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Press Release

ユーザーニーズと市場化出口を明確にしたロボット活用技術を開発へ

―ロボットの導入業種と分野の拡大を目指す―
2015年8月12日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、ロボットの活用・普及の促進に向けて、ユーザーニーズと市場化出口を明確にしたロボット活用技術開発を実施します。

本事業では、ものづくり分野およびサービス分野を対象としたロボット活用技術を開発することにより、新たにロボットを導入する業種・分野、工程の拡大を図るとともに、システムインテグレータ(SIer)との協業やロボット活用事例の周知も併せて推進し、ロボットの市場規模の増大を目指します。

1.概要

現在、少子高齢化に伴う人手不足やサービス部門の生産性の向上という日本が抱える課題の解決の切り札としてロボットが注目されており、日本の成長産業として育成するためにも、市場におけるロボットの活用・普及を促進するための技術開発の必要性が高まっています。また、ロボット革命実現会議※1においてとりまとめられ、2015年2月に日本経済再生本部決定された「ロボット新戦略」※2では、技術開発や規制緩和により2020年までにロボット市場を製造分野で現在の2倍、サービスなどの非製造分野で20倍に拡大するといった数値目標が設定されるとともに、ロボット革命の実現に向けた政策が示されています。

これまで、ものづくりなどの製造分野では、自動車や電気電子産業を中心にロボット導入が進んできましたが、中堅・中小企業へのロボット導入が遅れているという課題があります。また、大企業の中でも、部品供給等の準備工程(段取り工程)等については、現在も人手による作業が中心となっており、ロボット導入が進んでいない産業分野や作業工程が数多く残されています。また、サービスなどの非製造分野は、日本におけるGDP・就業者数は約7割と高い割合を占める一方で、労働生産性の水準は諸外国に比べて低い状況にあります。こうした観点から、サービス産業においては、バックヤードなどにおける労働集約的な作業にロボットを積極的に活用することで、人がより高付加価値な作業に従事し、労働生産性の向上や、イノベーションによる高付加価値化を図ることが求められています。

こうしたロボット革命を目指す政策の実現および課題解決に向けて、今般、NEDOは、「ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト」(2015~2019年度)において、ものづくり分野およびサービス分野を対象としたロボットの活用・普及を促進するための技術開発を実施します。

本事業は、ロボット活用のユーザーニーズおよび市場化出口を明確にした上で、特化すべき機能の選択と集中に向けた新規技術を開発するテーマに対して、助成を行います。2015年度の事業費は15億円で、各研究開発テーマの実施期間は3年以内を予定しています。また、具体的な研究開発項目は以下のとおりです。

(1)ものづくり分野のロボット活用技術開発

不定形物(配線・ケーブル)、柔軟物(食品・ゲル)や認識困難物(光沢部品・透明部品)を対象とした作業、その他高度な対物作業のロボット化に係る技術開発を中心として、ものづくりを自動化したロボットシステムを開発します。

(2)サービス分野のロボット活用技術開発

入出荷場・倉庫内等におけるハンドリング作業、ピッキング・仕分け・検品等の対物作業、その他サービス分野の対物プロセスにおける高度作業のロボット化に係る技術開発を中心として、サービス分野における対物作業を自動化したロボットシステムを開発します。

本事業は、ロボットメーカーのみならず、ロボットを利用するエンドユーザーや、ロボットを現場導入するシステムインテグレータ(SIer)※3が共同で参画している点が大きな特徴です。ユーザーニーズに基づいて市場化出口を明確にすることで、開発されたロボットの早期製品化を促すほか、本事業で開発したロボット活用技術により、ものづくり分野およびサービス分野において今まで機械化・ロボット化が困難であった新たなシステム・プロセスを提案することで、新たにロボットを導入する業種・分野、工程の拡大を図ります。また、SIerとの協業やロボット活用事例の周知も併せて推進していくことで、ロボットの市場規模の拡大(2020年までにものづくり分野は6000億円から1.2兆円、サービスなどの非製造分野は600億円から1.2兆円)を目指します。

2.採択テーマと助成予定先

採択テーマと助成予定先は以下のとおりです。各テーマの詳細については、添付ファイルをご参照ください。

【1】ものづくり分野のロボット活用技術開発
テーマ名 助成予定先 開発するロボット(イメージ)
双腕多能工ロボットSIマザーシステム開発と実用展開 カワダロボティクス株式会社
柔軟物組立工程のロボット作業計画自動生成技術開発 富士通株式会社
ワイヤハーネス製造自動化の実用化技術開発 株式会社オートネットワーク技術研究所、住友電装株式会社
ダイレクトティーチング機能を搭載した多能工ロボット開発 スキューズ株式会社
産業ロボットの「目」と「脳」の高度化と普及化開発 株式会社三次元メディア、株式会社SUWAオプトロニクス
低コストなバラ積み自動車部品組付けシステムの開発 株式会社ヒロテック、シグマ株式会社、ダイキョーニシカワ株式会社、株式会社ワイテック
【2】サービス分野のロボット活用技術開発
テーマ名 助成予定先 開発するロボット(イメージ)
再生医療バックヤード対応ロボットシステムの開発 株式会社アニマルステムセル、株式会社デンソーウェーブ
マテハンシステムへのロボット組込・融合技術開発 トーヨーカネツソリューションズ株式会社
軽作業用パワーアシストスーツ(PAS)の試作開発と評価 アクティブリンク株式会社
食品工場のコンビニ向け配送仕分ロボットの開発 プライムデリカ株式会社、永進テクノ株式会社

3.今後の予定

本事業の追加公募を2015年9月上旬頃から開始予定です。

【用語解説】

※1 ロボット革命実現会議
2014年9月に内閣総理大臣決裁により設置された、ロボットを少子高齢化の中での人手不足やサービス部門の生産性の向上という日本が抱える課題の解決の切り札にすると同時に、世界市場を切り開いていく成長産業に育成していくための戦略を策定するための会議体。
※2 ロボット新戦略
ロボット革命実現会議において、約4ヶ月にわたる議論を踏まえ取りまとめられ、本年2月10日に日本経済再生本部決定されたもの(アクションプランとしての五カ年計画を含む)。
※3 システムインテグレータ(SIer)
ロボット活用やシステム構築を支援できるサービス事業者。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・機械システム部 担当:安川(優)、柿元、坂本(健)、福井 TEL:044-520-5241

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

資料

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