本文へジャンプ

Press Release

優れたAIベンチャー企業の研究テーマ6件を採択

―コンテスト方式で50件以上の応募から選定―
2017年9月6日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫

NEDOは、革新的・挑戦的なAI技術を発掘して支援することを目的に、優れたAIベンチャー企業の研究テーマ6件を採択しました。57件の応募の中から、書面審査と試作品などのデモンストレーションによるコンテストにより、優れた研究テーマを選定しました。

本事業は、政府の「人工知能技術戦略」を踏まえたもので、NEDOはベンチャー企業支援を通じてAIの社会実装を促進し、新たな需要の創出や既存分野との融合による産業競争力の強化を目指します。

1.概要

第5回「未来投資に向けた官民対話」(2016年4月12日)における安倍総理の指示を受け、人工知能(AI)の研究開発・産業化の司令塔として「人工知能技術戦略会議※1」が政府に設置されました。同会議は、「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ」とこれを実現するための「人工知能技術戦略」を策定しました(2017年3月31日)。同戦略において、AI技術の利活用を一層促進するためにはベンチャー企業の支援が必要と示され、NEDOがベンチャー企業の研究開発を支援することが決まりました。

今回、NEDOは、非常に技術開発のスピードが速いAI技術の分野において、ベンチャー企業が有する革新的・挑戦的な技術を発掘して支援することを目的に、幅広い応募を受け付けるため、NEDO事業※2の公募プロセスに新しい工夫を施しました。まず、ベンチャー企業が応募しやすいように事務負担を軽減するため、従来よりも簡素なエントリーシートで応募を受け付け、審査の進捗に合わせて必要な追加書類を求めました。そして、コンテストでは、ベンチャー企業のサービスや製品、試作品のデモンストレーションによるパフォーマンス審査を行い、AI技術の社会実装の実現可能性を多角的に評価しました。

その結果、57件の応募の中から、最優秀賞1件、優秀賞・審査員特別賞3件、審査員特別賞2件の合計6テーマを採択しました。採択が決定した委託先は、2017~2018年度までの2年以内の研究開発を実施します。NEDOは、ベンチャー企業支援を通じてAIの社会実装を促進し、新たな需要の創出や既存分野との融合による産業競争力の強化を目指します。

2.採択テーマおよび委託先一覧

コンテスト結果 採択テーマ名 委託先 委託費上限額
最優秀賞 多様話者・多言語に対応可能な“End-to-End音声認識AI”の実用化 Hmcomm株式会社 50百万円
優秀賞
審査員特別賞
人工知能による診療科推論等の調査研究 ARアドバンストテクノロジ株式会社 34百万円
株式会社島津製作所
優秀賞
審査員特別賞
スマホで育てる日本発個人向け人工知能 SOINN株式会社 38百万円
優秀賞
審査員特別賞
深層学習を利用した対話型インターフェースによる非構造化データ検索の調査研究 株式会社BEDORE 38百万円
審査員特別賞 五感AIカメラの開発 アースアイズ株式会社 12百万円
審査員特別賞 契約書関連業務における抜本的バックオフィス改革人工知能の調査研究 株式会社シナモン 8百万円

3.各採択テーマ概要

最優秀賞
「多様話者・多言語に対応可能な“End-to-End音声認識AI”の実用化」
Hmcomm株式会社

社会的課題である「少子高齢化による人手不足」、「遠隔医療の高度化」などを音声認識によって解決するための基盤技術として「人間に匹敵する音声AI、CNN(畳み込みニューラルネットワーク※3に基づくEnd-to-Endシステムの実用化」を目指します。

  • Hmcomm社の技術イメージ
    図1.「多様話者・多言語に対応可能な“End-to-End音声認識AI”」のイメージ

優秀賞・審査員特別賞
「人工知能による診療科推論等の調査研究」
ARアドバンストテクノロジ株式会社、株式会社島津製作所

AIが外来患者の問診情報を対話的に取得し、そこから推測される適切な診療科への誘導を行うことで、外来患者の待ち時間の短縮、医療事務の効率化を目指すクラウドAIシステムを実現します。

  • ARアドバンストテクノロジ社、島津製作所の技術イメージ
    図2.「人工知能による診療科推論」のイメージ

優秀賞・審査員特別賞
「スマホで育てる日本発個人向け人工知能」
SOINN株式会社

スマートフォンのプライバシー情報を自動で学習することにより、自分にピッタリの情報収集や機器操作の代行などをする「AIパーソナルコンシェルジュSOINN」を開発します。また、スマートフォン端末上で学習するためプライバシー情報漏れのリスクを低減できます。

  • SOINN社の技術イメージ
    図3.「スマホで育てる日本発個人向け人工知能」のイメージ

優秀賞・審査員特別賞
「深層学習を利用した対話型インターフェースによる非構造化データ検索の調査研究」
株式会社BEDORE

深層学習ベースの対話型ドキュメント検索・質問応答システムを構築し、ビッグデータで最適化されているウェブ検索などに比べ非効率的だった企業内での情報検索の効率化を目指します。

  • BEDOREの技術イメージ
    図4.「深層学習を利用した対話型インターフェースによる非構造化データ検索」のイメージ

審査員特別賞
「五感AIカメラの開発」
アースアイズ株式会社

画像解析、音素解析、音源探知、嗅覚センサー等、ヒトの五感に代わるセンサーと人工知能による解析を組み合わせて、事故・事件の予防抑止に役立つシステムを構築します。まずは、小売業の万引き対策を含めた店舗のAI化の実現を目指します。

  • アースアイズの技術イメージ
    図5.「五感AIカメラ」のイメージ(小売業の場合、店舗の場合)

審査員特別賞
「契約書関連業務における抜本的バックオフィス改革人工知能の調査研究」
株式会社シナモン

人間のように文書を読み取る人工知能文書読み取りエンジンの活用を行い、事務業務の抜本的改革を目指します。

  • シナモン社の技術イメージ
    図6.「契約書関連業務における抜本的バックオフィス改革人工知能」のイメージ

4.審査委員

「次世代ロボット中核技術開発/次世代人工知能技術分野」(調査研究)

採択審査委員一覧(五十音順、敬称略)

区分 氏名 所属 役職
委員長 川上 登福 株式会社 経営共創基盤 パートナー
取締役 マネージングディレクター
株式会社 IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス 代表取締役 CEO
委員 大沢 英一 公立大学法人 公立はこだて未来大学 システム情報科学部 複雑系知能学科
教授
委員 進藤 智則 株式会社 日経BP 日経Robotics編集長
委員 本村 陽一 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター
首席研究員 兼
確率モデリング研究チーム長
委員 山本 晶 学校法人 慶應義塾 慶應義塾大学大学院経営管理研究科
准教授

【用語解説】

※1 人工知能技術戦略会議
人工知能技術戦略会議は、人工知能(AI)技術を核としたIoTの社会・ビジネスへの実装に向けた研究開発・実証につなげるため、総務省・文部科学省・経済産業省の3省が連携・合同して次世代のAI技術の研究開発と成果の社会実装を加速するにあたり、AI技術に関する技術戦略、3省として実施すべき内容及びその役割分担、AI技術に関する重要な事項について、関係機関の合議により処理することが適当な事務の方針等を調査・検討する会議です。
※2 NEDO事業
事業名:次世代人工知能・ロボット中核技術開発/次世代人工知能技術分野(調査研究)
期間:2017年度~2018年度
※3 CNN(畳み込みニューラルネットワーク)
機械学習の一つ。

5.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:葛馬(かつらうま)、藤田(裕)、金山 TEL:044-520-5241

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、坂本、髙津佐 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp