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Press Release

不眠症治療用スマートフォンアプリの臨床試験を開始

―認知行動療法による不眠症治療の普及に向けて―
2016年9月12日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOの起業家候補(スタートアップイノベーター)支援事業において、サスメド(株)は認知行動療法に基づいた不眠症治療用スマートフォンアプリの臨床試験を、公益財団法人神経研究所附属晴和病院と社会医療法人芳和会くわみず病院と連携して、9月から開始します。このアプリの有効性を検証することで、薬剤に依存しない認知行動療法による不眠症治療の普及を促進します。

  • アプリ画面
  • データ解析結果

1.概要

NEDOは、将来のメガベンチャーを創出することを目的に、研究開発型ベンチャーの起業家候補(スタートアップイノベーター)支援事業※1を実施しています。

このNEDOの事業において、日本における睡眠薬の使用量が諸外国に比べて多いという問題意識のもと、サスメド株式会社はDeSCヘルスケア株式会社と共同で、非薬物療法である認知行動療法※2のアルゴリズムを用いたスマートフォンアプリの開発を行い、その睡眠改善効果を検証します。サスメド(株)は主にアプリ全体の製品企画と医学的知見の活用を担い、DeSCヘルスケア(株)はユーザーインターフェースおよびプログラムの開発を担当します。

さらにサスメド(株)では、治療用ソフトウェアを医療機器として製造販売するために必要な申請手続きを行い、将来的に本アプリが医療機器として不眠症治療に利用されることを目指します。

なお、本事業における最初の取り組みとして、公益財団法人神経研究所附属晴和病院および社会医療法人芳和会くわみず病院と連携し、本アプリのプロトタイプを用いた睡眠改善効果検証のための臨床試験を9月から開始します。

2.事業背景

日本人の5人中1人に睡眠障害の疑いがあり、睡眠障害による日本の経済損失は年間3.5兆円に上ると試算されています。不眠症は抑うつ症状などの精神疾患や、高血圧症、糖尿病のリスク因子となることが知られており、適切な不眠症治療とその予防は種々の疾患リスクを抑えるとともに、経済的観点からも生産性向上を考える上で重要な課題です。

不眠症に対する治療法としては、米国国立衛生研究所の指針では認知行動療法が第一選択とされ、安易な睡眠薬の処方は依存形成などの副作用につながるため控えるように警鐘が鳴らされています。

一方、日本における睡眠薬の処方量は先進国の中で群を抜いて多く、睡眠薬として用いられるベンゾジアゼピン系薬剤の人口当たりの処方量は米国の約6倍に上ることが国連の国際麻薬統制委員会から指摘されてきました。厚生労働省も2014年度からベンゾジアゼピン系薬剤の多剤処方時の診療報酬を改定し、処方減に取り組んでいます。薬剤に依存しない不眠症の治療法の普及は、疾病リスクの低減や生産性向上につながるとともに、治療法の選択肢を広げる効果が期待されています。

【用語解説】

  • ※1 起業家候補(スタートアップイノベーター)支援事業
    本プログラムは、具体的な技術シーズを活用した事業構想を有する起業家候補(スタートアップイノベーター。以下「SUI」という。)を支援するものです。公募で採択されたSUIが、ビジネスプラン作成、市場調査、試作品設計・製作等、自らの研究開発型ベンチャーの立ち上げに必要な活動を、事業カタライザー(起業・事業化に向けた指導を行う専門家)によるハンズオン支援のもとで行います。
  • ※2 認知行動療法
    複数の技法を組み合わせ、個人の認知や行動に働きかけることで病態を改善する治療法。数多くの医学研究により、その有効性が実証されています。治療中止後の長期的効果としては睡眠薬に勝るとされ、米国国立衛生研究所による不眠症治療のガイドラインでは、認知行動療法が第一選択とされています。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO イノベーション推進部 担当:西田、英、河内 TEL:044-520-5173

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp