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Press Release

EUVパイロット光源で世界最高水準の発光効率5%を実証

―最先端半導体製造ラインの実現に大きく前進―
2016年10月21日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
ギガフォトン株式会社

NEDOプロジェクトにおいて、ギガフォトン(株)は最先端半導体製造ラインでの稼働を想定したEUVスキャナー用レーザー生成プラズマ光源を完成させ、出力105Wの安定運転と、世界最高水準である発光効率5%を実証しました。

この運転実証の成功により、最先端半導体製造ラインの実現に大きく近づきました。

1.概要

IT機器の高性能化・省電力化・低コスト化、さらには、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT社会の実現のためには、半導体をより小さくする微細化技術が求められており、その鍵を握るのがEUV光源の実用化と言われています。

ギガフォトン株式会社は、これまでNEDOの助成等で、極端紫外線(EUV)スキャナー※1用レーザー生成プラズマ(LPP)光源における、20μm以下の微小ドロップレット※2の供給技術、固体レーザーによる改良型プリパルスレーザー※3と新たに導入した三菱電機株式会社製高周波放電励起式三軸直交型CO2レーザー増幅器※4による高光品位メインパルスレーザー※5の組み合わせ、エネルギー制御技術の改善、および同社独自の技術である磁場を使ったデブリ除去技術※6を開発してきており、2016年7月にはプロトタイプ機において出力130W以上の連続運転を達成しました。

今回、ギガフォトン株式会社は、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム事業」で、EUVスキャナーに組み込むことを前提に設計され、かつプロトタイプ機で実証した新技術を組み込んだ半導体量産対応仕様のシステムであるパイロット光源を完成させました。その結果、このパイロット光源にてプロトタイプ機よりも遥かに高いデューティー比※795%で、出力105Wの安定運転、世界最高水準の発光効率※85%を実証しました。これは半導体生産のスループット※9を決定する平均出力で100Wに相当します。この運転実証に成功したことは、半導体のさらなる微細化を可能とする最先端半導体製造ラインの実現に大きく近づいた証です。

  • 図: 出力105Wの安定運転
    図 出力105Wの安定運転

2.今後の予定

ギガフォトン株式会社では、引き続き最先端半導体製造ラインへの適用を目指して高稼働率、高信頼性EUV光源の開発を進めていきます。またこの高出力検証機は、省電力CO2レーザーの導入とEUV光源の発光効率の向上を実証し、省エネルギー化を目指します。

【用語解説】

※1 極端紫外線(EUV)スキャナー
極端紫外線(EUV:Extreme Ultra Violet)を用いた半導体用次世代露光機
※2 微小ドロップレット
EUV発光のための燃料となるスズ液滴
※3 プリパルスレーザー
スズ液滴を分散させるためにEUV発光前に照射するレーザー
※4 CO2レーザー増幅器
共振器を持たず入力されるレーザー光のエネルギーを増幅する装置
※5 メインパルスレーザー
EUV発光させるために照射するレーザー
※6 デブリ除去技術
EUV発光時に生成される副生成物を除去する技術
※7 デューティー比
発光期間の運転時間に対する割合
※8 発光効率
投入するCO2レーザーエネルギーと出力されるEUV光エネルギーの比率
※9 スループット
単位時間当たりの処理能力

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 省エネルギー部 担当:立岩、岩坪 TEL:044-520-5281

ギガフォトン株式会社 経営企画部 担当:松井 TEL:0285-37-6931

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、髙津佐、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp