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Press Release

銅線占積率90%以上の高密度な革新的省エネコイルの量産技術を開発

―各種モーターの小型・高出力化に貢献―
2016年10月20日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
株式会社アスター

NEDOのプロジェクトにおいて、(株)アスターはモーターの小型・高出力化を実現する銅線占積率90%以上の高密度な革新的省エネコイルを開発し、さらにその量産技術を確立しました。

開発したコイルは、抵抗値が少なく放熱性に優れており、本コイルをモーターに搭載することで従来のモーターと比較して約5%の消費エネルギーの削減が期待できます。本技術により製作するコイルを各種モーターに提供して世界における消費電力の削減を目指します。

  • 図:アスター製締結コイル(ASTコイル)量産技術開発概要
    アスター製締結コイル(ASTコイル)量産技術開発概要

1.概要

現在、モーターは家電機器や産業機械、自動車、航空機など幅広い分野で使われており、世界の消費電力の50%以上がモーターによるとされています。モーターの効率化は消費電力量削減に直結するため、高密度コイルの研究開発が進められていますが、高密度にすると導体抵抗値の増加による発熱量の増加・熱の抱き込み・絶縁被膜の損傷といった様々な課題があるため、かえって効率が悪くなることがあります。このような課題を解消するため、NEDO「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」※2において、株式会社アスターは、省エネルギー化を実現する革新的な高密度コイルの実現に向けた技術開発を行ってきました。

今般、(株)アスターは従来とは異なる新たな製造方法を用いて革新的な省エネルギーを実現する高密度コイルを開発、さらにその量産技術の確立にも成功しました。

今回開発した高密度コイルは、独自の締結技術を活用したASTコイルで、自由度の高い形状設計が可能。モーターコアの形状にマッチした理想的なコイルを形成でき、モーターの小型化と高出力化を可能にします。また(株)アスターは、コイルの締結条件の検証や高精度化・高速化に関与する要素の絞り込みを実施することで、本成果を量産技術へフィードバックし、量産試作機を完成させました。さらに本量産試作機を用いた量産性検証も実施し、試作したコイルの性能評価では銅線占積率90%以上の高密度とともに、従来型モーターの1/2サイズで同出力実現も達成しています。抵抗値が少なく、放熱性に優れたASTコイルは効率が向上し、同じ性能のモーターと比較して約5%の消費エネルギーの削減(省エネ)が期待されます。さらに、自動車や航空機等の輸送機へ搭載した場合は、軽量化による燃費向上も期待できます。

  • 写真:量産性検証の様子
    量産性検証の様子
  • 図:量産試作機での試作コイルの性能評価結果
    量産試作機での試作コイルの性能評価結果

2.今後の予定

今後、生産したテストコイルを組み込んだ小型モーターを試作し、ベンチマーク評価を行っていく予定です。また、本事業終了予定の11月末までにモーターとしての効率改善を確認し、その後継続して実用化を目指した開発を行い、モーターメーカーへの量産品供給を2018年頃から行えるよう事業化を進めます。今回開発した技術は、モーター(動力)分野だけでなく、発電用途へも応用可能であり、さらなる省エネルギーと高効率発電に向けた展開を進める予定です。

なお、今回開発した成果は、10月26日から28日に東京ビッグサイトで開催される「NEDO省エネルギー技術フォーラム2016」において、ASTコイル、高密度・高出力モーター試作品を展示予定です。

詳細については、以下のWebサイトをご参照ください。

【用語解説】

※1 占積率
モーター内部を導体が占める割合。これが増えるほど効率が上がるとされている。
※2 戦略的省エネルギー技術革新プログラム
本プログラムは2012年度より実施しており、「省エネルギー技術戦略」で掲げられた産業、家庭、業務、運輸部門等における日本の省エネルギーに寄与する14の重要技術を中心に、中小・ベンチャー企業、大手企業、研究機関などに対して、開発・導入シナリオの策定等から事業化まで切れ目のない支援を行うものです。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 省エネルギー部 担当:勢藤、楠瀬 TEL:044-520-5281

株式会社アスター 第二開発技術課 古屋 TEL:0182-24-1377 E-mail:info@ast-aster.com

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp