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Press Release

ナノ炭素材料の産業応用に向け新たな実用化開発3テーマに着手

―革新的省エネ部材や量産技術の実用化加速―
2015年12月18日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、ナノ炭素材料の産業応用に向け、新たな実用化開発3テーマに着手します。

革新的省エネ部材として、構造材料用樹脂や水処理フィルターの新素材を開発します。さらに剥離グラフェンの量産技術開発により、高品質で安価なグラフェンの市場供給を目指します。

いずれも事業終了後、数年以内の実用化を目指します。

  • 概要図

1.概要

軽量・高強度・高導電率等の優れた特性を有するナノ炭素材料は、日本が世界をリードしている材料です。その優れた特性から、今までにない高い省エネルギー効果を持つ部材の創出が期待されています。NEDOでは、材料開発や安全性評価技術開発などを通じ、15年以上にわたりナノ炭素材料の産業化を推進しています。現在は、「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト」(2010~2016年度)において、ナノ炭素材料の早期実用化を目指した助成事業を実施しています。

今般、NEDOは、ナノ炭素材料の産業応用に向けた新たな実用化開発3テーマに着手します。

今回、本プロジェクトにおいて、これまでの情報電子分野向け部材開発に加えて、軽量・高強度複合材料(構造材料用樹脂)や水処理フィルターなどのカーボンナノチューブ(CNT) ※1を利用した革新的省エネ部材開発2テーマ、高品質な剥離グラフェン※2を安価に市場に供給することを目指した省エネ・低コストの剥離グラフェンの大量生産技術開発1テーマを採択しました。これらのテーマについて実用化加速に向けた開発を実施し、事業終了後数年内での実用化を目指します。

2.採択テーマと助成予定先

<ナノ炭素材料高強度複合材料の開発>

ナノ炭素材料を水に分散させるためには、分散を助ける添加剤がこれまでは必要でした。本法では分散剤を使用せず水にCNTを分散させ、それを樹脂に練りこんで、軽量・高強度な樹脂を開発します。

【助成予定先】 東洋樹脂株式会社

<ナノ炭素材料フレキシブル薄膜の開発>

CNTの中空孔を利用した、水ろ過膜を開発します。CNTの中空孔を利用したフィルターの実用化は世界初の試みです。この技術が開発できると、水ろ過膜だけでなく、様々な用途に展開が期待されます。

【助成予定先】 株式会社ユーテック

<ナノ炭素材料大量生産技術の開発>

グラフェンは将来大きな市場が予想されていますが、量産技術がまだ確立されていません。本法では、酸を使用せず、剥離グラフェンを大量生産する技術を開発します。高品質な剥離グラフェンを安価に市場に供給することを目指します。

【助成予定先】 マイクロ波化学株式会社

【用語解説】

※1 カーボンナノチューブ(CNT)
炭素原子だけで構成される直径が0.4~50nmの一次元性のナノ炭素材料です。その化学構造は、グラファイト層を丸めてつなぎ合わせたもので表され、層の数が1枚だけのものを単層カーボンナノチューブと呼びます。グラファイト層の巻き方(らせん度)に依存して金属的になったり半導体的になったりする特徴があります。
※2 剥離グラフェン
剥離グラフェンとはグラファイトを化学的或いは物理的に剥離し薄層化したものです。炭素原子が平面上で蜂の巣のような格子(六角形)状に並んだ構造をもっています。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 電子・材料・ナノテクノロジー部 担当:賀川、小久保、尾上、藤本 TEL:044-520-5220

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、佐藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp