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Press Release

低コストで高効率な金属資源リサイクルの技術開発に着手

―都市に眠る廃製品の金属資源活用を目指す―
2017年6月19日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫

NEDOは、小型家電などの廃製品からレアメタルなどの金属資源を有効に活用するため、低コストで高効率なリサイクルを可能とする革新的な基盤技術を開発します。廃製品の解体・選別の自動化、製錬の低コスト化、動脈産業と静脈産業の連携強化などを促進することで、従来リサイクルビジネスが成立しにくかった種類の金属を含めて、都市鉱山の資源活用を目指します。

1.概要

小型家電などの資源価値の高い廃製品に含まれる、鉄、アルミ、銅など産業上の主要な金属(ベースメタル)や、金、銀、白金などの貴金属については、既に国内でリサイクルビジネスが成立しています。一方、レアメタル(希少金属)※1、特に希土類元素については価格が下落※2した現在、コストや手間が大きいため、国内で経済的なリサイクルビジネスの成立は困難と言われています。そのため、レアメタルは、リサイクルコストの安いアジアなどの外国への流出や、他の廃棄物から分別されないままセメント材料等への再利用など、国内で金属資源として再利用されていない状況にあります。

そこでNEDOは、電気・電子機器の廃棄物をリサイクルして、そこからベースメタル、貴金属、レアメタル等を取り出し再利用する、いわゆる都市鉱山※3の資源活用のため、さまざまな金属資源を対象とした効率的なリサイクルを可能とする基盤技術の研究開発事業「高効率な資源循環システムを構築するためのリサイクル技術の研究開発事業(2017~2022年度)」を実施します。これにより、廃製品の解体・選別の自動化、製錬※4の低コスト化、動脈産業※5と静脈産業※6の連携強化などを促進し、都市鉱山の資源活用を目指します。

2.研究内容

有用金属のリサイクルを実現するための課題は、コストや手間の大きさや、動脈産業と静脈産業の連携不足等の社会システムの非効率さにあると考えられます。そこで、本事業では、4つの研究開発項目を設定しています。このうち、コストや手間を小さくするための技術開発(1)~(3)を今年度より開始します。動静脈連携等の社会システムの効率化を目指すシステム開発(4)については、2020年度の開始を予定しています。これらの技術基盤を構築することにより、2022年度以降に、廃製品から金属をリサイクルするコストを、天然資源から金属を生産するコストと競合可能とすることを目指します。

  • (1)廃製品自動選別技術開発
    使用済み電子機器の種類を識別し、選別、解体まで自動化するシステムを開発
  • (2)廃部品自動選別技術開発
    廃部品を単体分離し、製錬原料として自動選別するシステムを開発
  • (3)高効率製錬技術開発
    選別された廃部品を原料として、多品種少量金属種の資源化を高効率化するために、希土類元素を対象とした高精密な分離技術を開発
  • (4)廃製品リサイクルの動静脈情報連携システムの開発
    国内マテリアルフロー・製品フロー分析、リサイクルすべき製品・マテリアルの動的な評価を実施し、また製品の含有マテリアル・資源配慮設計情報を管理する情報システムを構築

3.委託予定先

国立研究開発法人産業技術総合研究所、大栄環境株式会社、佐藤鉄工株式会社、株式会社リーテム、DOWAエコシステム株式会社、株式会社三徳、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、国立大学法人京都大学、国立大学法人大阪大学、国立大学法人佐賀大学

【用語解説】

※1 レアメタル(希少金属)
地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、現在工業用需要があり今後も需要があるもの。
※2 価格が下落
2000年代半ばから多くのレアメタル価格が高騰。2011年をピークに下落した。
※3 都市鉱山
電気・電子機器等の廃棄物を資源とみなした呼称。
※4 製錬
鉱石やその他の原料から目的とする金属を抽出すること。
※5 動脈産業
天然資源を採取・加工して有用な材を生産・流通する諸産業。
※6 静脈産業
社会に排出された廃棄物の回収・選別から、素材・製品へのリサイクルを担う諸産業。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 環境部 担当:服部(安)、半沢、阿部(正) TEL:044-520-5251­

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp