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Press Release

米国テキサス州において省エネ実証事業を実施へ

―大容量のHVDC給電システムを導入、従来比15%の省エネ化目指す―
2015年8月12日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、米国テキサス州とデータセンターの省エネ化を実現する高電圧直流(HVDC)給電システム技術の普及に向けた協力を進めていくことに合意、基本協定書(MOU)を締結しました。

本事業では、テキサス大学オースチン校の先端コンピュータセンター(TACC)に大容量(500kW級)のHVDC給電システムを導入し、システムの実証を行うことで、従来比15%の省エネ化を目指します。

  • テキサス大学オースチン校における省エネ実証事業概要図
    テキサス大学オースチン校における省エネ実証事業概要図

1.事業概要

近年、ICT(Information and Communication Technology)の普及拡大や、モバイル端末の普及によるデータ通信量の急増により、データセンターの需要が増大しています。これに伴い、データセンターにおける給電容量、消費電力も急増しており、データセンターの省エネ化が世界的な課題となっています。こうした中、データセンターの省エネ化の革新的手法の一つとして、高電圧直流(HVDC)給電システム※1技術が注目を集めていますが、高い省エネ性能を有し、データセンターの大規模化に対応可能な大容量のHVDC給電システムは世界的には限られているのが現状です。

これまでNEDOでは、「グリーンネットワーク・システム技術研究開発プロジェクト」(2008~2012年度)を通じて、高い省エネ性能を有した大容量(500kW級)を実現するHVDC給電システム技術を実用化しています。

このような背景のもと、NEDOは、米国テキサス州とHVDC給電システム技術の普及に向け協力を進めていくことで合意し、基本協定書(MOU)を締結しました。本事業では、上記NEDOプロジェクトで培った大容量(500kW級)のHVDC給電システムをデータセンターに導入し、システムの省エネ性の実証を行うとともに、ICT分野において最大の市場である米国において、HVDC給電システムの普及促進を目指します。

具体的には、日本側は株式会社NTTファシリティーズ、米国側はテキサス大学オースチン校が参画し、同校内の先端コンピュータセンター(TACC)にHVDC給電システムを導入し、システムの省エネ性の実証を行います。HVDC給電システムとしては、大容量のHVDC電源装置、太陽光発電システム、リチウムイオン電池を組み合わせた直流給電システムを構築し(図参照)、DPPE(Data center Performance Per Energy)法※2を用いて本センターの効率性の測定を行い、HVDC給電システムの省エネ性能を評価するとともに、交流給電システムに対する優位性を示します。またこれに加え、再生可能エネルギーである太陽光発電システムとの連系として、HVDC給電システム内のHVDC電源装置を太陽光発電の発電電力の時間変動に併せた運転台数制御(モジュール毎のオン/オフ制御)を行い、給電システムの作動効率を最適化してさらなる省エネ効果を図り、システム全体として従来比15%の省エネ化を目指します。事業期間は2015年8月~2017年3月の約1年8ヶ月間、予算は約16億円を予定しています。

今後、技術・ビジネス性双方の観点からビジネスモデルの妥当性・事業性の検証も実施し、その有意性を確認した上で、米国におけるデータセンターにおける省エネ化へのソリューションとして、HVDC給電システムの普及促進を目指します。また、米国を軸に欧州・アジアへの展開も併せて検討していく予定です。

2.MOU調印式について

8月11日に同州内のテキサス大学オースチン校で行われた調印式には、NEDO植田理事、米国テキサス州Secretary of the State(TXSOS)のCarlos H. Cascos長官が出席し、本実証技術の普及推進に伴う協力体制を確立するため、基本協定書(MOU)に署名しました。

【参考:用語解説】

※1 高電圧直流(HVDC)給電システム
電力会社からの電力供給から(ICT)機器への給電課程の中で、AC-DC、DC-DCの変換回数を減らすことで、データセンター全体の電源変換効率を向上させる給電システム。整流器からICT機器への供給はDC380Vで供給されます。

※2 DPPE(Data center Performance Per Energy)法
グリーンIT推進協議会が推進しているデータセンター全体のエネルギー効率を表す新しい指標。DPPEを用いることで、IT機器も含めたデータセンター全体の効率性を客観的に評価することができる。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 省エネルギー部 担当:米津、沼田 TEL:044-520-5284

NEDO 国際部 担当:石川、岡田 TEL:044-520-5190

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、佐藤、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp