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Press Release

次世代人工知能技術の社会実装を目指した先導研究15テーマを採択

―国内の社会課題解決とグローバルに通用する技術の確立目指す―
2017年8月9日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫

NEDOは、次世代人工知能技術の社会実装を目指す15テーマの先導研究を採択しました。

本先導研究では、ロボティクスと材料・デバイスなどを人工知能と融合させ、良質な現場データを活用して社会課題を解決する有望な次世代人工知能技術の研究開発を行います。

NEDOは、本取組を通じて、生産性向上、高齢者支援、健康増進などの日本が抱える社会課題解決への貢献と、グローバルに通用する人工知能技術の確立を目指します。

1.概要

NEDOは、経済産業省の2016年度第2次補正予算「人工知能に関するグローバル研究拠点整備事業」により東京都臨海副都心地区と千葉県柏地区に整備される国立研究開発法人産業技術総合研究所の産学官連携の施設(グローバル研究拠点※1)において、2018年度以降に実施される人工知能の社会実装に向けた本格的な研究開発につなげるべく、次世代人工知能技術の社会実装に向けた先導研究15テーマを採択しました。

本先導研究の実施期間は2年以内とし、社会実装のために人工知能と融合させる技術領域として、ロボティクス(システム、シミュレーター、プラットフォーム)と材料・デバイス(センサー、アクチュエータ等の人工知能/IoTデバイス、デバイス開発に必要な半導体、スマートマテリアル、ナノ材料等の計測、加工、合成技術等の要素技術を含む)を中心に設定しています。質の高い独自の現場データを活用して社会課題の解決に貢献する有望な次世代人工知能技術を研究開発したうえで、その成果をグローバル研究拠点における次世代人工知能技術の社会実装に向けた本格的な研究開発につなげることを想定しています。

NEDOは、本先導研究とそれにつながるグローバル研究拠点での研究開発によって人工知能適用分野を情報サービスから物理的なサービスに拡張し、生産性向上、高齢者支援、健康増進などの日本が抱える重要な社会課題へ貢献するとともに、グローバルに通用する人工知能技術の確立を目指します。

2.採択テーマと委託予定先一覧

採択テーマ 委託予定先
オントロジー※2推論のリアルタイム処理を実現する組み込み技術の実現と安全・安心分野への応用 一般社団法人組込みシステム技術協会
AI活用による安全性向上を目指したスマートモビリティ※3技術の開発 国立研究開発法人産業技術総合研究所
AI×ロボットによる高品質細胞培養の自動化とオミックス※4データの大規模取得 国立研究開発法人産業技術総合研究所
アクセリードドラッグディスカバリーパートナーズ株式会社
ロボットをプローブとした高齢者の生活機能の計測・分析・介入技術の研究開発 国立研究開発法人産業技術総合研究所
キング通信工業株式会社
パナソニック株式会社
物流サービスの労働環境改善と付加価値向上のためのサービス工学×AIに関する研究開発 国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人筑波大学
国立大学法人東京大学人工物工学研究センター
高齢者の日常的リスクを低減するAI駆動アンビエントセンサ・アクチュエータ※5システムの研究開発 国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人東京大学
セイコーインスツル株式会社
健康増進行動を誘発させる実社会埋込型AIによる行動インタラクション技術の研究開発 国立研究開発法人産業技術総合研究所
美津濃株式会社
株式会社竹中工務店
国立大学法人東京大学人工物工学研究センター
国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター
人工知能技術を用いた植物フェノミクス※6とその応用に関する先導研究 特定非営利活動法人植物工場研究会
国立研究開発法人産業技術総合研究所
鹿島建設株式会社
国立大学法人千葉大学
熟練スキルを搭載した知能ロボットの研究開発 国立大学法人東京大学
国立研究開発法人産業技術総合研究所
株式会社アールテック
イノベーション・リビングラボの先導研究 学校法人東京電機大学
コンビニ等の店舗内作業を対象としたAI×ロボティクスによる高度マテリアルハンドリング※7・システムの研究開発 株式会社豊田自動織機
国立研究開発法人産業技術総合研究所
国立大学法人東京大学
多摩川精機株式会社
次世代製造バリューチェーン構築へ向けた人工知能の研究開発 日本電気株式会社
空間移動時のAI融合高精度物体認識システムの研究開発 一般財団法人マイクロマシンセンター
国立大学法人東京大学
国立大学法人電気通信大学
国立研究開発法人産業技術総合研究所
オリンパス株式会社
株式会社デンソー
人・機械協働生産のための人工知能を活用した作業者モデル構築に関する研究開発 三菱電機株式会社
国立研究開発法人産業技術総合研究所
人工知能と超音波3D画像による筋肉・腱・軟骨等の健康状態測定装置の研究開発 株式会社U.N.デカルト

【用語解説】

※1 グローバル研究拠点
AI技術と日本の強みであるものづくり技術の融合等により、日本初の新たな付加価値を創出するため、国内外の叡智を集めた産学官一体の研究拠点。 本拠点では、以下が整備される予定。
  • 産学官が集い共創する物理的な場所・施設インフラの整備
  • 模擬的な医療・介護現場、住環境、工場等の実証環境の整備
  • 医療・介護分野など様々な個別分野データの【1】収集・管理、【2】解析、【3】二次提供を行うデータ基盤の構築
  • AI技術を搭載した機器等の試作・実証・評価環境の整備 等
※2 オントロジー
元々、哲学の用語であり、世の中に存在するものを体系立てて説明するものとされている。人工知能の世界では、対象となる概念とその関係を整理したものを指す。例えば、「道路」という概念は、「車線」や「交差点」などの概念から構成されているなどと定義される。
※3 スマートモビリティ
高齢者個人移動支援用モビリティ(例:電動車いす)等の歩行者空間を走行するパーソナルモビリティに、周囲の環境を検知・判断して自律的に危険を回避する等の搭乗者アシスト機能を搭載して安全性向上を目指すモビリティ。
※4 オミックス
遺伝子の発現、たんぱく質の構造解析・たんぱく質の立体構造決定、一塩基多型性の同定、細胞内の全代謝物質の網羅的解析等、個々の網羅的分子情報の基礎研究から、種々の分子情報の差異と共通性に基づいて全体性において把握し、新薬の開発などに役立てようとするもの。
※5 アンビエントセンサ・アクチュエータ
アンビエント(ambient)とは、「環境の」という意味で、周囲の環境に溶け込みながら沢山の情報を自然と取り込んだり(センサー)、動きとして外界に出力する(アクチュエータ)装置の総称。
※6 植物フェノミクス
「植物の形質と成長量は遺伝的要因と環境要因の総合作用の結果である」との立場で、ゲノム(遺伝子の総体)-環境-フェノム(形質と成長量の総体)を一体的に扱う新しい研究分野。
※7 マテリアルハンドリング
調達、生産、販売、回収などの生産拠点や物流拠点内における原材料、仕掛品、完成品にかかわるあらゆる取り扱い作業のこと。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:堀川、村本、金山 TEL:044-520-5241­

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp