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Press Release

固体酸化物形燃料電池の実証実験で総合効率90%を達成

―実環境下で4,000時間の連続運転を実施へ―
2017年7月25日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫

NEDO事業において、日立造船(株)は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を大阪産業技術研究所(ORIST)内に設置し、実証実験を行った結果、電気と熱を併せた総合エネルギー効率において、業界トップクラスとなる90%を達成しました。今後、実負荷環境下で耐久性評価に必要な4,000時間の連続運転を行い、本装置の安全性や信頼性の評価を行う予定です。

日立造船(株)は、市場規模・採算性を考慮し、食品スーパー、コンビニ、オフィスビル、集合住宅などを対象にSOFC発電装置の2017年度の市場導入を目指すとともに、災害時の非常用電源としての活用も検討します。

  • 設置されたSOFC発電装置の写真
    図1 ORISTに設置した業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)

1.概要

NEDOは、燃料電池の普及促進・市場拡大を図るために、業務・産業用燃料電池システムの実用化に向けた取組を進めてきました。助成先である日立造船株式会社が開発した、業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電装置を、地方独立行政法人大阪産業技術研究所(ORIST)の和泉センターに設置し、6月から実証実験を開始しました。その結果、電気と熱を併せた総合エネルギー効率において、業界トップクラスとなる90%(発電効率50%、熱回収効率40%)を達成しました。実証実験の実施にあたっては、大阪府バッテリー戦略研究センターの協力を得ています。

本装置は、メタンを主成分とする都市ガスを改質して得た水素を燃料とし、小型分散型電源でエネルギー効率が高く、省エネルギー性に優れたシステムであり、低騒音・低振動・CO2排出量削減の面で高い環境性が期待されます。今後、実負荷環境下で耐久性評価に必要な4,000時間の連続運転を行い、本装置の安全性や信頼性の評価を行う予定です。

なお、この実証実験は、日立造船(株)とORISTが、先進的な水素プロジェクトの創出をめざす大阪府および大阪市の共同の取組である「H2Osakaビジョン推進会議」に参画して進めるものです。

2.実証事業の内容

(1)事業名称:

「固体酸化物形燃料電池等実用化推進技術開発/固体酸化物形燃料電池を用いた業務用システムの実用化技術実証/固体酸化物形燃料電池(SOFC)による業務用・産業用システム実証および事業化検討」(2014~2017年度)

(2)装置名:業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電装置

(3)装置の仕様:

  • a. 使用燃料 都市ガス13A(主成分はメタン)
  • b. 定格出力 20kW級
  • c. 総合効率 90%(発電効率50%、熱回収効率40%(温水22→84℃ベース))
  • d. 本体寸法 幅2.2m×長さ4.3m×高さ2.8m

(4)装置の特長:

  • a. 省エネルギー(小型分散型電源で高いエネルギー効率)
  • b. 高環境性(クリーン、低騒音、低振動、CO2排出量削減)

(5)実証の期間:

2017年6月23日~11月頃(約4,000時間)

(6)実証予定場所:

地方独立行政法人大阪産業技術研究所 和泉センター

(7)実証内容:

実負荷環境下において、4,000時間以上の連続運転を行い、安全性や信頼性を評価する。

3.今後の予定

今回実証を行ったORISTに引き続き、大阪市の施設においても候補地を検討中であり、別途、実証実験を実施する予定にしています。

日立造船(株)は、業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電装置について、市場規模・採算性を考慮し、20~数百kWまでの食品スーパー、コンビニ、オフィスビル、集合住宅などを対象とした2017年度の市場導入を目標に開発を進めています。また、トラックに搭載可能な形状であることを生かして、今後、災害時の非常用電源として活用を検討していきます。

  • 今後の業務・産業用SOFCの推進イメージ
    図2 日立造船(株)の今後の業務・産業用SOFCの推進イメージ

【用語解説】

※ H2Osakaビジョン推進会議
大阪府および大阪市は、水素・燃料電池関連分野における今後の取組の方向性を示した「H2Osakaビジョン」の実現に向け、産・学・官が協力して取り組むことにより、地域の特徴を活かした水素エネルギーの利活用の拡大および水素・燃料電池関連産業振興の機運醸成を図ることを目的として、H2Osakaビジョン推進会議を2016年8月から運営しています。H2Osakaビジョンでは、水素エネルギーにおける幅広い分野での実証事業等のプロジェクトを民間企業と連携して創出し、事業者の研究開発成果を実用化や事業化につなげることを取組の方向性に掲げています。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:門脇 TEL:044-520-5261

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、藤本、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp