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Press Release

酸素吹IGCCの実証試験を開始

―「大崎クールジェンプロジェクト」の第1段階がスタート―
2017年3月30日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
大崎クールジェン株式会社

NEDOは、大崎クールジェン(株)を助成先として、究極の高効率石炭火力発電技術の確立を目指す石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)実証事業「大崎クールジェンプロジェクト」の第1段階として酸素吹石炭ガス化複合発電(IGCC)の実証試験を開始しました。

実証設備は、広島県大崎上島町に建設。ガス化炉で石炭粒子をガスにして1300℃級のガスタービンを動かすと同時に、そこから発生する熱を利用して蒸気タービンを動かして複合的に発電します。実証試験では、1500℃級ガスタービンを採用する商用機での送電端効率約46%の達成に向けて石炭火力発電システムの性能や信頼性、経済性などの実証に取り組みます。

  • 図1 石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)実証事業の概要
    図1 石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)実証事業の概要

1.概要

NEDOは、石炭火力発電から排出される二酸化炭素(CO2)を大幅に削減するため、究極の高効率石炭火力発電技術である石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)※1とCO2分離・回収を組み合わせた革新的な低炭素石炭火力発電の実現を目指す「石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)実証事業」に取り組んでいます。

IGFC実証事業は、酸素吹IGCC※2実証(第1段階)、CO2分離・回収型酸素吹IGCC※3実証(第2段階)、CO2分離・回収型IGFC※4実証(第3段階)で構成(図1参照)され、大崎クールジェン株式会社※5が実施主体となって、中国電力株式会社の大崎発電所構内に実証試験設備を建設し、2015年度から試運転を進めてきました。実証試験では、ガス化炉で石炭粒子をガスにして1300℃級のガスタービンを動かすと同時に、そこから発生する熱を利用して蒸気タービンを動かして複合的に発電し、石炭火力システムとしての性能や運用性、信頼性、経済性についての実証を実施し、1300℃級ガスタービンを適用した酸素吹IGCCにおいて送電端効率※640.5%(高位発熱量基準)の達成を目指します。この目標を達成することで、1500℃級ガスタービンを採用する商用機(石炭処理量2,000~3,000t/d)で送電端効率約46%達成のめどが得られます。

2.実証試験の内容

(1)目的: 
酸素吹IGCCの実用化に向けた石炭火力システムとしての性能や運用性、信頼性、経済性等の実証
(2)実施期間: 
2017年3月28日~2019年2月28日
(3)実施場所: 
中国電力(株)大崎発電所構内

(4)実証試験目標:

  • 図:実証試験目標

(5)実証試験スケジュール:

  • 図:実証試験スケジュール
  • 図2 酸素吹IGCC実証試験発電所(中国電力(株)大崎発電所構内)
    図2 酸素吹IGCC実証試験発電所(中国電力(株)大崎発電所構内)

3.今後の予定

本実証試験の目標を達成することで、第1段階終了後となる2020年頃には、1500℃級ガスタービンを採用する商用機(石炭処理量2,000~3,000t/d)で送電端効率46%~50%(高位発熱量基準、現状※740%程度)、CO2排出原単位※8 650g-CO2/kWh程度(現状より20%程度削減)を達成のめどが得られます。

第2段階CO2分離・回収型IGCC実証(2016~2020年度)は、2019年度中の実証試験開始を目指し、現在、試験設備のプロセスや構成機器の仕様、工事計画などの各種検討を進めています。酸素吹IGCCにおいて、CO2回収時のエネルギーロスによる発電効率の低下という課題に対し、CO2を90%回収(全量ガス処理)しながらも、現状の微粉炭火力と同等レベルである送電端効率40%程度(高位発熱量基準)を達成する見通しを得ることが目標です。

さらに、第3段階(2018~2021年度)として、CO2分離・回収型IGCC設備に燃料電池を組み込んだCO2分離・回収型IGFCの実証事業を計画しています。その後の大型化および商用機に向けた技術開発、 別事業のガスタービン燃料電池複合発電の技術開発等の成果を活用して、2025年頃の大型IGFCの技術確立を目指し、送電端効率55%(高位発熱量基準)、CO2排出原単位590g-CO2/kWh程度(現状より30%程度削減)を達成する見通しを得ることが目標です。

【用語解説】

※1 石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)
石炭をガス化して、燃料電池、ガスタービン、蒸気タービンの3種類の発電形態を組み合わせて複合発電を行う発電方式のこと(Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle)。
※2 酸素吹IGCC(酸素吹石炭ガス化複合発電)
石炭をガス化して、ガスタービン、蒸気タービンの2種類の発電形態を組み合わせて複合発電を行う発電方式(Integrated Coal Gasification Combined Cycle)には、石炭ガス化炉に酸素を供給する酸素吹方式と空気を供給する空気吹方式があります。CO2分離・回収設備と組み合わせる場合には、酸素吹方式の方がエネルギー効率的に優れているとされています。
※3 CO2分離・回収型酸素吹IGCC
CO2分離・回収設備を備えた酸素吹IGCCのこと。
※4 CO2分離・回収型IGFC
CO2分離・回収設備を備えたIGFCのこと。
※5 大崎クールジェン株式会社
中国電力株式会社と電源開発株式会社の共同出資により設立。事業内容は、酸素吹IGCC技術およびCO2分離・回収技術に関する大型実証試験設備の建設および試験の実施。本社は、広島県豊田郡大崎上島町。
※6 送電端効率
発電効率には、発電端効率と送電端効率があり、発電端効率は発電機端子で計測した電力量を用い、送電端効率は発電機端子で計測した電力量から所内電力(発電に必要な全補機動力)を差し引いた電力量を用います。
※7 現状
現在の石炭火力発電方式の主流である微粉炭火力発電方式をいう。微粉炭火力は、石炭を細かい粒子状に粉砕してボイラで燃焼させ、発生した蒸気でタービンを駆動し、発電する方式。
※8 CO2排出原単位
1キロワット時(1kWh)の電気を発電したときのCO2排出量。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 環境部 担当:高橋、中元、在間 TEL:044-520-5293

大崎クールジェン(株) 総務グループ 担当:下手、椎屋 TEL:0846-67-5250

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、髙津佐、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp