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Press Release

福祉用具開発3テーマに実用化支援

―高齢者、心身障害者、介護者のQOL向上に貢献へ―
2016年7月20日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫

NEDOは、歩行補助システムなど福祉用具の新たな3つのテーマについて、実用化支援を行います。福祉用具の開発時のリスクを低減し、高齢者、心身障害者および介護者のQOL向上に貢献することを目指します。

1.概要

日本は、高齢社会の急速な進展に伴い、心身の機能が低下し、日常生活を営むのに支障のある高齢者や心身障害者の自立を促進するとともに、介護者の負担の軽減を実現する福祉用具の開発が強く求められています。しかし、福祉用具は、高齢者や心身障害者および介護者がユーザーであり、使用用途や身体の障害度合いが人によって異なり、個別用具ごとのマーケットが小さい多品種少量生産の製品であるため、事業者は大きな開発リスクを抱えているのが現状です。

このような背景のもと、NEDOは1993年以降、「課題解決型福祉用具実用化開発支援事業」において、福祉用具の開発を行う企業等に対して実用化支援を継続的に実施しています。

今般、NEDOは、歩行補助システム、ALS※1患者等向け非接触型スイッチ、英語対応点字翻訳システムの開発の新たな3テーマに助成を行い、高齢者、心身障害者および介護者のQOL向上に貢献することを目指します。

2.採択テーマと助成予定先

<あらゆる状況に歩行補助できるMy地図端末機器の開発>

視覚障害者の自立歩行を補助するため、全地球航法衛星システム※2と準天頂衛星システム※3とを組み込んだ高精度位置情報検出機器を用いて、独自の地図データベースとして歩行経路の目印情報をクラウドに登録することにより、使用者専用の地図データベースを作成し、歩行を補助するシステムを開発します。歩行誘導は骨伝導ヘッドホンによる音声案内およびアイウェアに取り付けた小型カメラによる信号機の色判断システムを基本とし、登録ルートから外れた時には、警告音を鳴らし、定めたルートに戻れるように誘導できることを特徴とします。

【助成予定先】
株式会社ニュージャパンナレッジ、株式会社フォルテ

  • スマートフォン、骨伝導スピーカー等を用いた歩行補助システム

<視線や目・瞼の動きで意思伝達装置等を操作するスイッチの開発>

従来におけるALS患者等向けの意思伝達装置・コール機器・環境制御装置を視線により操作するスイッチは、眼瞼下垂※4・眼振※5・瞳可動域が小さいなどの症状により、視線操作が困難でした。本研究開発では、視線の検出精度向上の為に患者単位でパラメータ調整を行う機能を追加するとともに、目やまぶたの動きを画像解析する機能を新たに加え、患者毎に動きの大きさを測定し、動きの大きさからON/OFFが調整できる非接触型スイッチの開発を行います。

【助成予定先】
株式会社エンファシス

  • スイッチのイメージと設置例

<マルチデバイス・英語対応点字図書製作システムの開発>

障害者差別解消法が施行され、合理的配慮の観点から行政機関のみならず民間の事業者も「点字」で情報提供を行うことは非常に重要になってきます。従来の表記方式である「アメリカ式表記(EBAE)」から、「統一英語点字(UEB)※6」への変換機能を開発し、再点訳することなく読者へ提供することで表記方式の違いによるバリアを取り除くとともに、点訳作業の負担軽減を目指します。

【助成予定先】
テクノツール株式会社

  • 点字による英語教材の翻訳に有効なシステム

【用語解説】

※1 ALS(Amyotrophic lateral sclerosis)
筋萎縮性側索硬化症。身体を動かすための神経系(運動ニューロン)が変性し、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせ、力がなくなっていく病気。
※2 全地球航法衛星システム
航空機から3つの航法衛星(GNSS用周回衛星)を捕捉することで各衛星からの距離を得るとともに、4つ目の航法衛星からの信号で時刻合わせを行い、航空機の3次元での飛行位置を得ることができる航法システム。
※3 準天頂衛星システム
準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムで、準天頂衛星からGPSと同一周波数・同一時刻の測位信号を送信することにより、GPSと一体となって使用し、高精度な測位をすることができるサービス。
※4 眼瞼下垂
顔を正面に向けた時にまぶたが瞳孔の上まで上げられない状態。
※5 眼振
律動的に反復する眼球運動のことで、ゆっくりした動き(緩徐相)と速い動き(急速相)とを反復する衝動性眼振と、緩徐相と急速相の区別のはっきりしない振子様眼振とに分類される。
※6 統一英語点字(UEB)
英米を含む英語圏8カ国で、統一された英語表記法。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO イノベーション推進部 担当:池田、竹内 TEL:044-520-5175

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、佐藤、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp