を得て、朝日印刷株式会社が提供する工場敷地(富山市婦中町板倉地内)に規模を拡大した装置を新たに設置し、工場から出る紙・アルミ・プラスチックの複合材製品の端材を利用した実動工場におけるシステムの検証に着手します。装置は年内に完成させ来年から運用に入ります。

原料供給源に隣接した施設で処理を行うため、外部への搬送がなくなり、さらに余剰熱を工場で利用することで大きな省エネ効果が期待されます。アルミ系廃棄物900トンを処理した場合、原油換算で約450kL※2、電力量換算で約1,700千kWh※3(一般家庭4,600軒分の月間使用量※4)の省エネが可能となります。CO2排出削減量は年間約1,200トン※5(一般家庭2,680軒分の月間排出量※6)になります。これらの取り組みを通じて、水素社会構築に向けた水素エネルギー利用の新たな可能性拡大を目指します。

2.今回の成果

アルハイテック株式会社が開発したシステムは、アルミ付紙パックなど紙・アルミ・プラスチックの複合材廃棄物からパックパルパー(分離機)でパルプ成分を取り出し、残ったアルミ付プラスチックを乾留炉で加熱することでガス・オイルと高純度のアルミに分離し、さらに分離回収したアルミを水素発生装置で特殊アルカリ溶液※7と反応させ、発生させた水素を発電などに有効利用するというものです。

2014年12月からNEDOプロジェクトにおいて、アルミ廃棄物からの有用資源回収による省エネルギーシステムの有効性を産業界で検証するために、製品化までに規模の拡大等の技術的な課題が残る乾留炉と水素発生装置の開発及び実験機での試験を行ってきました。その結果、乾留炉では空気量、温度、処理時間を調整することでプラスチックの不完全燃焼によって生じる炭化物の付着が少ないアルミを回収することができるとともに、水素発生装置では化学反応による連続的な水素の供給を自動で制御することに成功しました。

  • 図 乾留炉 
    乾留炉      
  • 図 水素発生装置
    水素発生装置

3.今後の予定

朝日印刷株式会社での検証では規模拡大時の運転条件の明確化や資源・エネルギーの回収率向上等の課題に対して開発を行います。また、現存の実験機は個々の装置が独立して稼働している状況ですが、各装置が連動することが求められます。工場とも連動させられる形での運用を行い、十分な経済性を有し普及が見込まれることも検証します。

本プロジェクトによる検証をもとにして製品としての完成度を高め、導入顧客となり得る印刷工場、パッケージ工場、金属工場等に対し、装置販売、リース、運用支援、特殊アルカリ溶液の販売、装置メンテナンスを行う「システム販売」を展開していく予定です。

またNEDOは引き続き「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において、産業、家庭・業務、運輸部門等の幅広い省エネルギー技術に対して開発・導入シナリオの策定等から事業化まで切れ目のない支援を引き続き実施していきます。

【用語解説、出典】

※1 乾留炉
空気を絶った状態で加熱することで燃焼を抑え熱分解させる装置。

※2 アルミ系廃棄物900トンを処理した場合に、熱量換算で17,000GJ(ギガジュールは、ジュールの109倍)の省エネが期待され、原油換算量は本熱量と資源エネルギー庁「エネルギー源別標準発熱量一覧表」の標準発熱量38.28[MJ/L]から算出した想定値。

※3 ※1と同様に、熱量換算で17,000GJの省エネが期待され、電力換算量は本熱量と一般財団法人省エネルギーセンター「エネルギー使用量の簡易計算表」の換算係数9.97[GJ/千kWh]から算出した想定値。

※4 世帯当たり電気使用は、一般財団法人省エネルギーセンター「エネルギー使用合理化促進基盤整備事業報告書」の4,432[kWh/年・世帯]をもとに算出した想定値。

※5 CO2排出削減量は、資源エネルギー庁「エネルギー源別標準発熱量一覧表」の炭素排出係数19.00[tC/TJ]から算出した想定値。

※6 世帯当たりCO2排出量は、国立環境研究所「日本の温室効果ガス排出量データ」の約5,370[kgCO2/年・世帯]から算出した想定値。

※7 特殊アルカリ溶液
アルハイテック株式会社が独自に開発した水酸化ナトリウム水溶液に触媒を加えた溶液。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 省エネルギー部 担当:二上、杉村 TEL:044-520-5281

アルハイテック株式会社 常務取締役

本事業技術開発代表者:水木 TEL:0766-50-8109(代)
企画営業部長:亀谷 携帯:090-8266-6383
技術部担当:麻生 携帯:090-1639-8079

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp