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Press Release

米カリフォルニア州でスマートコミュニティ実証プロジェクト

―EVの行動範囲拡大と蓄電池の送電・配電併用運転―
2015年9月11日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、米国カリフォルニア州の経済促進知事室(GO-Biz)と、同州内でスマートコミュニティ実証事業を実施することで合意、基本協定(MOU)を2件締結しました。

本MOUに基づき、米国カリフォルニア州の北部都市圏で電気自動車(EV)の行動範囲拡大を目的とした実証事業を行い、また、同州サンディエゴで蓄電池の普及展開に向けた送電・配電併用運転実証を行います。

これらの実証事業を通して、EVと蓄電池の普及を促進し、再生可能エネルギーの更なる普及とCO2削減を目指します。

1.概要

NEDOは、米国カリフォルニア州の経済促進知事室(GO-Biz)と、同州内でスマートコミュニティ実証事業を実施することで合意、基本協定(MOU)を2件締結しました。

本MOUに基づき、米国カリフォルニア州の北部都市圏で電気自動車(EV)の行動範囲拡大を目的とした実証事業を行います。また、サンディエゴで蓄電池の普及展開に向けた送電・配電併用運転実証を行います。

(1)EVの行動範囲拡大実証

米国は早くから電気自動車(EV)に注目し様々な取り組みを実施しています。特にカリフォルニア州は、2025年までに150万台のZEV(Zero Emission Vehicle)普及を目標に掲げ、州内で一定台数以上自動車を販売するメーカーに対して、一定比率のEVやプラグインハイブリッド車等の販売を義務付けること(ZEV規制)や、EV購入者は優先レーン※1の通行許可が得られるといった優遇措置を充実させ、現在全米において自家用EVの販売台数が最も多い州となっています。

しかしながら、EVの普及が進むカリフォルニア州においても、EVの利用は主に通勤や買い物など近距離移動に限られており、行動範囲は充電インフラが比較的整備されている都市内に集中しています。近距離移動に限られる大きな理由として、航続距離の制約というEV特有の心理的不安(Range Anxiety)があり、これがEV普及の大きな足かせになっていると言われています。

この度、NEDOは、米国カリフォルニア州の北部都市圏で、スマートコミュニティの重要な構成要素であるEVの行動範囲拡大を目的とした実証事業を開始します。実証事業の委託先として、日産自動車株式会社、Nissan North America, Inc.、兼松株式会社を決定しました。

本事業では、カリフォルニア州政府とEV充電事業者「NRG EVgo」の協力を得て、充電インフラの導入が十分でない都市間を繋ぐ幹線道路沿いに急速充電器を設置し、誘導サービスシステム等を構築・提供することでEVの行動範囲拡大に取り組みます。これら取り組みによるEVユーザの行動変化を分析することにより、都市間に設置する急速充電器や誘導サービスシステム等が持つEVの行動範囲拡大への有効性の実証、EV普及・利用拡大モデルの確立を目指します。

また、本実証成果が他の地域へ適用され、世界各地のEV行動範囲が広がることで、EV市場のさらなる拡大が期待されます。

  • <EVの行動範囲拡大実証>  本事業のイメージ図
    <EVの行動範囲拡大実証> 本事業のイメージ図

(2)蓄電池の送電・配電併用運転実証

米国カリフォルニア州は、高い再生可能エネルギー導入目標(2020年に33%)を掲げていますが、太陽光発電(PV)の増加による朝夕の急激な需要変動が観測される需要曲線(ダックカーブ)や電力品質劣化の問題が顕在化しつつあり、州法AB2514※2において大規模な系統用蓄電池導入義務を電力会社(ユーティリティ)に課すとともに、州内の各公益機関は協力して蓄電池ロードマップ(Energy Storage Roadmap)を策定し、蓄電池が適正な収入を得られるような制度設計が検討されています。

一方、レドックスフロー(RF)電池は、高速応答性が必要な用途(短周期)と長時間容量が必要な用途(長周期)のいずれにも適しており、再生可能エネルギー導入による諸問題の解決に有効と考えられます。

そこでNEDOは、カリフォルニア州サンディエゴにおいて、電力会社や系統運用機関と協力して米国最大となるRF電池の大規模な実証事業を実施します。実証事業の委託先として、住友電気工業株式会社を決定しました。

本実証事業では、電力会社の協力を得て、変電所内にRF電池を設置し、普及展開に向けて送電・配電併用運転による経済価値向上について検討することを目的としています。1年間の設備構築の後、2016年7月より配電網における複合的(多用途対応)運転を2年程度実施した上で上記問題を解決できることの技術実証と経済性の確認を行い、その後の2年間に送電網へ接続してアンシラリーサービス等参入時に経済価値を向上させる配電・送電併用の運用実証を目指します。

  • <蓄電池の送電・配電併用運転実証> 本事業のイメージ図
    <蓄電池の送電・配電併用運転実証> 本事業のイメージ図

これらの実証事業を通して、EVと蓄電池の普及を促進し、再生可能エネルギーの更なる普及とCO2削減を目指します。

【用語解説】

※1 優先レーン:HOV(High Occupancy Vehicle)レーン。

※2 州法AB2514:カリフォルニア州で系統におけるエネルギー貯蔵システムの導入を義務づける州法

2.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO スマートコミュニティ部

  • (1)EVの行動範囲拡大実証 担当:高田、澤(芳) TEL:044-520-5274
  • (2)蓄電池の送電・配電併用運転実証 担当:山川、松岡 TEL:044-520-5274

国際部 担当:中島、岡田 TEL:044-520-5190

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp