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Press Release

フェロコークスを活用した製銑プロセスの技術開発に着手

―2022年頃までにエネルギー消費量10%削減を目指す―
2017年5月19日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、一般炭と低品位鉄鉱石からつくられるフェロコークスを活用した省エネ効果とCO2削減効果の大きい製銑プロセス技術開発に着手します。

この技術開発では、フェロコークス製造量300トン/日規模の中規模製造設備の実証研究を経て、フェロコークス製造技術を確立し、2022年頃までに製銑プロセスのエネルギー消費量10%削減を目指します。

  • プロセス開発事業のイメージ図
    図 フェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業イメージ図

1.概要

鉄鋼業は国内の産業部門の中でCO2排出量の約44%、国全体の約14%を占める(2014年度)最大のCO2排出業種であり、その中でも特にエネルギー使用量とCO2排出量の多い高炉法による製鉄プロセスでは地球温暖化対策として抜本的な省エネルギー化とCO2排出量削減が求められています。

NEDOでは、2013年度より環境調和型製鉄プロセス技術開発の水素還元型製鉄プロセス技術開発にて、高炉法による製鉄所のCO2発生量を抜本的に削減し、地球温暖化防止に貢献するため、高炉からのCO2の発生量を減少させる技術や発生したCO2を分離・回収する技術の開発を目的にプロジェクトを進めています。今般、新たにフェロコークス活用製銑プロセス技術開発を開始します。本技術は、製鉄プロセスの一部である製銑プロセスにおいて、一般炭と低品位鉄鉱石の混合成型・乾留※1により生成されたフェロコークス中に含まれる金属鉄の触媒作用を活用して、高炉内の還元効率を飛躍的に高めることで、従来よりも高炉内に入れるコークス量を削減することができる省エネルギー技術です。

具体的には、実機設備(フェロコークス製造量1500トン/日)の前段階である、300トン/日規模の中規模製造設備を建設し、混合成型・乾留の実証研究を行い、フェロコークス製造技術を確立します。また、製造したフェロコークスを溶銑製造量10000トン/日の実高炉内に連続的に長期に入れたときの高炉の還元材比※2や操業安定性(特に通気性)に及ぼす影響を確認します。また、製銑プロセス全体の物質・エネルギーバランスから省エネルギー効果を評価し、さらに数値シミュレーション等を活用することで、製銑プロセスのエネルギー消費量10%削減を目指します。

2.事業の内容

【1】事業名

環境調和型製鉄プロセス技術の開発/フェロコークス活用製銑プロセス技術開発

【2】事業総額・助成率・期間

201億円予定・助成率1/2・2017~2021年度

【3】研究開発項目と助成先

【研究開発項目】
(a)中規模設備での製造技術実証
  • ラボ・中規模設備での比重・粒度が異なる原料の均一混合技術の確立
  • 複数本羽口を有する中規模設備での乾留技術の確立
(b)一般炭、低品位原料使用時の製造技術実証
  • ラボ・中規模設備での一般炭、低品位鉄鉱石を使用した成型技術の確立
(c)実高炉でのフェロコークス長期使用、効果検証
  • 長期操業試験を行い、高炉操業への影響評価、確認
(d)新バインダー強度発現実証
  • 固形および液体新バインダーの開発
(e)フェロコークス導入効果の検証
  • 製銑工程における省エネ効果約10%の検証
【助成先】
  • JFEスチール株式会社
  • 株式会社神戸製鋼所
  • 新日鐵住金株式会社

【用語解説】

※1 乾留
空気を遮断して木材、石炭、ピッチ、油頁岩などの個体有機物を加熱分解する操作をいう。(出典:「鉄鋼実務用語辞典」)
※2 還元材比
高炉での還元材の使用原単位を表す指標として「還元材比」(RAR)が用いられているが、還元材比は還元材の種類にかかわらず、溶銑1トンあたりの還元材(コークス、粉炭(PC)など)の重量合計で表されている。還元材は種類によって成分が異なり、重量には還元に寄与しない灰分も含まれている。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 省エネルギー部 担当:田村、武田 TEL:044-520-5281­

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、髙津佐、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp