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Press Release

パイロット規模の試験高炉が君津製鉄所内に完成、実証開始へ

―CO2の発生量削減技術と分離・回収技術の確立目指す―
2016年3月23日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOと、新日鐵住金(株)、JFEスチール(株)、(株)神戸製鋼所、日新製鋼(株)、新日鉄住金エンジニアリング(株)は、高炉からのCO2発生量を抑制するとともに、発生したCO2を効率的に分離・回収技術を開発するためのパイロット規模(容積12m3)の試験高炉を新日鐵住金(株)君津製鉄所構内に完成させました。

2016年度から、完成した試験高炉によりパイロット規模の総合試験を行い、2030年頃までにCO2排出量を約30%削減する技術を確立し、2050年までの実用化・普及を目指します。

  • 完成した試験高炉の写真
    完成した試験高炉

1.概要

鉄鋼業から排出されるCO2は、1.8億トン(2013年度)で、産業・エネルギー転換部門最大であり、日本のCO2排出量の14%を占めます。そのため、鉄鋼業からのCO2排出量の削減が求められていますが、日本の鉄鋼業は、1970年代以降、省エネルギー化に取り組み、現在では鉄鋼生産におけるエネルギー効率は世界一であり、さらなるCO2排出量削減には、革新的な製鉄プロセスの技術開発が必要です。

このような背景のもと、NEDOでは、CO2排出の抑制と、CO2の分離・回収により、製鉄所からのCO2排出量を約30%削減する技術の確立を目指した「環境調和型製鉄プロセス技術開発」を実施しています。本プロジェクトは、2008~2012年度で第Iフェーズ(STEP1)として、要素技術開発を実施し、2013年度から第IIフェーズ(STEP2)として、STEP1で得られた要素技術の開発成果と課題を反映させパイロットレベルでの総合実証試験を行う計画です。

今般、NEDOと、新日鐵住金(株)、JFEスチール(株)、(株)神戸製鋼所、日新製鋼(株)、新日鉄住金エンジニアリング(株)は、高炉からのCO2発生量を抑制するとともに、発生したCO2を効率的に分離・回収技術を開発するためのパイロット規模(容積12m3)の試験高炉を新日鐵住金(株)君津製鉄所構内に完成させました。

この試験高炉を用いて、コークス製造時に発生する高温の副生ガスのコークス炉ガス(COG※1)に含まれる水素と、このCOGを改質して水素を増量し、これらの水素を鉄鉱石の還元材として利用することでコークス使用量を削減し、高炉からのCO2排出量を削減する技術と、製鉄所内で未利用の排熱をエネルギー源として利用し、高炉ガス(BFG※2)からCO2を分離回収する技術の実証を行います。これまでに、高炉からのCO2排出削減については、主として水素還元などの送風操作により炭素消費原単位(高炉InputC)を削減し、さらには原料操作も含めた総合技術によるCO2排出削減を検討しています。また、CO2分離回収設備と連動を含む試験高炉の試験操業計画を策定しており、次年度以降、パイロット規模の総合試験を行う予定です。

これら取り組みにより、2030年頃までにCO2排出量を約30%削減する技術を確立し、2050年までの実用化・普及を目指しています。(実機化時の前提条件:〔1〕CO2貯留技術確立 〔2〕経済合理性成立)

  • 新たな製鉄プロセスの概念図
    新たな製鉄プロセスの概念図

事業期間:
2013年度~2017年度
予算規模:
約160億円
委託先:
新日鐵住金(株)、JFEスチール(株)、(株)神戸製鋼所、日新製鋼(株)、新日鉄住金エンジニアリング(株)
施設規模:
容積12m3(実高炉に対し、数百分の1)

【用語解説】

※1 COG(コークス炉ガス)
Coke Oven Gasの略。石炭をコークス炉で乾留した時に発生するガス。
※2 BFG(高炉ガス)
Blast Furnace Gasの略。窒素やCO2を主成分とする高炉から排出されるガス。

2.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 環境部 担当:谷山、在間 TEL:044-520-5293

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:鈴木、髙津佐、佐藤、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp