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Press Release

自動走行システムの大規模実証実験を開始

―高速道路などで実証実験を重ね、実用化を一層加速―
2017年10月3日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム/大規模実証実験」の管理法人として、自動走行に必要な高精度な3次元デジタル地図(ダイナミックマップ)やヒューマンマシンインターフェース(HMI)などの6つの研究開発テーマの委託先を決定し、自動走行システムの大規模実証実験を本日から開始します。

今後、高速道路や一般道などで大規模実証実験を着実に実施し、技術開発や社会受容性醸成を進めることで、高度な自動走行システムの実用化をより一層加速していきます。

1.概要

内閣府は2014年度から、交通事故の低減や渋滞削減、次世代都市交通システムの実現等を目指して、自動走行システムの早期実用化と普及のために、研究開発事業「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム」※1を推進してきました。

NEDOは、同SIP事業のうち「大規模実証実験」について管理法人として、今回、自動走行に必要な高精度な3次元デジタル地図「ダイナミックマップ」のほか、「HMI」※2、「情報セキュリティ」、「歩行者事故低減」、「次世代都市交通」、「社会受容性醸成」の合計6テーマについて委託先を決定しました。自動走行システムの大規模実証実験を本日から開始します。

今後、高速道路や一般道、公道等で大規模実証実験を着実に実施し、技術開発や社会受容性醸成を進めることで、高度な自動走行システムの実用化をより一層加速していきます。

また、実証実験への参加者という位置づけで、国内外の自動車メーカー等の協力のもと、各テーマの成果についてオープンな場で多角的な評価やフィードバックを得ていきます。

  • 本事業の体制の図1
    図1 本事業の体制

2.採択テーマと委託先一覧(委託予定額 約15億円)

テーマ名 委託予定先 内容
ダイナミックマップ

三菱電機株式会社
アイサンテクノロジー株式会社
インクリメント・ピー株式会社
株式会社ゼンリン
株式会社トヨタマップマスター

株式会社パスコ
国内外の自動車メーカー等の参加者からフィードバックを得て、ダイナミックマップおよび配信の仕組みを検証
HMI

国立研究開発法人産業技術総合
研究所
株式会社デンソー
東京都ビジネスサービス株式会社

国内外の自動車メーカー等の参加者からフィードバックを得て、ドライバーのシステムへの理解、ドライバーReadiness※3状態と運転行動特性の把握および歩行者・自動走行車以外の車とのインタラクションの検証
情報セキュリティ

デロイト トーマツ リスクサービス
株式会社
日本シノプシス合同会社
PwCコンサルティング合同会社

車両の対ハッキング性能を検証するセキュリティ評価手法策定及び実証実験
歩行者事故低減

日本工営株式会社

歩車間通信技術(V2P)と歩行者高精度測位・行動予測技術による相互注意喚起機能の検証
次世代都市交通

株式会社日立製作所
パシフィックコンサルタンツ株式会社
一般財団法人計量計画研究所
株式会社ジェイテクト

ART(次世代都市交通システム)の速達性を向上させる高度化PTPS(公共交通優先信号システム)や歩行者移動支援システム等の実証実験
社会受容性醸成

豊田通商株式会社
日本工営株式会社
国立大学法人名古屋大学
株式会社日建設計総合研究所

国内外の社会受容性向上に向けた取組の調査や実証実験における有効性調査

3.実証予定場所

  • 実証予定場所
  • 高速道路の実証予定場所の図 
    図2 高速道路の実証予定場所
  • 東京臨海地域周辺の実証予定場所の図
    図3 東京臨海地域周辺の実証予定場所
  • 茨城県つくば市周辺の実証予定場所の図
    図4 茨城県つくば市周辺の実証予定場所

4.各採択テーマ概要

<テーマ名>
ダイナミックマップ
<委託予定先>
三菱電機株式会社、アイサンテクノロジー株式会社、インクリメント・ピー株式会社、株式会社ゼンリン、株式会社トヨタマップマスター、株式会社パスコ

ダイナミックマップの実用化に向けた最終仕様の確認・合意、国際標準化、デファクト化の推進、関連する研究開発・アプリケーション開発の促進のため、2017年度は、ダイナミックマップの試作・整備及びセンター機能や更新手法等を確立し、静的な3D地図データを検証します。2018年度は、通信を使用した地図の更新や動的な情報を配信する実証実験を行います。

また、新規建設や整備が進むことで日々変化する道路の状況を迅速に反映するため、静的な3D地図データの差分更新・自動図化に関する研究開発を行います。

  • ダイナミックマップ開発のイメージの図
    図5 ダイナミックマップ開発のイメージ

<テーマ名>
HMI(Human Machine Interface)
<委託予定先>
国立研究開発法人産業技術総合研究所、株式会社デンソー、東京都ビジネスサービス株式会社

2017年度から2018年度にかけて、自動走行システムの機能・状態・動作についてのドライバーの理解について検討し、事前知識のあり方やシステム状態をドライバーに伝えるためのHMIの基本要件を策定します。ドライバーReadinessの定義の確立、ドライバーの状態と遷移時間の関係性の導出、ドライバーReadinessを維持するためのHMIの基本要件の策定を行うとともに、車載可能なドライバーモニタリングシステムを開発します。

また、歩行者・自動走行車以外の車とのコミュニケーションのための外向けHMIを試作・検証し、外向けHMIの基本要件を策定します。

  • HMI開発のイメージの図
    図6 HMI開発のイメージ

<テーマ名>
情報セキュリティ
<委託予定先>
デロイト トーマツ リスクサービス株式会社、日本シノプシス合同会社、PwCコンサルティング合同会社

2017年度は、自動走行における車両のセキュリティ脅威の調査および分析を行い、国際標準化も見据えて車両の対ハッキング性能を検証するセキュリティ評価手法を策定します。2018年度は、策定した評価手法を用いて実証実験を行います。

  • 情報セキュリティ開発のイメージの図
    図7 情報セキュリティ開発のイメージ

<テーマ名>
歩行者事故低減
<委託予定先>
日本工営株式会社

歩車間通信技術(V2P)と歩行者高精度測位・行動予測技術による相互注意喚起機能の有効性評価を行い、実交通環境下での織り込み技術の歩行者事故低減有効性を実証します。

2017年度は、様々なシーンを想定した機能検証による改良点の抽出を行います。2018年度は、東京都のお台場エリア、有明エリアにて一般の参加者を対象とした実証実験を行い、実交通環境下での歩行者事故低減効果を評価し、実用化へ向けた課題整理を行います。

  • 歩行者事故低減開発のイメージの図
    図8 歩行者事故低減開発のイメージ

<テーマ名>
次世代都市交通
<委託予定先>
株式会社日立製作所、パシフィックコンサルタンツ株式会社、一般財団法人計量計画研究所、株式会社ジェイテクト

高齢者、障害者を含む幅広い利用者にとって便利で使いやすい公共交通機関の実現へ向けた利便性やアクセス性(物理的、情報的)の向上およびこれらによる利用転換を促進し、ART(次世代都市交通システム)技術の社会実装に向けた社会受容性醸成を目的として、2017年度から2018年度にかけて、ARTの速達性を向上させる高度化PTPS(公共交通優先信号システム)や歩行者移動支援システム等の実証実験を行います。具体的には、以下の研究開発を行います。

〔1〕ART運行関連情報のデータ集約・蓄積とART利用者等への情報提供の仕組み構築

  • ART情報センター機能の開発および実証実験
  • 高度化PTPSの活用によるART速達性向上の検証
  • 混雑予測および混雑回避誘導手法の検討、実証実験
  • 歩行者移動支援システムの有効性の検証

〔2〕次世代都市交通システム正着制御に係るセンシング技術や制御技術の実用化

  • 次世代都市交通開発のイメージの図
    図9 次世代都市交通開発のイメージ

<テーマ名>
社会受容性醸成
<委託予定先>
豊田通商株式会社、日本工営株式会社、国立大学法人名古屋大学、株式会社日建設計総合研究所

2017年度から2018年度にかけて、今後の自動走行車両の普及に向け、官民の自動走行に対する受容性の醸成が課題となる中、国内外の先行事例について調査するとともに、広報・イベント等を通じた社会受容性向上策の有効性を調査することにより、大規模実証実験を用いた社会受容性醸成に寄与する方法を明らかにします。

【用語解説】

  • ※1 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム
    通称SIP-adus(Automated Driving for Universal Services)。 2014年度から、自動走行システムの早期実用化と普及を通じた交通事故の低減や渋滞削減、次世代都市交通システムの実現等を目指して、産学官共同で取り組むべき共通課題(協調領域)の研究開発を推進。2016年度からは、特に重要な5つの技術領域(ダイナミックマップ、HMI、情報セキュリティ、歩行者事故低減、次世代都市交通)を定め、これらに重点を置いて検討、開発に取り組んできた。課題の研究開発計画等をとりまとめ、中心となって進めるプログラムディレクターはトヨタ自動車株式会社の葛巻清吾氏(2016年4月~)。
    NEDOは管理法人として、内閣府、警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省等と連携して大規模実証実験を推進する。
  • ※2 HMI(Human Machine Interface)
    人とシステムの間で運転を交代する場合に安全、円滑に行うためのインターフェース技術等。
  • ※3 ドライバーReadiness
    ドライバーが車両システムから運転タスクを受け取る準備状態を指標化したもの。例えば、ドライバーの覚醒度合いや、運転への意識の集中度合い、周辺状況の理解度合い等が指標の構成要素となり得る。

5.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:林、水ノ江、齊藤 TEL:044-520-5241

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp