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Press Release

太陽光発電分野の技術開発成果を発表

―発電コスト14円/kWh実現に向け前進―
2015年10月26日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、太陽光発電システムの発電コストの低減を目指し、2010年度から2014年度まで「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」プロジェクトを実施しました。本プロジェクトでは、太陽電池の変換効率の世界最高記録更新など、目標に掲げていた発電コスト2020年14円/kWhの実現に資する多くの成果が得られました。

今回、これらの成果について10月28日(水)から10月30日(金)に開催される「平成27年度NEDO新エネルギー成果報告会」で発表します。

1.概要

NEDOは、「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」プロジェクトを実施し、発電コスト低減の観点から、太陽電池セルの構造最適化、太陽電池用部材、加工技術の開発等を行い、太陽電池の変換効率※1の世界最高記録の更新をはじめ、製造コスト低減に有効な新しい単結晶シリコン成長方法の開発、シリコン基板の効率的加工技術の開発、太陽電池の電極用銅ペーストの実用化など多くの成果が得られました。

今回、得られた成果を広く共有することを目的に、「平成27年度NEDO新エネルギー成果報告会」を開催します。本報告会では「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」プロジェクトの成果をはじめ、NEDOが実施した太陽光発電分野における開発成果を発表します。

2.開催の案内

開催:
平成27年度NEDO新エネルギー成果報告会
時間:
2015年10月28日(水) 9時30分~18時00分(太陽光発電分野、熱利用分野)
2015年10月29日(木) 9時30分~17時35分(太陽光発電分野、バイオマス分野)
2015年10月30日(金) 9時30分~18時10分(系統連系・海洋エネルギー分野、風力発電分野)
会場:
パシフィコ横浜 アネックスホール(〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1)
  • ○「平成27年度NEDO新エネルギー成果報告会」では、太陽光分野の成果のほか、熱利用分野、バイオマス分野、系統連系・海洋エネルギー分野、風力発電分野の成果についても発表します。
    成果報告会参加には事前登録が必要です。以下のリンクより登録ページにお進みください。

3.発表内容(発電コスト2020年14円/kWh実現に資する主な成果)

【結晶シリコン太陽電池】

(1)ヘテロ接合バックコンタクト形成技術により変換効率25.1%を達成

シャープ株式会社は、結晶シリコン太陽電池で世界最高レベルの変換効率25.1%を達成しました。今回の成果はヘテロ接合バックコンタクト統合技術の開発により、従来技術では困難であった高い開放電圧の実現と短絡電流の増加の両立により得られたものです。

10月28日 9時40分~10時00分
予稿集No.P1-1

図1.ヘテロ接合バックコンタクト
結晶シリコン太陽電池の構造図

(2)低価格単結晶シリコン結晶成長方法を開発

国立研究開発法人物質・材料研究機構、国立大学法人九州大学は、結晶シリコンインゴットの製造方法として、従来の引き上げ法と同等の変換効率を鋳造法で実現できるシングルシードキャスト法の開発に成功しました。

10月28日 9時40分~10時00分
予稿集No.P1-1

図2.シングルシードキャスト法
(a)作製したインゴット、(b)作製イメージ

(3)太陽電池向け100μm厚基板の効率的加工技術を開発

コマツNTC株式会社は、結晶シリコン太陽電池のコスト削減を目的に、結晶シリコンインゴットのスライス技術の高度化を進めました。今回、結晶シリコンを従来の180μm厚に対し約半分の100μm厚でスライスする技術を開発しました。また、カーフロス(切りシロ)についても2/3へ低減することに成功しました。

10月28日 9時40分~10時00分
予稿集No.P1-1

図3.結晶シリコンのスライス
(a)従来のスライスイメージ
(b)開発したスライス技術のイメージ

(4)結晶シリコン太陽電池用銅ペーストの実用化

ナミックス株式会社は、結晶シリコン太陽電池のコスト低減を目的に、銀電極に替わる安価な銅電極用ペーストの開発を行いました。銅電極は信頼性、効率ともに課題がありましたが、これらを克服し実用化に成功しました。

10月28日 10時10分~10時20分
予稿集No.P1-3

図4.銅電極を用いた結晶シリコン太陽電池

(5)両面電極ヘテロ接合太陽電池で世界最高効率25.1%を実用サイズで達成

株式会社カネカは、両面電極型ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池として世界最高となるセル変換効率25.1%※2を実用サイズである5インチのセルサイズ(152cm2)で達成しました。また、更に大型の6インチのセルサイズ(239cm2)でも24.5%※2を達成しています。

本成果は2015年10月23日にNEDO及び株式会社カネカが共同リリースしたものです。

10月28日 10時30分~10時40分
予稿集No.P1-5

図5.世界最高記録を達成した結晶シリコン太陽電池の構造図

【薄膜系シリコン太陽電池】

(1)薄膜系シリコン太陽電池の変換効率の世界最高記録を更新

太陽光発電技術研究組合は、薄膜系シリコン太陽電池の変換効率向上及び製造コスト低減を目指して、光劣化抑制技術、光閉じ込め技術などを開発しました。これらの要素技術の融合により、世界最高となる変換効率を達成しています(3接合セル:13.6%※2)。また、ここで開発した技術は、ヘテロ接合太陽電池にも活かされています。

10月28日 10時55分~11時05分
予稿集No.P1-6

図6. 3接合セルの構造図

【CIS系薄膜太陽電池】

(1)CdフリーCIS系薄膜太陽電池で世界最高変換効率20.9%を達成

ソーラーフロンティア株式会社は、カドミウム(Cd)を含まないCIS系薄膜太陽電池で、セレン化硫化法による光吸収層の改良と透明導電膜の高性能化によって2014年当時世界最高となる変換効率20.9%を達成しました。また、30cm角サブモジュールで変換効率18.3%を達成しました。

10月28日 11時15分~11時25分
予稿集No.P1-8

図7.世界最高効率20.9%を達成したCIS系薄膜太陽電池

【色素増感太陽電池】

(1)色素増感太陽電池で世界最高変換効率11.9%を達成

色素増感太陽電池コンソーシアム(シャープ株式会社等)は、色素増感太陽電池の主となる三要素(TiO2電極、色素、電解液)についてそれぞれ最適な材料を開発することにより、1cm角の色素増感太陽電池セルで世界最高となる変換効率11.9%※2を達成しました。また、低コスト化が可能な構造のモジュール化技術を開発し、5cm角サブモジュールにおいても世界最高となる変換効率10.7%※2を達成しました。

10月28日 13時35分~13時45分
予稿集No.P1-10

図8. 色素増感太陽電池の模式図

【有機薄膜太陽電池】

(1)有機薄膜太陽電池で世界最高変換効率11.0%を達成

有機薄膜太陽電池コンソーシアム(株式会社東芝等)は、長波長吸収効率の高い有機薄膜材料とそれに適した構造(逆構造)を開発することにより有機薄膜太陽電池セルで世界最高となる変換効率11.0%※2を達成しました。また、簡単なプロセスで均一な膜を形成できるメニスカス塗布法を開発することによりサブモジュールにおいても世界最高となる変換効率9.7%(5cm角)※2、モジュールにおいても8.7%(30cm角)※2を達成しました。

10月28日 13時55分~14時05分
予稿集No.P1-12

図9.(a)変換効率11.0%を達成した逆構造セル
(b)メニスカス塗布による有機薄膜形成法

【用語解説】

※1 変換効率
太陽電池の重要な性能指標の一つで、光のエネルギーを電気エネルギーに変換する割合。
※2 世界最高変換効率
2015年10月26日現在の太陽電池の変換効率、各実施者調べ。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:竿本、長谷川 TEL:044-520-5277

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp