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Press Release

IoTを活用した社会システムの変革を促す事業に新規分野を追加

―産業保安分野・製造分野を対象にIoT化の効果検証を実施へ―
2017年9月7日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫

NEDOは、IoTを活用した社会システムの変革を促す事業において、新たに産業保安分野と製造分野を追加し、IoT化の効果検証を行う18テーマを採択しました。

産業保安分野では、IoT技術やビッグデータ解析などの新技術を活用することにより、プラント設備の信頼性を高めながら、効率的でより柔軟なメンテナンスの実現を目指すとともに、異なる製油所・化学プラント間のデータを利活用するプラットフォームの標準仕様を策定し、将来の規制・制度の緩和につなげる提言を行います。

製造分野では、工場の生産設備の稼働状況などのデータを工場間、企業間で共有・活用するための業界横断的な標準仕様を確立し、IoTを活用した生産システムの変革やビジネスモデルの革新を促していきます。

1.概要

NEDOは、データ利活用がもたらす具体的な効果検証を行うとともに、業界横断的な共通仕様の整備、制度的な課題の特定や改善などを通じて、IoTを活用した社会システムの変革を促すことを目的とする「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」(2017~2018年度)を実施しています。

今般、本事業において産業保安分野と製造分野を追加し、合計18テーマ(産業保安分野10テーマ、製造分野8テーマ)を新たに採択しました。各分野の概要は以下の通りです。

(1)産業保安分野

国内の多くのプラントで設備の高経年化や熟練作業員の減少が進んでおり、重大事故のリスク増大が懸念されています。こうした産業保安分野に対して、IoT技術やビッグデータ解析などの新技術を活用することにより、プラント設備の信頼性を高めながら、効率的でより柔軟なメンテナンスの実現を両立することが求められています。このような背景のもと、NEDOは、IoT技術を活用した新たな産業保安システムの開発やプラットフォームに関する研究開発事業と調査事業を実施します。

本分野の事業では、保安を高度化するシステムとして製油所・化学プラントで課題となっている配管内外の腐食発生確率モデルの構築や大量の運転データやテキストデータの活用による異常の予兆検知システムを開発するとともに、異なる製油所・化学プラント間のデータを利活用するためのプラットフォームの標準仕様を策定します。さらに、将来の規制・制度の緩和につなげる提言を行い、産業保安分野の変革を促します。

(2)製造分野

日本では、製造現場の機器から得られる様々なデータを経営層の基幹システム(ERPなどの生産管理や経理などを行うシステム)に直接活用できていないのが現状ですが、この課題を克服することにより、工場稼働率のさらなる向上、受発注や市場動向に応じた柔軟な生産体制の実現、販売後の製品の故障予知や部品交換時期の提案など、製造業の生産性の向上やビジネスモデルの革新が期待できます。これを実現するには、工場の生産設備の稼働状況や製品の設計・品質情報などのデータを工場間、企業間で共有・活用するための業界横断的な標準仕様を確立することが必要です。

本分野の事業では、経済産業省が2016年度に実施した「IoT推進のための社会システム推進事業(スマート工場実証事業)」で策定したデータプロファイルとセキュリティ対応マニュアルについて、実際の工程へ適用した上での有効性検証を行います。

また、本事業の一環として、経済産業省が策定したデータ利用権限に関する契約ガイドラインについて製造業の現場に適用することを想定した改良の検討、ロボット革命イニシアティブ協議会が「IoTユースケースマップ」上に公開しているユースケース事例の分析を通じたIoT活用促進のためにとるべき施策案についての検討も併せて実施します。

2.委託予定先

(1)産業保安分野 【事業期間:2017年度~2018年度】

以下が本分野における委託予定先です。なお、各テーマの概要については、別紙1をご参照ください。

【1】各種データ(設備、運転、点検、テキスト、環境、熟練従業員のノウハウ 等)の活用により保安を高度化するシステムの構築 (6件)
内容 委託予定先
配管の画像データを用いた腐食解析システムの開発 アクセンチュア株式会社
可聴域外を含む装置音データを用いた異常検知システムの開発 アクセンチュア株式会社
防爆モバイル端末を用いた巡回点検システムの開発 アクセンチュア株式会社
実機検査データ解析に基づいた保温材下腐食発生予測モデルの開発 旭化成株式会社
ヒヤリハット報告から事故の未然防止を実現するリアルタイム・リスクアセスメントシステムの開発 国立大学法人鳥取大学
日本電気株式会社
国立大学法人筑波大学
ビッグデータ解析手法を用いた配管内面腐食診断機能、検査計画支援機能の開発 日揮プラントイノベーション株式会社
【2】保安の高度化を実現するプラットフォームの開発 (3件)

<製油所向けプラットフォームの開発>

内容 委託予定先
製油所向けに企業横断的に使用可能となるプラットフォームの開発 一般財団法人石油エネルギー技術センター
アクセンチュア株式会社
運転・保全に係る情報を連携活用する製油所向け3Dプラントモデルプラットフォームの開発 千代田化工建設株式会社

<破損データ等を活用した定量的なリスク評価を可能とするプラットフォームの開発>

内容 委託予定先
機器別一般破損頻度(GFF)データを共有するプラットフォームの開発 一般社団法人日本高圧力技術協会
【3】産業保安の高度化に資するプラットフォームや規制等のあるべき姿の検討 (1件)
内容 委託予定先
産業保安実証事業の成果最大化、産業保安プラットフォームのあり方の提案 株式会社三菱総合研究所

(2)製造分野 【事業期間:2017年度】

以下が本分野における委託予定先です。なお、各テーマの概要については、別紙2をご参照ください。

【1】IoT技術の活用による業界横断的な生産システムの開発 (4件)
内容 委託予定先
工作機械の実装の違いに依らない共通インターフェース及び情報モデルの開発 富士通株式会社所
企業間の製造技術データ共有システムの開発 駿河精機株式会社
国内航空機部品産業のスマート・クラスター化を実現する中小企業用共通プラットフォームの開発 航空機部品生産協同組合
カイゼン活動を生かしたIoT時代のスマートなものづくり手法の開発 一般社団法人インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ
CKD株式会社
株式会社今野製作所
東芝ロジスティクス株式会社
【2】製造分野におけるIoTの社会実装推進に向けた検討 (4件)
内容 委託予定先
スマート工場実証事業の成果最大化 株式会社日立製作所
セキュリティガイドライン調査 株式会社日立製作所
製造業IoTユースケース調査 みずほ情報総研株式会社
データの利用権限に関する契約ガイドライン調査 PwCコンサルティング合同会社

【用語解説】 

※ ERP
Enterprise Resource Planningの略で、企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用する考え方を意味します。現在では、「基幹系情報システム」を指すことが多く、企業の情報戦略に欠かせない重要な位置を占めています。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部  TEL:044-520-5211
産業保安分野担当:工藤、遠藤、服部
製造分野担当:工藤、小泉、山川

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

資料

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