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Press Release

ボーリングマシンの自動化・低騒音化技術を開発、商品化へ

―地中熱利用システムの導入コスト低減に貢献―
2017年6月27日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
株式会社東亜利根ボーリング

NEDO事業の成果をもとに、(株)東亜利根ボーリングは、地中熱利用システム導入時に必要となる掘削機の自動化・低騒音化技術を開発し、それら技術を搭載した高性能ボーリングマシン「ソニックNEO」を開発しました。

本掘削機は、大幅な低騒音化(従来機比)と、一部自動化による作業人員削減を実現し、特に都市部において地中熱利用システムの導入コスト低減に大きく貢献するものです。

(株)東亜利根ボーリングは、本掘削機を2017年7月に商品化する予定です。

  • ソニックNEOの写真
    図 自動化・低騒音化技術を搭載した高性能ボーリングマシン「ソニックNEO」

1.概要

再生可能エネルギーの利用拡大には、エネルギーを電力利用するだけでなく、地中熱・太陽熱・雪氷熱などの再生可能エネルギー熱利用※1も重要です。しかし、再生可能エネルギー熱利用においては導入コストや運用コストが高いことなどが課題となっています。このような背景のもと、NEDOは再生可能エネルギー熱利用の普及拡大に貢献することを目的に、「再生可能エネルギー熱利用技術開発」において、コストダウンを目的とした地中熱利用技術やシステムの開発、各種再生可能エネルギー熱利用のトータルシステムの高効率化・規格化、評価技術の高精度化に取り組んでいます。本事業において、株式会社東亜利根ボーリングは、地中熱利用システム導入コスト低減を目的とした高性能ボーリングマシンの低騒音化・自動化に取り組みました。

今般、NEDO事業の成果をもとに、(株)東亜利根ボーリングは、地中熱利用システム※2の導入にあたり必要となる掘削機の自動化・低騒音化技術を開発し、これらの技術を搭載した高性能ボーリングマシン「ソニックNEO」を開発しました。

地中熱の利用にあたっては、日本の地層はさまざまな土質が互層状になっていることから、掘削作業における熟練技術者の経験値が作業効率に大きく影響しています。さらに、都市部での掘削作業では騒音対策が必須であるため、機械能力を十分に活かしきれない状態でした。そこでNEDO事業において、自動化・低騒音化技術の開発に取り組んだ結果、自動化技術では遠隔操作などの技術導入により作業人員の削減が可能となり、低騒音化技術では従来機に比べてエンジン騒音で11dB※3、掘削騒音で10dBの低騒音化を実現しました。これにより本掘削機は、特に騒音対策が必要となる都市部において地中熱利用システムを導入する際、その導入コスト低減に大きく貢献できます。

(株)東亜利根ボーリングは、開発した高性能ボーリングマシン「ソニックNEO」を2017年7月より商品化する予定です。

2.今回の成果

【1】自動化技術の実現による掘削コストの低減

以下の自動化技術の開発により、作業の安全・安心の確保を実現しました。

  • 遠隔操作(回転、姿勢、走行)
  • 自動ロッドチェンジャ※4
  • 自動ロッドラック※5

これらの技術の導入により、作業人員の削減が可能となり、掘削コストの低減に貢献できます。

【2】低騒音化の実現による掘削コストの低減

都市部における掘削作業では、騒音対策が必須であるため掘削機械の能力を十分活かすことができませんでした。今回商品化する「ソニックNEO」では、従来機の「ソニックドリル※6」に比べエンジン騒音で11dB、掘削作業音で10dBを低減するなど、掘削機の低騒音化を実現しました。この結果、都市部の掘削においても掘削機械の能力を最大限活用することができ、掘削能力を2倍程度まで向上することを達成しました。また、国土交通省より超低騒音型建設機械に指定される予定です。

3.今後の予定

さらなる掘削の自動化を目指し、(株)東亜利根ボーリングは、慶應義塾大学 環境情報学部 武藤佳恭教授とともにアンサンブル機械学習※7による自動掘削技術開発を実施しており、熟練技術者と同等の自動掘削を再現した時点で、新たな自動化技術を搭載したボーリングマシンを商品化する予定です。

【用語解説】

※1 再生可能エネルギー熱利用
冷暖房や給湯のための熱を得るために地中熱、太陽熱、雪氷熱などの再生可能エネルギーを用いること。
※2 地中熱利用システム
昼夜、季節に関わらず安定している地中温度を冷暖房等の熱エネルギーとして利用するシステム。
※3 dB
音圧レベルを表す単位。
【参考】騒音値の目安一覧
騒音値 [dB] 騒音発生源
120 飛行機のエンジンの近く
110 自動車のクラクション(2m)
100 電車が通るときのガード下
90 騒々しいガード下
80 地下鉄の車内
70 やかんの沸騰音(1m)
60 普通の会話
※4 自動ロッドチェンジャ
自動的にロッドを掴み取り、掘削機に供給またはロッドラックへ収納する機器。
※5 自動ロッドラック
自動的にロッドを格納もしくは供給するための棚型の機器。
※6 ソニックドリル
ビットの先端に回転と強振動を与えて掘削するロータリーバイブレーションタイプのボーリングマシン。
※7 アンサンブル機械学習
複数の学習器を組み合わせて、学習能力を向上させる方法。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:増田 TEL:044-520-5183­

株式会社東亜利根ボーリング 製販営業本部 本社営業部 担当:井内克則 TEL:03-5775-3939

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、藤本 TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp