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Press Release

触覚動作を認識する高精細・高感度圧力センサーシステムを開発

―ヒトの皮膚感覚を備えたロボット・スキンの実現に向けて大きく前進―
2017年10月2日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合

NEDOと次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)は、高精細で高感度な圧力センサーと、これをロボット・スキンに応用するシステムを開発しました。このセンサーシステムは、なでる、叩く、揉むなどのさまざまな触覚動作をロボットに認識させることができ、ヒトの皮膚感覚を備えたロボットの実現を大きく前進させます。

今回、このロボット・スキンをヒト型ロボットに装着した、触感によるコミュニケーションシステムをCEATEC JAPAN 2017で展示します。

  • ロボット・スキンをヒト型ロボットに搭載したシステムのイメージの図
    図 ロボット・スキンをヒト型ロボットに搭載したシステムのイメージ

NEDOと次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)は、高精細で高感度な圧力センサーと、これをロボット・スキンに応用するシステムを開発しました。このセンサーシステムは、さまざまな触覚動作(なでる、叩く、揉むなど)を認識して、その動作に応じて、ロボットがあたかもヒトと同じ感覚を持つように反応するものです。これにより、ロボットとのコミュニケーションの幅が広がります。また、このセンサーは全て印刷プロセスで作製可能であることから、低コスト化や材料塗り分けによる多機能化が期待できます。

今回、このロボット・スキンをヒト型ロボットに装着した、触感によるコミュニケーションシステムをCEATEC JAPAN 2017で展示します。

2.今回の成果

【1】技術的な特徴

ロボットへの触感付与を実現するためには、ロボットのボディに沿わせることができるような、1)柔らかく、2)面状のセンサーが好まれます。さらに、その位置と力加減、加えてそれらの変化が瞬時に判断できるように、3)高精細で、4)高感度なセンサーが必要です。

JAPERAがNEDOのプロジェクト※1において開発した圧力センサーシートはセンシングする点それぞれにスイッチングトランジスタを持つアクティブマトリックス※2であり、従来のパッシブマトリックス※3に比較して、センシングする点の密度を高くした場合でも高い階調数※4を保つことができ、3)高精細化と4)高感度化を実現しています。さらに、このアクティブマトリックスの有機薄膜トランジスタ(OTFT)※5は柔らかなフィルム上に全て印刷プロセスで形成することができます。これにより、1)柔らかく、2)面状のセンサー形成を実現しました。このセンサーは、ヒトの皮膚感覚を備えたロボットの実現に大きく道を開くものです。

また、印刷プロセスは従来のフォト・リソプロセス※6に比較して大幅なプロセス簡略化が期待できることに加え、真空プロセスが不要なため製造施設の省スペース化や使用材料の省資源化が可能です。このような技術を用いて多数のセンサー素子で飛躍的に高感度の検出を可能にする薄く、フレキシブルな圧力センサーシートを開発しています。また、多機能化のひとつとして2017年2月に提案※7した圧力・温度同時検出シートセンサーの技術による温感の付与も現在検討しています。

【2】CEATEC JAPAN 2017への出展

今回開発したロボット・スキンシステムをCEATEC JAPAN 2017のJAPERAブース(ホール5 小間番号D049)に展示します。また、同プロジェクトの成果として、NEDOブース(ホール4 小間番号S03)には「指でなぞって心と身体をケアする介護支援圧力センサー」も展示します。

「CEATEC JAPAN 2017(シーテック ジャパン 2017)」
日時:
2017年10月3日(火)~6日(金) 各日10時00分~17時00分
場所:
幕張メッセ

(1)ロボット・スキンの展示

ホール5 小間番号D049

(2)介護支援圧力センサーの展示

ホール4 小間番号S03

3.今後の予定

今回開発した圧力センサーシートはフレキシブルフィルム上に構成したものですが、基材フィルムをストレッチャブル素材に替えることにより、さまざまな三次元曲面への対応や、メディカル用途での人体への応用が期待できます。

【用語解説】

※1 NEDOのプロジェクト
次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発(2010~2018年度)
※2 アクティブマトリックス
ディスプレイやセンサーの駆動方式の一つで、交差するXY電極の各交点に形成される画素それぞれにスイッチングトラン ジスタを持つ方式で、目的の画素のみを駆動させることができます。
※3 パッシブマトリックス
ディスプレイやセンサーの駆動方式の一つで、XY電極に同時に電圧を掛け、電極間に挟まれた画素を駆動します。大面積 になる程、干渉しやすく、高解像度化が難しくなります。
※4 階調数
画素の最も明るい(濃い)状態から、最も暗い(薄い)状態までを、何段階に分けるかを表す量子化の数を階調といい ます。8bitの場合、各色256階調(28=256)で画像が表現できます。ここでは圧力の強弱を色の濃淡で表示しています。
※5 有機薄膜トランジスタ(OTFT)
従来のSi(シリコン)に代わり、半導体に有機材料を用いた有機薄膜トランジスタ(Organic Thin Film Transistor)のことで、印刷形成可能性や低温プロセス性の点で注目されていましたが、実用的な製造技術は確立されていませんでした。
※6 フォト・リソプロセス
半導体集積回路などの製造工程で、シリコンのウエファ上に感光材料のフォトレジストを塗布し、フォトマスク(回路パターンの原板)を重ねて露光するパターニングや、現像、熱処理、エッチングなどの工程を経てデバイスを作製する方法です。真空装置を必要とし、プロセスが長く、また装置コストが高い傾向にあります。
※7 2017年2月に提案

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部 担当:栗原、神代 TEL:044-520-5211
次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA) 担当:奥本、佐藤(優) TEL:029-869-9320

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp